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【元スタッフが教える】「ウルトラマンオメガ」の見ドコロ!

こんばんは、tokuraです。

7月5日放送開始のウルトラマンTVシリーズ最新作『ウルトラマンオメガ』。

僕はこの作品にアシスタントプロデューサー(AP)として参加していました。

コツコツ積み上げてきたシナリオライティングのスキルを実際の映像制作で活かせたらと思い、また、予てより情熱を抱いてきたテレビドラマ制作やIPビジネスの基本を学びたく思い切って飛び込みました。実際は脚本を書く暇も売り込む暇もないほど忙しかったですが(笑)

昨年のちょうど今頃からプリプロダクションに加わり、適応障害でダウンするまで撮影に同行し現場でサポート。途中退場なのでクレジットはないでしょう。

現場では演出するわけでもセットを組むわけでも撮影するわけでもないですが、圧倒的に人手が足りないのでそれを埋める形で動いていました。

IPビジネスとテレビドラマ制作のリアルを体感できたのは貴重な経験でしたが、APなんて名ばかりで、撮影が始まるとロケ地ごとにトラックから機材引っ張ってきて配置して撮影が終わったらひっこめて、たとえるなら引っ越しとか道路工事とかに近い仕事でしたね。

話の顛末はもちろん全て知っていますが、本記事ではそうしたネタバレに一切触れることなく見どころを解説します。

現時点(5月16日時点)で既出情報は工藤綾乃さん演じるアユ姉までなので、それを踏まえて解説します。

人間関係の中のウルトラマン

今回の主人公ヒーロー・ウルトラマンオメガは人間に擬態する形を取っています。

記憶喪失になり地球に降下したオオキダソラト(演:近藤頌利さん)が、ホシミコウセイ(演:吉田晴登さん)やイチドウアユム(演:工藤綾乃さん)との関係性の中でどのような感情を抱いていくのか、3人がどのような関係性になっていくのかという点が注目ポイントかなと思います。

オメガでは、ウルトラマンと怪獣が存在しない地球で「異物」がどのように受容され、共生していくのかといった過程が描かれていきます。

ソラトの目線から、日々僕らが当たり前としていることに疑問を持ち、俯瞰しつつ、探求していく面白さがあると思います。

ソラトは結構天然っぽいキャラかなと思いますが、ウルトラマンらしく決めるところはカッコよく決めるタイプですね。

主演の近藤頌利さんはすごく気さくな方で、現場でよく話してくださいました。真夏の地獄のような暑さの中の撮影でシャツクールを掛け合ったのは今となってはいい思い出です。

頌利さんのどこかいい意味で浮世離れしているような佇まいは、ソラトとリンクしていると思うし、主人公っぽいですよね。

インタビューでも語られていますが、面談に近い形式で抜擢されたそうですね。キャスティングって本当にすごいなと現場で一人感心していました。

「怪獣」というギミック

予告編の通り、今回はレキネスとトライガロンといった、オメガの味方である「メテオカイジュウ」が登場します。

既出情報によればレキネスは念動力を使い、トライガロンは素早い攻撃とパワーで敵を攻撃します。

こいつらはどこから来て、オメガにどう協力するのか・・・?

メタ的な話ですが、現場でスーツアクターさんがスーツに入り動くところを見ましたが、それを見ても尚かわいいという感想を抱かざるを得ない!!

でもトライガロンのような四つん這いの怪獣を見ると、ついついスーツアクターさんの腰を案じる癖ができてしまいました。

スーツはデザインチェックやスーツの造形などに僕らAPも立ち会いましたが正直「ここまでやるか!!」と唸りました。

レキネスとか仏像並みに彫り深いですもんね。

プロデューサーや監督、デザイナー、造形師の方々が納得のいく一体を作り上げたときのあの興奮は忘れられません。

特撮の現場では、これを一番味わいたかったのかもしれない・・・。

「目覚めの刻」・・・?

今まで公開されている2つの予告で使われているフレーズ「目覚めの刻」―――。

これは何を意味するのでしょうか?

果たして何が目覚めるのかな?

