児童5人死傷事故、元運転手に懲役14年の判決 千葉地裁
千葉県八街市で昨年6月、飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込み2人が死亡、3人が大けがを負った事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた元運転手、梅沢洋被告(61)に千葉地裁は25日、「危険性を顧みない運転態度は最悪で、強い非難に値する」として、懲役14年(求刑懲役15年)の判決を言い渡した。
金子大作裁判長は判決理由で、遅くとも2020年から飲酒運転を繰り返していたと認定し「大型トラックの職業運転手として安全を心掛けるべき立場にあったのに、安易に飲酒運転を続けた」と非難した。
その上で「児童らの恐怖は計り知れず、肉体的、精神的苦痛は大きい」とした。児童や遺族らの生活が一変したことにも触れ「悲しみや苦しみは続き、これからも癒えることはない」と述べた。
被告は公判で謝罪したが、遺族らは「言葉に中身がなく受け取れない」などと批判。金子裁判長は「言葉が不十分と受け取られても致し方ないものもあった」と言及しながらも、「被害結果があまりにも重大で対処が分からないためで、被告なりの反省態度がうかがえる」との判断を示した。
判決によると、昨年6月28日午後2時55分ごろ、勤務中に千葉市の高速道路のパーキングエリアで飲酒し、運転を再開。午後3時25分ごろ、八街市の市道を走行中にアルコールの影響で居眠りし、小学生の列に突っ込んで市立朝陽小の児童2人を死なせ、3人に大けがを負わせた。〔共同〕