「誰が自民を駄目にした」世論頼みの首相、旧安倍派を逆手に打開狙う

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森岡航平
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 自民党内の「石破おろし」が加速するにもかかわらず、石破茂首相(自民党総裁)の続投への意欲が衰えない。25日には両院議員総会を求める署名が必要な賛同数に達し、党青年局も最後通告を突きつけたが、首相は野党党首らとの会談の場で「辞めません」と明言した。熱を帯びる首相の発言に側近は「総理はものすごく使命感に駆られている」と驚く。何が首相を突き動かすのか。

憤る石破氏「でたらめをやられてたまるか」

 「首相が退陣の意向を固めた」との一部報道が伝えられた23日夜、首相は周囲に「古い自民党には戻したくない」と強い口調で語った。

 首相が「古い自民党」として強く意識するのが、「石破おろし」を主導している面々だ。首相は「石破おろし」は本来は解散しているはずの派閥単位による政治行動であり、とりわけ派閥の裏金問題の震源地だった旧安倍派が活発に動いているとみているからだ。

 首相は周囲に「こんなでたらめをやられてたまるか。だれがここまで自民党を駄目にしたんだ。自分のことしか考えていない」と強い憤りを見せる。

 党内でリベラル寄りとみられ…

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森岡航平
政治部|首相官邸担当
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国内政治
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    河野有理
    (法政大学法学部教授=日本政治思想史)
    2025年7月25日22時51分 投稿
    【視点】

    党内世論に抗して一般「世論」を味方につけて状況を打開しようとするのは、かつての小泉純一郎政権がとった手法であった。あの時の悪者は経世会であったが、今度は清和会を標的にして同じ構図の再現を狙ってるのかもしれない。 だが、あの時との最大の違いは

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    中北浩爾
    (政治学者・中央大学法学部教授)
    2025年7月25日23時14分 投稿
    【視点】

    旧安倍派に対する批判を向けるのであれば、石破総理は就任直後の衆院選の際、小泉純一郎首相ばりに「古い自民党をぶっ壊す」と叫んで、一定金額以上の「裏金」議員をすべて非公認にした上で「刺客」候補を送り込めばよかったと思います。また、選択的夫婦別姓

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