◎26歳女ADHD。WAIS全検査112 言語性103 動作性122 言語理解が102 知覚統合が125 作動記憶が107 処理速度が130、指標のバランスのギャップが大きい場合の対策
【ご相談】
26歳女ADHDで、WAIS3の結果が、 全検査112 言語性103 動作性122 言語理解が102 知覚統合が125 作動記憶が107 処理速度が130でした。 私としては、思っていることを言葉にできない、聞き漏らしがある、文章書くのが苦手、すぐに忘れるなど日常生活で困っています。仕事では、テキパキと処理するのが得意ですが、ゆっくり落ち着いて座って考える、深い思考をするのが苦手と感じています。 苦手な言語理解などは平均ですが、他の項目と差がある場合、バランスが取れている人よりもかなりできないように感じます。(言語理解が90でも全体のバランスが取れている人の方が、国語力が高く感じる)何故でしょうか また、ギャップが大きい場合、高い方を低い方に合わせる努力はどのようにしたらいいのでしょうか?
【回答】
少し何をおっしゃっているのか明確に捉え切れていないのですが、一応想像しながら答えると、まず、ご自身が言語力が低いように感じるのはなぜかという質問だとすれば、それは当然ですね。知覚統合指標が125もあって、処理速度指標が130もあると、絵や図の理解、判断推理の問題で、特に試験など紙に鉛筆で解いたり、机上で手を動かして解いたりすることはスバ抜けて得意なわけです。それに対して、語彙力や文章力は大したことがないと感じる。あるいは、ワーキングメモリ指標も平均なので、口頭でのやり取りは、自分的に物足りなく感じるわけです。
足が速い人が球技が人並みにしかできないと、すごく悔しく感じると思います。一方で、足がものすごく遅い人が人並みに球技ができれば、すごくうれしいと思います。それと同じですね。能力が高い部分があれば、たとえそれが平均的だったとしても、自分の中で低い部分については、とても劣っているように感じるし、それがとても気になるはずです。
次に、言語理解指標が90で、他も同等の人の国語力が高く感じるが、それはなぜかという質問について、国語力が高いと評価しているのはだれかという疑問があります。本人が、自分は国語はできる方だと思っているのであれば、それは単純に本人がそう思っているだけで、客観的にテストすれば、言語理解指標が高い人よりは劣っていることはあります。
言語理解指標102の質問者様からして、自分よりも優れているように見えるということであれば、2つの可能性があります。1つは、実際に相手の方が優れている可能性、もう一つは、実際にはそうではないけれど、相手の方が優れているように見えている可能性です。まず、実際に言語理解指標102の人よりも、90の人の方が優れている可能性は大いにあります。なぜなら、この言語理解指標は1度のWAISの結果に過ぎないからです。誤差を含んでいるので、何度かとれば結果は変わる可能性はあります。WAIS-3の結果だと思いますが、とても古い検査なので、WAIS-4で取れば違う可能性もあります。その日のコンディションの影響も受けます。102と90の差は、ほとんどないものと考えてもらっていいのではないかと思います。
実際には自分の方が優れているのに、相手の方が優れているように感じることもあるはずです。知能に限らず、なんでもそうですね。理由は様々ですが、例えば、人には認知バイアスという認知の偏りがあるので、バランスのいいひとは、なんでもできるような「印象」があり、言語力も高いように見えるということがあります。あるいは、自分の中で劣等感を感じることは、他者の方が優れているように感じられるということもあると思います。隣の芝は青く見えるというのは、自分が劣等感を感じているものであれば、なおさらそうですね。
最後に、ギャップが大きい場合に、高い方を低い方に合わせる努力はどうしたらいいかという質問ですが、それは不可能であると考えた方がいいと思います。知能は上げられないのと同じように、下げられもしません。知覚統合が高くて困っている人は結構います。物事が細かく見えすぎてしまったりしますね。いろんなことに気づきすぎてしまうとか。それを下げることはできません。頑張って出ないようにするとかですね。具体的にどうしたらいいかというのは、試行錯誤するしかないですね。かなり個別のことなので、あてずっぽうでアドバイスをするのは難しいです。個別のカウンセリングであれば、例えば、気になってしまう時にどうするかという話で、気をそらす方法を考えるとか、そのような対応をすることはあります。