【7月23日 AFP】米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)による最近の規定変更を受け、米国のトランスジェンダー女性は今後、五輪・パラリンピックの女子競技に出場できなくなる。

USOPCのウェブサイトには、トランスジェンダー選手のスポーツ参加に関する新たな注意事項として、「2025年7月21日以降、USOPCの選手安全規定ーを参照してください」と書かれている。

ドナルド・トランプ大統領による「女性スポーツから男性を排除」と題する大統領令を受けて更新された規定は、USOPCのウェブサイトにある選手安全規定に「追加要件」という新たなサブセクションとして追加された。

追加要件には、「USOPCは、スポーツに参加する選手の機会を守ることに尽力している」「監督責任を負うさまざまな関係者と引き続き協力し、女性が大統領令14201号(トランプ氏の大統領令)およびテッド・スティーブンス・オリンピック・アマチュアスポーツ法に準拠した公正で安全な競技環境を確保していく」と書かれている。

1988年に制定されたスティーブンス法は、五輪競技やアマチュア競技における出場資格に関する紛争を処理する手段を規定している。

ABCニュースとESPNが入手した、USOPCのサラ・ハーシュランド最高経営責任者(CEO)とジーン・サイクス会長が22日に米国選手団「チームUSA」に送ったメモには、トランプ氏が2月に出した大統領令に言及し、「連邦政府公認団体として、連邦政府の期待に従う義務がある」と記されていた。

大統領令は、トランスジェンダー女性が女子チームでプレーすることを認めている学校や機関に対し、これは米国の女性に平等なスポーツ機会を与える連邦法、タイトルナインに違反すると主張し、連邦政府の資金提供を停止すると警告している。

大統領令は、女子選手だけで構成されるスポーツや女性専用ロッカールームのを拒否する機関に対し、直ちに是正することを義務付けている。

ESPNは、USOPCが統括団体に送った書簡を引用し、「改訂された方針は、女性にとって公正で安全な競技環境を確保することの重要性を強調している」「すべての統括団体は、それに合わせて該当する方針を改訂する必要がある」と伝えた。

米国は2028年夏にロサンゼルス五輪を控えている。

全米大学体育協会(NCAA)もトランプ氏の大統領令を受け、トランスジェンダー選手の競技参加に関する方針を変更し、女子競技に参加できる選手を出生時に女性と診断された選手のみに限定した。(c)AFP