治療怠り男児がヘルペス脳炎で後遺障害と提訴 長野・松本、病院は争う姿勢

長野県松本市の相沢病院で2022年に市内の男児(2)が適切な治療を受けられず、単純ヘルペス脳炎による重い後遺障害が残ったとして、両親らが病院を運営する社会医療法人財団慈泉会(同市)に計1億1千万円の損害賠償を求めて長野地裁松本支部に提訴したことが24日分かった。提訴は5月22日付で受理。

病院側は答弁書で「単純ヘルペス脳炎を予見するのは困難だった」と争う姿勢を示し、請求棄却を求めている。病院は取材に「係争中でコメントは差し控える」とした。

訴状によると、生後約20日だった男児は22年10月下旬、発熱などの症状があり同病院に入院した。高熱が続き、けいれんを起こしたが適切な治療を受けられなかった。症状が悪化し、別の病院に搬送された。単純ヘルペス脳炎が疑われたが、治療開始が遅れたため発達遅滞などの障害が残ったとしている。

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