エリート系VTuberが誕生した理由とは?「にじさんじ」と「ホロライブ」の戦略の違い
VTuber業界の2台巨頭の決定的な違いは何か?
カバーはスター育成特化型のマネジメント体制を採用していました。 2025年3月末時点で所属するVTuber数は89で、従業員は679人います。一方、ANYCOLORのVTuber数は170、従業員は532人。カバーは少ないVTuberを多くの人員が支えているのです。 「ホロライブ」に所属するタレントは、楽曲の提供や歌・ダンスのレッスンなどの手厚い支援が受けられます。自然と活動するタレントにも統一感が生まれるため、「ホロライブ」というブランドそのものへのファン層が形成されています。 ANYCOLORはタレントの個性を重視し、自由に活動させる方針をとっています。いわば、カバーとは真逆の方針であり、VTuber個人や所属するユニットのファンがほとんどを占めています。 つまり、カバーはVTuberが形成する市場の中で成長する傾向が強い一方、ANYCOLORはマーケットにとらわれずに新たなファン層を獲得する潜在性を持っているのです。事実、ANYCOLORは2021年に結成した「ROF-MAO」のデビュー以来、女性ファンを数多く取り込むことに成功しました。 VTuberは女性タレントのキズナアイから出発したといわれていますが、マーケットを形成していたのはほとんどが男性でした。ANYCOLORはアイドルやアニメ、マンガ、女性向けゲームなどに興味を持っていた人を取り込むことに成功しました。市場を開拓したとも言いかえることができます。 ANYCOLORの営業利益率は38.0%で、カバーは18.4%と収益性に圧倒的な違いが生じています。これはANYCOLORの物販比率が高いことに起因していますが、ANYCOLORはライトファン層を多く抱えているため、アクリルスタンドなどの利益率の高い商品が販売しやすいのです。 カバーはファンとの一体感を醸成するイベント・コンサートなどへの依存度が高く、マネジメントに必要な人員も多いために利益率が低い傾向にあります。 ANYCOLORは新たなファン層を獲得し、市場を開拓し続ける戦略をとっているのです。VTuberというマーケットを重視するかしないか。2社の違いはここにあります。