米動画配信大手の「Netflix（ネットフリックス）」のアニメーション映画『K―POPガールズ！　デーモン・ハンターズ』が6月20日の配信開始以来、2週間にわたって映画部門のグローバルランキング1位をキープした。韓国文化やシャーマニズムといった題材が海外の視聴者の関心を集め、劇中で使用された楽曲も注目されている。（釜山日報＝ナム・ユジョン記者）

　Netflixによると7月6日、K―POPアイドルを主人公にした海外制作のアニメーション『K―POPガールズ！　デーモン・ハンターズ』が6月23日～29日までの1週間、映画部門で1位を記録した。

　累計視聴時間は5570万時間を突破。本作は、K―POPガールズグループで、悪霊をはらう「ハントリックス」が、邪悪な霊に取りつかれたボーイズグループ「サジャ・ボーイズ」と対決する物語だ。

　人気の要因の一つとして挙げられるのは、韓国文化を丁寧に反映している点だ。メインテーマであるK―POPはもちろん、韓国料理や韓服、ハングル、南山タワー、韓国の伝統模様である「鵲虎図（じゃっこず）」をモチーフにした虎など、韓国文化がリアルで精緻に描かれていると評価されている。マギー・カン監督は「韓国的な映画が米国の会社によって制作されたという事実は、韓国文化のパワーの証とも言える。韓国文化が発展し、大きな力を持つに至ったことを示す好例だ」と語った。

　オリジナル・サウンドトラック（OST）も注目を集めている。

　挿入歌の『Your　Idol（ユア・アイドル）』は、7月4日に音楽配信サービス「Spotify（スポティファイ）」のデーリー・トップ・ソングで米国チャート1位を獲得した。

　このチャートで1位になったK―POP楽曲は、これまで人気音楽グループ「BTS」メンバーのJUNGKOOK（ジョングク）による『Seven』▼BTSのJIMIN（ジミン）の『Like　Crazy』▼女性音楽グループ「BLACKPINK（ブラックピンク）」のロゼによる『On　The　Ground』―の3曲だけだった。

　本作の挿入歌では、ほかにも『Golden』が2位、『How　It＇s　Done』が8位、『Soda　Pop』が10位にランクイン。さらにアルバム自体が、米ビルボードのメインアルバムチャート「Billboard　200」で8位を記録し、注目を集めている。

　あるコンテンツ業界関係者は「BTSやTWICE（トゥワイス）、ZEROBASEONE（ゼロベースワン）といったK―POPアイドルたちが、楽曲や振り付けをまねる動画が人気を集めたことも、海外ファンの関心を引きつけるのに貢献したはずだ」という。