星野リゾート、アパホテルも被害...相次ぐ「アゴダ」予約トラブル。運営元は“改善”強調、識者が語る構造的問題とは
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オンライン宿泊予約サイト「Agoda」(アゴダ)で「予約した部屋が確保されていない」など予約トラブルが星野リゾートなどで相次いでいる問題。その被害はアパホテル、東横イン、ルートインなど、国内の大手ビジネスホテルチェーンにまで広がっていた。 【アゴダは“転売ヤー”?】東横インとアゴダの公式声明、アゴダが提供するホテル部屋の“転売ツール”の詳細(全7枚) 運営元アゴダは7月15日、公式Webサイトの声明でトラブルに関与した事業者との取引を停止したと発表した。AIを活用した事前監視システムの導入による予約機能の向上や不正確なコンテンツの自動削除など不正防止に向けた管理体制を強化する方針を示したが、有識者は「根本解決にはならない」と指摘する。
アゴダで“転売”横行、ゲストハウスからも苦言
この問題では、アゴダ経由の予約で ・予約者の宿泊情報がホテルに通知されてない ・宿泊日や部屋タイプなど異なる予約情報がホテル側に通知される ・ホテル側の正規料金よりも高額で販売されている ・存在しない宿泊プランが販売されている といった問題が発生していた。 一連の報道を受け、トラブルの被害者からは「予約したのに勝手にキャンセルされていた」などの悲痛な声も出ていた。 編集部が星野リゾートを取材した際には、アゴダ絡みで1日に5件から10件超の問題が発生していることや、1泊5〜6万円で販売している部屋が19万円程度で販売されていたと担当者が明かした。星野リゾートはアゴダと契約を結んでいないにも関わらず、無許可で販売されていた。 当初話題になった星野リゾート以外にも、国内最大手のビジネスホテルチェーン「アパホテル」をはじめ、東横イン、ルートインを含め国内ビジネスホテルチェーンの大手3社全てが被害を受ていたことも編集部の取材で分かった。 アパホテル広報はBusiness Insider Japanの取材に対して、アゴダ経由の予約で実際に発生したケースでは「当社がシングルルーム1泊1万円で販売していたものが、マッピングミスによってスイートルーム1泊1万円で販売されていたケースがある」と説明。この場合は「お客さまに損害が生じないようにお部屋やホテルの振替などで対応している。現場スタッフにとっては、都度、イレギュラーな対応が発生している状況」とし、窮状を訴えた。 アゴダ以外に具体的な事業者名には言及しなかったものの「国内外問わず、他のオンライン旅行代理店でも同様の事態は起きている」とも明かし「被害防止に向け、オンライン旅行代理店同士の提携先におけるマッピングミスが判明した場合には、弊社が契約しているオンライン旅行代理店に対し、該当のサプライヤーとのマッピングミスの解消を申し入れ、改善が見られない場合は提携を停止するように呼びかけている」とした。 他にも、奈良県内でゲストハウスを運営する「ゲストハウスはじまり」は公式ブログに「アゴダ経由の予約は利用者の住所や電話番号が書かれておらず、電話窓口もほとんど機能していない」とし「正規価格をわざと大幅に高いように見せることで、割引率が高いように感じさせる小細工を行っているケースが多々見受けられる」と投稿。 アゴダ問題の影響は、大手ホテルチェーンに限らず、国内の小規模事業者にも及んでいるようだ。
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