「その場しのぎ」の減税や排外主義にNO 全国知事会が「青森宣言」
青森市で開かれていた全国知事会議は24日、「青森宣言」を全会一致で採択して閉幕した。
20日に投開票された参院選を受けて、知事会は「その場しのぎでない真の政策論議」を国に求めた。特に、争点の一つになった消費減税について、代替財源なき減税に異を唱え、宣言では「将来世代につけを回すような施策ではなく」「若者が未来を自由に描き実現できる国づくりを、党派を超えて目指すことを求める」と強調した。
急増する外国人への対応も参院選で争点となった。流入規制や生活保護の支給制限などを訴えた政党が躍進したことに対し、宣言には「排他主義、排外主義を否定し、多文化共生社会を目指す我々47人の知事がこの場に集い、対話の中で日本の未来を拓(ひら)くに相応(ふさわ)しい舞台となった」という言葉を盛り込んだ。
宣言はあえて「厳しい書き方をした」
また、事実に基づかない情報がSNSなどで広まっていることから、「民主政治を脅かす不確かで根拠のない情報から国民を守り、国民が正しい情報に基づいて政治に参画できるシステムの構築を求めていく」とした。
宣言は、人口減少問題や医療・介護サービス提供体制の確保などの長年の課題の解決を求めるとともに、参院選の動きを強く意識したものとなった。全国知事会長の村井嘉浩・宮城県知事は会議後の記者会見で、消費減税や給付金交付に関する与野党の論争を例に、「右往左往していると国民の目には映ったと思う。場当たり的、その場しのぎの施策でごまかしている形に見えてしまったのではないか。そこは根本的に改めないと国民の支持は得られないという思いで厳しい書き方をした」と語った。
来年の全国知事会議は7月15~17日、鳥取市で開かれる。