水曜深夜の千葉テレビ『うみねこのなく頃に』第18話「EpisodeIII-VII swindles」
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 (↑『うみねこのなく頃に』第18話より右代宮縁寿。2ちゃんねる実況スレッドからの転載)
 ベアトリーチェ(声・大原さやか)はすっかり改心し、いつの間にか主人公・右代宮戦人(声・小野大輔)の味方をするようになってしまいました。だがしかし、これは演技であった!ベアトリーチェは第15話中盤以前のような高飛車な態度を取り戻し、言い放ちます。「お師匠様の作戦でな、ツンの後デレッとして見せる、これぞ名付けて北風と太陽作戦という訳よ!!」1986年を舞台にした物語なのに、2000年代的なツンデレキャラクターの特徴を持ち込むのは流石に強引でしたが(但し、「嫌がっているように見せて実は優しい」という広義のツンデレは、昭和10年の映画『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』や昭和34年の映画『潜水艦イ―57降伏せず』等で既に見られる)、第15話後半~第18話前半においてベアトリーチェの可憐な表情を描いた作画陣と、大原さやかの人情に訴える台詞回しにより、劇中の戦人も、視聴者である私も、まんまと騙されてしまいました。作画陣と大原の巧みさの勝利と言えましょう。そして意外な裏切り者がベアトリーチェの師匠であるワルギリア(声・井上喜久子)。第14話「EpisodeIII-III positional play」で戦人の味方についたので、劇中の戦人も視聴者である私もすっかりワルギリアを信用してしまいましたが、結局は魔女の師弟同士グルであった。ワルギリア&ベアトリーチェ師弟の腹芸は見事と言う他なく、その名コンビぶりは『クイーンズブレイド』のエキドナ&イルマ師弟やアレイン&ノワ師弟を遥かに凌駕するものだと言えます(因みにベアトリーチェとアレインは千歳、エキドナは五百歳だそうで)。
 ワルギリア&ベアトリーチェ師弟の策略にまんまと陥った戦人を救ったのは、今回初登場した戦人の妹・縁寿(声・佐藤利奈)でありました。軽い身のこなしで羊の魔物を次々となぎ倒す縁寿。強い!『とある科学の超電磁砲』で佐藤利奈が演じている御坂美琴と同様に、驚異の戦闘能力を発揮しています。『にゃんこい!』の望月千鶴、『乃木坂春香の秘密 ぴゅあれっつぁ♪』の天宮椎菜も含め、今期の佐藤利奈は印象深い活躍を見せています。
 番組のラストは、1998年の世界。老婆となった右代宮絵羽(声・伊藤美紀)は縁寿を呼び出し、臨終を迎えます。伊藤美紀はこれにより、本作の劇中で10代の少女の声、50代の声、老婆の声という具合に3種類の声を出していることになり、芸達者ぶりを発揮しています。そして、絵羽を看取った縁寿の前に現れたのはベルンカステル(声・田村ゆかり)であった。ベルンカステルから「あなたの家族は永遠に12年前のあの日に閉じ込められているわ」とまるで『ひぐらしのなく頃に』のようなことを言われた縁寿は、ループ世界に立ち向かう決心を固めるのでした。かっこいいぞ縁寿。これからは縁寿が物語の中心人物となるのでしょうか。数話ごとに中心人物を目まぐるしく入れ替える本作の作劇手法は、視聴者の関心を惹きつけ続けるという点で機能していると言えましょう。 


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