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ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

ローズ・ウエストの今

2014-02-27 23:04:02 | 事件

グロスターの『恐怖の館』事件の主犯の二人、フレデリック・ウエストと妻のローズ。

残念なことにフレッドは、裁判が始まる前の1995年元日に首を吊って自殺した。 ローズによれば彼は、「簡単な方法で逃げてしまった卑怯者」だ。

残ったローズは「自分はフレッドに操られ共犯にされただけなので、いうなれば犠牲者のひとり」と主張したが、状況証拠や被害者(我が子を含む)たちの証言から、1995年10月に「10件の殺人に関して有罪」とされ、「仮釈放の可能性のない文字通りの終身刑」を宣告された。

 

            1953年11月生まれのローズ・ウエストは、  現在60歳。

 

現在はイングランド北部ダーラムにある、警備レベル最高級のロー・ニュートン・女囚刑務所(Low Newton Prison)にいる。 関係者の話によると、そこでの生活があまりにも快適なため、ローズには終身刑を覆すため控訴する意志はまったくないそうだ。

個室はテレビ、ラジオ、CDプレイヤーと専用のバスルーム付き。肥満してしまったため、毎朝8時から9時までは刑務所内のジムに行って汗を流す。雑用係をすることで毎週得る16ポンド(¥2720)でエイヴォン化粧品やアクセサリーやCDを買う。ニール・ダイヤモンド、グレン・キャンベル、テイク・ザット、ウエストライフなどのCDをすでに持っている。他の囚人たちとゲームを楽しみ、自分が立ち上げた刺繍クラブでクロススティッチを教え、日曜日には同じユニットに収監されている他の5人の女囚のために料理をすることが許されている。肉とじゃがいものパイはとりわけ好評だ。

ラジオドラマの『アーチャーズ(The Archers)』を欠かさず聞く。好きなテレビ番組は“Coast”のシリーズと、デイヴィッド・アッテンボローのものなら何でも。起床時間も就寝時間も自由。ローズの部屋では真夜中を過ぎてもラジオかテレビがついていることが稀ではない。

 

                    

 

ローズの収監には、年間5万ポンド(850万円)がかかっている。

刑務所内でゲームを楽しむローズ・ウエストは、犠牲者のうちの一人の母親が娘を捜して訪ねてきたとき、その娘のカーディガンを着てスリッパを履いまま「娘さんはよそに仕事を見つけて出て行きましたよ」とうそぶいたのと同じ女だ。その娘の遺体はやがて、その家の地下から見つかった。

全裸で縛られたままの被害者への拷問を一時中断して夫とともにお茶をすすったのも、同じローズ・ウエストだった。当時ある刑事は言った。 “The best thing that ever happened to those girls inside that house was the last breath they drew. (あの家に閉じ込められた被害者たちに起こった最善のことといえば、最後の息を引き取ったことだった。)”

ある犠牲者の妹が、散々迷った末にローズに赦しを与える手紙を送ってきたとき、ローズは赦しを拒絶し、二度と手紙を寄越さないようにという返事を返したという。ローズが無罪を主張し、事件への関与を認めなかったため、詳細は依然として闇の中だ。1968年に失踪したままのメアリー・バストホルム(当時15歳)はフレッド・ウエストに殺害された可能性が極めて高いが、ウエストが自殺してしまいローズも口を閉ざしているため、遺体は未発見のままである。メアリーの兄ピーターは、妹をきちんと弔うため遺体が埋められている場所を知ることを切望しているが、「ローズは同情や人間性や良心のかけらも持ち合わせていない。彼女のような人間には、更生だの悔恨だのは別世界のことなんだ」。

知っていることを洗いざらい話して遺族の苦しみを和らげる代わりに、ゲームをし刺繍クラブを運営し、アーチャーズを聞きテレビを見て日々を過ごすローズ。彼女が終身刑を宣告されたとき、犠牲者の遺族が簡易寝台と机とトイレしかない独房に死ぬまで閉じ込められる彼女を想像したのなら・・・ 現実はそれにはほど遠い。

 

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たまたまグロスターに行ったので『恐怖の館』のことを記事にしたら、ローズの近況がニュースになっていました。最近はめったにニュースになることもなかったのに???と思っていたら、事件発覚からちょうど20年になろうとしていたからだったんですね。

凶悪犯ローズ・ウエストの、塀の中での快適な暮らし。働かなくていいし、今後死ぬまで食べさせてもらえるし、家計のやりくりの心配も二度とない。塀の外の庶民が不況・失業・物価高にあえいでいる時に・・・何だかなぁ・・・と思います。真面目に働く国民の血税で彼女の生活が賄われていると思うと、なおさらです。私ですらこう思うのだから、被害者の遺族はやりきれない思いでいることでしょう。 

事件へのローズの関与を知ると、死刑制度支持派の私は「イギリスにも死刑制度を復活させろー!」という気持ちで歯がゆくなります。

でなければ、被害者たちが浮かばれませんよっ!

 

 

《 フレッド&ローズ・ウエスト① につづく 》

 

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