「Fランは無意味か」学生募集停止の高岡法科大、学長の矜持と懸念
毎日新聞
2025/7/26 06:00(最終更新 7/26 06:00)
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地方の小規模私立大学で定員割れが続くとどうなるのか。
その答えは、新規の学生募集停止という形で姿を現し始めた。
北陸唯一の法科単科大としてかつて人気のあった高岡法科大(富山県高岡市)は、2025年度以降の募集停止に追い込まれた。
やがて来る閉学を前に、当事者たちの胸に去来する思いを聞いた。
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記者会見で「苦渋の決断」
「人口流出は以前から続く課題です。昔と違い、今は新幹線で3時間弱あれば東京まで行ける。この大きなうねりを人為的に変えるのはとても難しい。明るいところ、楽しいところに行きたいというのは、人間の本能に由来するんですかね」
高岡法科大の根田(こんだ)正樹学長は、募集停止の要因についてそう話した。根底には、人口減と人口流出があるとみている。
記者会見で25年度以降の学生募集停止を発表したのは24年4月15日。それから1年が過ぎ、キャンパスに1年生の姿はない。
近年は毎年約2億円の赤字を出し、24年度の入学者は定員100人に対し37人にとどまった。根田学長は記者会見で「苦渋の決断」と説明した。
不正入試、成績改ざんでイメージ悪化
高岡法科大は元号が平成になって間もない1989年4月に開学した。地元の官公庁などに卒業生を送り出し、富山周辺だけでなく東海や関西地方からも志願者が集まるなど、滑り出しは順調だった。
ほころびが見えたのは99年。野球部員らの入試で点数を水増ししたり、成績を改ざんして卒業させていたりしたことが明らかになったのだ。
不正で地に落ちたイメージがな…
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