歌手・皆川おさむさん死去 前日まで姉にメールも体調急変
童謡「黒ネコのタンゴ」の歌手として知られ、「ひばり児童合唱団」代表の皆川おさむ(みながわ・おさむ、本名・皆川理)さんが23日午前0時35分、慢性腎不全のため横浜市内の病院で死去した。62歳だった。 〽黒ネコのタンゴ タンゴ タンゴ 僕の恋人は黒いネコ…6歳のあどけない歌声で、国民的なヒット曲を生んだ皆川さんが天国に旅立った。 姉の礼子さんによると、皆川さんは長く糖尿病を患い人工透析を受けていたが、10数年前に礼子さんから腎臓移植を受けた。昨年11月に高血糖のため入院し、今年2月には軽い脳梗塞(こうそく)が見つかった。入院中に大腿(だいたい)骨の古傷が感染症を起こし手術。腎臓が再び弱り人工透析に戻っていた。脳梗塞のリハビリを計画しており、22日は礼子さんと変わらずメールをしていたが、その日の夜に体調が急変したという。 叔母の皆川和子さんが創設したひばり児童合唱団に3歳で入団し、1969年に「黒ネコのタンゴ」でレコードデビュー。累積売り上げ223万5000枚、歴代3位のシングル連続1位獲得週数(14週)を記録(オリコン調べ)する大ヒットとなった。オリコン週間シングル1位の最年少記録(6歳10か月)はいまだに破られていない。 小学生時代はドラマやバラエティーに出演したが歌手活動に未練はなく、洗足学園音楽大学で打楽器を専攻。卒業後は個人でインダストリアルデザイナーとして仕事を続けた。生涯独身で、和子さんや姉夫婦と合唱団のスタジオを兼ねた自宅で同居。和子さんが亡くなった2014年から合唱団の代表を務めていた。芸能界とは距離を置いていたが、知人から頼まれると協力することも。最後のテレビ出演は20年1月のBSフジ「クイズ!脳ベルSHOW」だった。 芸能界から距離を置いても、音楽は変わらず大好きだったという皆川さん。昨年8月の合唱団80周年コンサートでは足を痛めながらも来場し、子どもたちの歌唱に耳を傾けていたという。 ◆皆川おさむさん葬儀日程 ▼通夜 27日午後6時 ▼葬儀・告別式 28日午前11時 ▼会場 いずれも東京都目黒区碑文谷1の22の22、円融寺示真殿 ▼喪主 姉・礼子さん ◆皆川 おさむ(みながわ・おさむ)1963年1月22日、東京都生まれ。「ひばり児童合唱団」に3歳で入団し1969年に「黒ネコのタンゴ」でデビュー。子役としてドラマや映画にも出演した。99年には「だんご3兄弟」のカバーをシングルCDとしてリリース。2008年にはアニメ「ケロロ軍曹」のエンディングテーマ「ケロ猫のタンゴ」を合唱団の子どもたちと共演する形で歌唱した。
報知新聞社