徳島県立中央病院(徳島市)での手術直後に両目を失明するなどの後遺症を負ったのは執刀医が注意義務を怠ったのが原因だとして、40代の女性が病院を運営する県と執刀医に計約1億5600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、徳島地裁は25日「注意義務違反があったとは言えない」として請求を棄却した。
判決などによると、女性は平成27年12月、同病院でくも膜下出血と診断され、開頭手術を受けたが、直後から両目が見えなくなり、失明と診断された。
原告側は、手術の際に執刀医が女性の眼球を圧迫しないよう注意する義務を怠ったと主張。しかし光吉恵子裁判長は判決理由で、眼球への直接の圧力がなくても失明する可能性があるなどとし「執刀医の行為により失明したとはいえない」と判断した。