俺の創作の楽しみ方と、嫌いなもの

 見てもらうこと。と言いたいところだが、本当は、違っている。

 見てもらうことに喜びを見出すならば、大勢がいる電車の中で全裸になれば良い。余計な枝葉を取っ払って仕舞えば、承認欲求なんてのはその程度のものだ。


 極論。暴論。わかっている。読者がその程度を読み込むことも想定済み。読めないような奴らに合わせる気は、そんな優しさが俺にあるならば、とっくにプロ作家になっている。


 さても、自分はどこに楽しみを見出すのだろう。

 結論、書いている最中。あのときの、アドレナリンとかベータエンドルフィンとか、あと色々、ドーパミン、オキシトシン? そういうのがドバドバ出ている時。たまらない。


 一時期AIに頼っていた──というのは、SFを創作していた際の科学的考証がそうなのだが、自分は、AIの頑張りを、それを設計した名も知らぬ科学者の努力を、学習に使われた多くの名作を、さも自分の頑張りに見立てて賞賛を浴びようとしていた。

 その虚しさに気づいてしまった時に、「俺は人様の努力を盗んだんだ」と自責の念に駆られた。


 俺は頑張らない人間が嫌いだ。自分が甘ったれたクソ野郎だから。

 頑張っても報われないことを知り、絶望し、折れて砕けて、承認欲求と自己顕示欲と、創作意欲とを履き違え、他人の努力を盗もうとした。盗んだ。


 そして、他人の頑張りを吸い出して盗んだ知識で書き綴ったものは、書いているというより、眺めているような感じだった。

 こんなつまらないことはない。


 自分は、己の手で構築した世界に戻ってきた。

 誰に頼るでも、すがるでもなく、自分で資料を買い、読み、勉強し、書き綴った。

 たまらなくてのしくて、気づけば日を跨ぐなんてことはしょっちゅうだった。


 推敲も全部自分でやるもんだから、酷い誤字脱字を見つけてひとしきり笑ったり、己の国語力のなさに閉口したりもする。


 その楽しみ方を他人に押し付ける気はない。

 ただ、頑張らない人間は嫌いだ。

 いろいろなことを頑張るようになった今、なおさら、頑張らない人間は大嫌いなんだ。

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ミタマユメサキ ─ 雑日誌・活動記録・雑感等 ─ 夢咲蕾花 @RRRR89iY72

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