「みんなでものを作る楽しさが伝わればいいなと思います」『量産型ルカ -プラモ部員の青き逆襲-』岡田義徳さんインタビュー!
「深夜ドラマ×プラモデル」を掲げるオリジナル連続ドラマ『量産型ルカ -プラモ部員の青き逆襲-』が、毎週木曜日、深夜24:30分より、テレ東系にて放送中です。
本作は2022年7月期から放送され、好評を博した『量産型リコ』シリーズの世界観を受け継ぐあらたなストーリーとなっており、学園のプラモデル部を舞台に、性格も好みも異なるふたりの女子高生が、高校生活最後の青春を過ごすホビー・ヒューマンドラマです。
今回、電撃ホビーウェブでは、プラモデル部顧問の“よもさん”こと、蓬田篤宏役をつとめる俳優の岡田義徳さんにインタビューを敢行。「小さいころからプラモ少年で、プラモデルをたくさん作ってきた」と話す岡田さんに、プラモデルにまつわるエピソードや、ドラマの見どころについてお聞きしました。
――岡田さんは『量産型ルカ』の出演者コメントや記者会見で、「小さい頃からプラモ少年だった」とお話しされていたのが印象的でした。プラモデルを作りはじめたきっかけは、どのようなものでしたか?
岡田:プラモデルを作る人の「あるある」だと思うんですけど、父親がプラモデルを作る人だったんですよ。それで、自然と一緒に作るようになったというのがプラモデルとの出会いですね。父親はよくガンプラ……当時はそういう呼び方はなかったかもしれないけど、ガンダムのプラモデルを作っていました。
――お父様の世代的に、スケールモデルなどではなくガンプラが中心というのは珍しい気がしますね。
岡田:そう思います。ただ、よく考えてみると僕が「欲しい!」というので、父親がガンプラを買ってきてくれて、まだ難しい作業ができなかった僕のかわりに作ってくれていたのかもしれません。こどもの記憶って、本当に曖昧だから(笑)。
――それから段々と、一緒に作るようになっていったと。そのころは、どんなガンプラを作っていましたか?
岡田:よく覚えているのは旧キットのアッガイですね。成形色が一色だったと思うので、1/144のほうかな? 僕は当時、岐阜のすごく田舎のほうに住んでいて、市内に出ないと模型屋さんもないという環境だったので、父親に頼んで買ってきてもらったんです。おそらく『機動戦士ガンダム』のテレビシリーズが再々放送されたくらいのタイミングだったと思うんですけど、アニメを観たすぎて、当時通っていた音楽教室の時間をずらしてもらった思い出があります。
――ガンプラ以外はなにか作られていましたか?
岡田:プラモデルからは少しずれてしまうけど、当時はラジコンが大ブームで。同級生たちと一緒になって、みんなでラジコンを作っていましたね。田舎だと小学校のグラウンドが解放されたりするので、その外周をレースしていました。同時期にミニ四駆も流行っていたのですが、田舎なのでアスファルトがほとんどなくて、走らせることができるとしたら校舎の廊下くらいで(笑)。そういう事情もあって、僕のまわりではミニ四駆よりもラジコンが人気でした。
――ガンプラ、ラジコンと親しんできて、ほかのスケールモデルなどにはいかなかったですか?
岡田:あまりいかなかったですね。プラモデルならば、ほぼガンプラのみです。ガンプラを好きになった理由としては、やっぱりアニメが放送していて、機体ごとに付随する物語というか、ストーリーがあったことが大きいと思います。あとはこどもらしく「ビームが出る」とか、そういうところにも強く惹かれた記憶があります。
――小さい頃にプラモデルを作りはじめて、そのあともずっと作られていたんですか?
