横溝正史、14歳当時の童話発見 「三つの林檎」
名探偵の金田一耕助を主人公にした推理小説で知られる作家の横溝正史(1902〜81年)が、14歳の時に雑誌に応募した全集未収録の童話「三つの林檎(りんご)」が見つかったことが25日までに分かった。専門家は「横溝が残したフィクション作品の中で最も古く、14歳にして既に才能が開花している。作家になるべくして生まれたと思わせる作品だ」とコメントしている。
童話が掲載されていたのは、「東京時事新報社」の雑誌「少年」の1916年10月号。猿のイラストを題材に、読者が千字の物語を応募する企画で、横溝は、風邪で寝込んでいる夢うつつの少年が絵から飛び出してきた猿にリンゴをもらい、気が付くと実際にリンゴが枕元にあったというストーリーで「1等賞」の賞品の置き時計を受けた。
探偵小説研究家の浜田知明さんが発見し、横溝研究の第一人者で二松学舎大教授の山口直孝さんが作風やペンネームなどから本人の作品と確認。山口さんは「この童話の存在について、横溝が後年のエッセーで言及したことはあったが、内容は分かっていなかった。貴重な発見だ」と話した。〔共同〕