参政党、神奈川新聞記者の会見取材を拒否 「お断りしたのは事実」

後藤遼太 真田嶺 小木雄太
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 参政党が22日に参議院議員会館で開いた定例記者会見で、神奈川新聞記者の取材を拒否していたことがわかった。同党が23日、朝日新聞の取材に「お断りしたのは事実」と答えた。神奈川新聞は同日、「知る権利をないがしろにする行為で、容認できない」と抗議した。

 取材が認められなかったのは、石橋学記者。一度会場に入り着席後に党職員から「事前登録が必要」などと言われ、退出を求められたという。

 参政党は会見前、神奈川新聞を含む報道各社に「参院選を終えての談話、総括、今後の目標などを発表する」との案内文を送っていた。同党は拒否の理由について「内部で検討したい」として回答を保留した。

 石橋記者は、参院選の神奈川選挙区の参政党候補の言動を批判する記事を書いていた。神奈川新聞は、会見案内に事前登録の記載はなく、登録のない記者が出席したことも確認したとしている。石橋記者は朝日新聞の取材に「その場で周囲の記者に事前登録について尋ねたが、求められたと話す記者はいなかった。自党に都合の悪い記者を選別して排除しようとするのは言論への圧力だ」と語った。

 ジャーナリストの江川紹子さんは取材に「国政政党には、オープンな形で様々な質問に答える責任がある。気に入らない記者を入れなかったのだとすれば、民主主義国家においてあってはならないことだ」と指摘。「批判することへの萎縮が広がれば、ジャーナリズム全体に悪影響をもたらす。各社ごとに考えが違っても、メディア全体で抗議しなければならない」と話す。

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この記事を書いた人
後藤遼太
東京社会部|メディア班キャップ・平和担当
専門・関心分野
戦争や平和について、歴史
真田嶺
社会部|メディア担当
専門・関心分野
SNS、移民、国際情勢、ポッドキャスト