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信用情報機関のシー・アイ・シー(CIC)は信用情報が漏洩した恐れがあると発表した。第三者が本人になりすまし、インターネット開示請求の認証を「正面突破」した。クレジットカードの支払い状況や残債額などが漏れ、悪用された可能性がある。なりすましに必要な顧客情報が、今回の事案に先立って流出していたと見られる。

 信用情報機関のシー・アイ・シー(CIC)は2025年4月28日、インターネットで申し込みを受けて消費者のクレジットカードやローンに関する信用情報を本人に開示するサービスで、本人になりすました第三者に情報を開示した可能性があると発表した。第三者は開示に必要な情報をそろえて「正面突破」で信用情報を不正に取得したと考えられる。

 開示できる信用情報は契約内容や支払い状況、残債額などだ。住所や電話番号以上にプライバシー性が高い情報であるため、犯罪に悪用された可能性がある。

 情報セキュリティーに詳しい明治大学専門職大学院ガバナンス研究科の湯淺墾道教授は「借金で首が回らない人に対して犯罪に加担することを勧誘したり、違法な借り換えを勧めたりするなど、標的にしようとした可能性がある。逆に富裕層に目を付けて次の犯罪の標的にする目的もあるかもしれない」と悪用の可能性について語る。

 CICはクレジット会社などが共同出資して設立した信用情報機関で、会員企業は2025年3月時点で800社を超える。会員企業であるクレジットカード会社などが顧客の信用情報をCICに提供している。CICは提供元とは別の会員企業からの照会申請に応じて信用情報を共有する。これにより、消費者が多重債務や自己破産に陥るのを防ぐ。会員企業にとっては、リスクの高い見込み顧客を割り出せる。

 CICが保有する情報の件数は2025年3月時点で約8億4580万件。2024年度には約2億9068万件の照会があったという。

 会員企業同士だけではなく、消費者も自身の信用情報を照会できる。信用情報の開示を求める手段には、インターネットと郵送があり、今回はインターネット経由の開示請求で第三者によるなりすましが起きた。