これは一つのキーワードとして念頭に置いておくと、物語をより深く楽しめるのではないかと思います。

現時点で言えることはありません。中身がなくてごめんなさい。

放送直前の本予告に詳細がちょっと含まれてるかも?(例年通りいけば本予告が公開されるはず)

事前に公開されている情報だと、「怪獣もウルトラマンもいない世界」というのがヒントになっています。

未知の存在との邂逅と共生、ウルトラマンシリーズの根幹にあるテーマにオメガは深く切り込んでいきます。

ウルトラマンの現場、実際どうだった?

最後に僕自身の話。

ウルトラマンの現場は結論から言えば辛く苦しかったです。

期待外れというよりは、期待どおりでした。まあそれを承知で敢えて加わったのですが。

でもどうしても納得できないこともありました。

それは他のスタッフのサンドバックになれということ。
精神攻撃に耐えながら事に当たれということ。

現場に入り、Pに初日に言われた「ここで働くなら、幸せは諦めろ」という言葉が忘れられません。

厳密にはその言葉と共に感じた「嫌悪感」が忘れられないんだと思う。

「何故夢に近づいたのに人生を諦めなきゃいけないの?」というあまりに純朴すぎる疑問が脳裏に浮かびました。

僕らAPは「負け組」であることが求められます。
円谷側もそれを黙認しています。改善しよう、できるだけみんなが気持ちよく働けるようにしようという工夫は特にしていません。

役割的にそうであったとしても、内心納得はしていませんでした。

「ふざけんじゃねえよ」と思っていました。

幸せを放棄し、自己肯定感を下げ、精神に異常を来しながら取り組むプロデュース業とは何なのか。甚だ疑問です。永遠の哲学です。

実際に精神攻撃をしてくる幼稚で哀れで残念なスタッフが数名いました。

もちろん全員ではないですが、「こんな奴が撮ってんのか。ダサ。」と思ってましたね。

年功序列とかウルトラマンの現場に何年いるとかそういう理由で偉そうな奴が数名いました。

嫌な奴というのはどこにでもいるので相手にしても仕方ないことではありましたけど、一々八つ当たりしなきゃまともに撮影すらもできないんですかね。その下劣な人間性に呆れました。

毎日そういう奴らと過ごすもんで理不尽なことばかりでもちろん辛かったけど、得るものもあったし知りたいことは知れたし、飛び込んだことを一切後悔していません。

理想の追求に向けて一歩踏み出せただけ幸せだったし、貴重な体験を積ませてくれたスタッフの方々には感謝しています。(P部以外にも、キャスティングの島田さんや録音の星さんは優しくてすごくお世話になってました。)

今となっては「ストレス溜まるよな、お疲れ」って感じですが。

あまり言いたくないのですが、ウルトラシリーズというブランドがまったく進歩していないのはこの愚劣で現状維持的な制作体制にも原因があるのではないかと思いました。

新作が制作されることとブランドが成長することはイコールではありません。

その点ウルトラマンはブランド的に進歩していないと思っていて、なまじ一般企業にいると、ニュージェネ作品群の知名度の無さに驚かされます。
「まだウルトラマンてテレビで放送してんの?何チャンネルでやってんの?」というレベル。

確実にフィールズの傘下に入った時点が分岐点だったのかなとは思いますが、もう過去の勢いは完全に鳴りを潜めているのが現状でした。活気があまりない感じ。

思いの外スーツなどには潤沢に予算があった印象ですが、当然造形物のクオリティと作品人気は全く比例しないですね。もう玩具ありきのドラマ制作やビジネスモデルは限界を迎えているのかもしれない。

購買心理的に作品を観る→憧れる→玩具が欲しくなるの順番だと思うのですが、玩具から逆算して作品を作っているから、やっぱりストーリーが陳腐になりがちなのかなと思います。(ちょっと酷いなと思う話もこれまでのニュージェネではありましたね。)

こうしたシビアな現実にぶち当たる中で、映像業界に一石投じたいと思いました。

権威なんかに依存しない新しいビジネスモデルを作りたい。

もっと楽しく、もっと面白いものは作れるはずだと思っています。

誰かを搾取したり不快な思いをさせずに作品を作れるよう、僕は諦めずに動いていきたいと思います。

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