高体連=全国高校体育連盟は、中国地方を中心に行われる、ことし夏のインターハイについて「暑さ対策が最優先課題だ」として、都道府県の実行委員会や各競技の責任者に対して、競技の特性に応じた対策を適切に行うよう周知しています。
25日からは広島市安佐南区の会場で陸上競技が始まり、強い日ざしが照りつける中、午前中、男女の400メートルの予選などが行われました。
大会の実行委員会は、連日厳しい暑さが続くと見込まれることから、安全を考慮して、男女の100メートルから800メートルまでの各種目で、予選のあとに行われる予定だった準決勝を取りやめて24人によるタイム決勝とし、1500メートル以上の中長距離の種目も予選を中止するなど、3日前に競技スケジュールを大幅に変更し、主に炎天下となる昼すぎの実施種目を減らす対応を取りました。
さらに暑さ対策として、気温や湿度などをもとに算出される「暑さ指数」を1時間ごとに計測し、フィニッシュ地点の近くに簡易のプールや冷水、ドリンクを用意して、すぐに選手が利用できるような態勢を整えています。
また、熱中症が疑われる選手が出た際の対応も強化し、応急処置として全身を冷却するため15度以下の水を入れた「アイスバス」を初めて設置したほか、医師や看護師、救急救命士などの医療スタッフの数を例年より増やし、毎日、50名程度配置しています。
大会の広島市実行委員会の常井慎太郎事務局長は、「参加者の安全・安心が大前提であり、専門的な知識を聞きながら取り組みを進めてきた。過酷な環境だからこそ、選手がコンディションを整えやすくなるように対応してきた。この夏にかけてきた子どもたちが、一生、心に残るような大会になってほしい」と話していました。
全国高校総体 炎天下の実施種目減らすなど 熱中症対策強化
連日厳しい暑さが続く中、スポーツの現場でも暑さへの対応が進んでいます。24日、開幕した全国高校総体=インターハイでは陸上競技が行われている広島市の会場で、応急処置として選手の体を冷やすための「アイスバス」を初めて用意したり、炎天下の実施種目を急きょ減らすなど、熱中症対策を強化しました。
出場した選手「やけどしそうだった」
出場した選手たちからは、厳しい暑さの中での競技に「スタートで指をついたときにやけどしそうだった」とか、「体に少しだるさを感じた」などといった声が聞かれました。
女子400メートルに出場した島根県の3年生の選手は、「スタート前で立っていたときから暑かったです。スタートするときに指を地面についたときには、やけどしそうなくらいでした。回復しやすくなるようにフィニッシュ後に水を浴びましたが、こういう取り組みはとてもありがたいです」と話していました。
同じく、女子400メートルに出場した宮崎県の3年生の選手は、「周りのみんなが氷のうを当ててくれたりうちわであおいでくれたりして、いいコンディションだったが、レース後は暑さで少し体にだるさを感じます」と話していました。
男子400メートルに出場した神奈川県の3年生の選手は「めちゃくちゃ暑かったですが、しっかり準備していれば耐えられる暑さかなと思いました。400メートルはきつい種目で暑さも勝負に絡んでくるので、走っていないときに自分の体調をどれくらい調整できるかが大事かなと思います」と話していました。
専門家「熱中症 いつ発生してもおかしくない」
熱中症対策に詳しい早稲田大学スポーツ科学学術院の細川由梨准教授は、「昨今の暑さの頻度や度合いは過去と比べても1段階、2段階上回ってきており、『自分たちの競技であれば大丈夫かな』と思っている人たちも例外なく、重症度の高い熱中症がいつ発生してもおかしくない。どの競技においても、熱中症のリスクが誰にでもありうるという認識を改めて持つ必要がある」と屋外競技だけでなく、高温多湿になる可能性がある室内での競技でも注意が必要だと指摘しました。
そして熱中症が疑われるサインについて、「意識があっても自力での水分補給が難しい場合は医療機関につなげたほうがいい。そして救急隊を要請したあと、待っている間に全身を冷却することがとても重要だ。そのために氷や水風呂、あるいは冷水が出るシャワーやホースの準備など、事前のプランニングが必要だ。起きてから考えるのではなく、指導者と選手が連動して手当てができるような態勢作りが大切だと思う」と日頃からの備えが欠かせないと話していました。
夏場のスポーツ大会をめぐってはことしの夏の全国高校野球で試合を午前と夕方に分けて実施する「2部制」が取り入れられるなど、暑さ対策として従来のスケジュールを変更する動きも出てきています。
こうした取り組みについて細川准教授は、「競技時間のスケジュールを調整することや、トーナメントで過密日程を避けるという動きが出てきていることは、評価できることだと思うし望ましい変化だ」と受け止めを語りました。
そのうえで「そもそも7月や8月に大会をすること、その是非自体が問われているタイミングに入っている。活動の機会の確保と安全のバランスは難しいところはあるが、ほかの時期にずらすという選択肢がある中で、抜本的なスケジュールの検討も今後は行っていく必要がある」として、暑さの厳しい時期の大会を避けられるような大会スケジュールを検討していくべきだと指摘しました。
あわせて読みたい
-
-
-
全中サッカー 暑さ対策で選手の「再交代」制度を導入へ
-
-
-
-
秋篠宮ご夫妻 全国高校総体の総合開会式に出席 広島
-
-
-
-
大相撲 幕内の全取組動画
幕内すべての取組のハイライト動画などを掲載しています。
-
-
-
-
高校野球 福島は聖光学院 島根は開星が夏の甲子園へ
-
-
-
-
バレー女子 ネーションズリーグ 日本 トルコに勝ちベスト4進出
-
-
-
-
ダルビッシュ有 今季3敗目 日米通算勝利数 単独トップ持ち越し
-
-
-
-
女子ゴルフ 米ツアー 第1ラウンド 竹田麗央が首位に1打差の2位
-
-
-
-
富士登山競走 山梨県側のふもとから山頂へ 3300人余が健脚競う
-
-
-
-
【NHK特設サイト】高校野球 夏の甲子園 2025
甲子園球場で8月に開幕する第107回の夏の全国高校野球 日程・結果 注目チームの特集などをお伝えします
-