残念なニュースだ。しかし、この松本市立病院は、実は2年前に分娩をやめるかどうかの瀬戸際にあった。続く。 松本市立病院で分娩時に医療事故 助産師が分娩監視業務を怠るミス 新生児が「低酸素性虚血性脳症」に 市と病院が謝罪(SBC信越放送) #Yahooニュース news.yahoo.co.jp/articles/942ff…
分娩取りやめか、継続か、アンケート調査をしていたようです。 mt-hsp.jp/news/2023/04/p… アンケート結果 mt-hsp.jp/news/docs/24c3… 大多数が分娩継続を支持。まあそりゃ市民にアンケート取ったらそうなるやろな。 mt-hsp.jp/news/2023/06/p… 署名活動もあったようだ。これが要因かは不明だが分娩継続。
そして、この事故。 この病院の分娩数は年間150件。他の地域同様、きっとこの10年ほどで半減したのだろう。150件で、医師4名、助産師14名を抱えるなんて、公立病院じゃなきゃできない。どう考えても不採算部門。誰の意向かわからないが、結果の分かりきったアンケートをわざわざ取って無理やり
分娩を継続したんじゃないだろうかと邪推してしまうなぁ。本当のところはわからないので、あくまで個人的な邪推ですが。 150件の分娩で、帝王切開が30件あったとして、助産師一人が年間に立ち会える分娩はたかだか10−20ってところか。他で経験を積んでから就職したならまだしも、新卒だったら
明かに経験不足になる。胎児心拍モニターの波形を読むのは案外難しいから、よほどしっかり勉強して取り組まないことにはちゃんとした判断はできるようにならないでしょう。しかも、こういう病院でありがちなのが混合病棟。産科単独の病棟は成立しないから、病棟に入院中の患者はほとんどが産科以外。
大多数の産科以外の患者の対応に追われて、妊婦への対応はちゃんとできるのか。数少ない妊婦への対応のために、胎児心拍モニターの勉強に時間を使えるのか。プロなんだからちゃんとやれよ、という意見はもっともだが、そうもいかない人が必ずいるのが現実。槍玉に上がる助産師がそうとは言わないが。
このストーリーは完全に邪推。本当のところはわからないが、言いたいことは、このような環境で分娩を継続せざるを得ない病院がこれからどんどん多くなってくると思われるし、なんならすでに多数存在しているはず。つまり、このような事故の事例は増えてくるかもしれない。
「地域で分娩できる体制を維持してほしい!」という願いは当たり前の気持ちだし、そうあって欲しいと願うけど、小規模施設で十分な安全を担保できるかというと、現実は甘くない。それくらい少子化はやばい。自分の施設でも他人事ではない。助産師や、若手医師への教育体制、報告連絡体制をどうするか。
まだあまり話題になってない事件だけど、これからの日本の産科医療を象徴するような出来事だな、と思った。 もう一つ、この記事の不思議なところは、現場の助産師に全ての責任を押し付けていること。産科医師の存在が極めて希薄で、産科医師には何の責任もなかったように読めること。
それはおかしいでしょ。院内助産で全て完結させるタイプの病院だったならともかく、普通は助産師は医師の管理のもとで働いている。報告しなかったことが責められるのならば、報告できるように教育していなかったこと、ちょっとした異常でも報告するような体制がなかったことが問題で、そこには
管理者である医師の存在が絶対に関わってくると思う。もしこの病院が、このまま二人の助産師に責任を押し付けて乗り切ろうとしているなら、助産師が気の毒だし、こんなふうに守ってくれない病院は辞めようと考える人が続出しても不思議はない。かなり違和感がある。 以上!