岡田:いや、これもプラモデルの「あるある」だと思うんですけど、中学、高校くらいでいったん離れてしまいました。その時期は部活だったり、音楽だったり、ほかにやりたいことがいろいろできて、そういうものに時間を費やしてましたね。
――思春期にいったん離れてしまうのも、プラモデルの「あるある」ですね。
岡田:そうですよね。そのあとまたプラモデルを再開したのは、東京に出てきてしばらくしてから、20代後半くらいですね。時間的にも金銭的にもすこし余裕ができて、タミヤさんのエアブラシなんかも買っちゃいました。そのころに作ったものでよく覚えているのは、PG(パーフェクトグレード)のガンダムMk-II、ティターンズカラーのほうですね。でっかい機体をちゃんと塗装して、今でもプチプチにくるんで保管しています。実はこのドラマの現場に持ってきて、セットに忍ばせようかと思っていたんですが、「さすがにちょっとマズいか……」と思い直してやめておきました(笑)。
――それはぜひ、見てみたかったですね。いわゆる「旧キット」の時代からガンプラに触れてきて、すこし間が空いて、PGを組んだときはどう思われましたか?
岡田:「PG 1/60 ガンダムMk-II」を作ったときは衝撃でした。パーツの数もですけど、ディテールの細かさが尋常じゃないし、細部の表現の仕方も「こだわってるな!」と。ムーバブル・フレームに外装を組み付けていく構造にも驚きましたね。それから、箱を開けた瞬間のドキドキとか、「これとこれが組み合わさってこうなるんだ!」という発見とか、“組み立てる楽しさ”もすごく感じられるキットだなと思いました。でも、最新のキットは、この「PG 1/60 ガンダムMk-II」の時代(2001年発売)からさらに進化しているわけですもんね。
――成形色とかも、さらに発色がよくなっていますよね。
岡田:ぜんぜん違いますよね。スミイレをして、艶消しをサーっとかけたらそれだけでかっこよくなっちゃう。プラモデルの進化というか、メーカーさんの企業努力は本当にすごいものだなと思います。旧キットの「一色!」みたいな感じも、あれはあれで懐かしさを感じて好きなんですけどね(笑)。
――大人になって再開されてからは、継続的にプラモデルを作り続けられていたのでしょうか。
岡田:いや、やっぱりお仕事があったり、こどもができたりで、このドラマが決まるまではしばらく離れていました。ただ、自分の中でアニメーションというものが大きくて、それを見ているとプラモデルからあまり気持ちが離れないじゃないですか。アニメーションはずっと見続けていたので、久しぶりにプラモデルに触れたときも、それほど間があいたという感覚はなかったですね。
――最近作ったもので、印象に残っているプラモデルはありますか?
岡田:それはやっぱり、「HG 1/144 GQuuuuuuX(ジークアクス)」ですよ! ディテールも細かいし、スタイリッシュですごく綺麗だなと。ガンダムのデザインとしても、新しいところにいってるなと感じました。あとはこのあいだ、家で「HGCE 1/144 フリーダムガンダム」を作りました。こどもに「遊びたいから作って」とせがまれて組んだんですけど、このキットもすごくフォルムがキレイですよね。僕が小さい頃はプラモデルといえば観賞用だったけど、今のキットってよく動くし、接着剤を使わない構造なのでかえって壊れにくいじゃないですか。それをこどもに渡して、「びゅーっ」と空を飛ばせている姿を見ていると、「別に観賞用じゃなくてもいいな」と感じたというか、プラモデルをこどもに持たせて遊ばせてあげるのもいいなと思えました。これからドンドン一緒に作りたいですね。
――「観賞用からトイ的に”遊べる”ものへ」というのは、近年のプラモデルシーンでの大きな変化のひとつですよね。
岡田:だからこそ可動してカッコいいポージングをつけられるとか、そういうところが大事なのかなと思います。そういうところでプラモデルで遊べる年代が、昔より広くなっているんだなというのは強く感じましたね。『量産型ルカ』では賀喜(遥香)さんや筒井(あやめ)さんもプラモデルを作っていますし、年代性別を問わず、より間口が広がっていったら、いちプラモデル好きとしてうれしいですね。
――そんな岡田さんが今、作りたいプラモデルはありますか?
岡田:今度発売する「PG UNLEASHED 1/60 νガンダム」が気になっていますね。νガンダムはたくさんあるガンダムの中でも僕にとって一番で、永遠のヒーローなんです。『逆襲のシャア』に出てくるモビルスーツはみんな好きなんですが、その中でもνガンダムとサザビーのコンビは、並べたら一番カッコいいと思っています!
>>次ページでは、岡田さんにドラマについてのお話をお聞きします!
(C)量産型ルカ製作委員会
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