エリート系VTuberが誕生した理由とは?「にじさんじ」と「ホロライブ」の戦略の違い
2025年4月「にじさんじ」から現役の精神科医として活躍するVTuberがデビューしました。 VTuberはゲーム実況や雑談が配信する動画の大部分を占める中、睡眠や不眠をテーマとする専門性の高いコンテンツを作成しています。 「にじさんじ」は料理系VTuberユニットなど、新機軸を打ち出してきました。その背景には運営会社の戦略が隠されており、「ホロライブ」との明確な違いが現れています。
スターを生み出す仕組み化に注力する「ホロライブ」
「にじさんじ」を運営するANYCOLORと「ホロライブ」のカバーは、今期の業績が決定的に異なることが明らかになりました。 ANYCOLORは2026年4月期の営業利益を上限で前期比22.9%増と予想。下限でも16.7%増としました。およそ2割の営業増益を計画しています。一方、カバーは2026年3月期の営業利益を同2.5%増と予想したのです。 ANYCOLORは2ケタの大幅な営業増益、カバーは微増となる見込みで、明暗が分かれました。 カバーの利益が伸び悩む主要因となっているのが構造改革費用。人員再配置や業務プロセスの見直し、販管費の最適化などを行うための費用を上期に計上します。 構造改革を行う背景の一つにあるのが、人気タレントの相次ぐ離反。2025年は登録者数が450万を超えて世界一だった「がうる・ぐら」、2期から活躍していた「紫咲シオン」も卒業しました。2024年には「湊あくあ」も離反しています。 カバーの谷郷元昭CEOは、決算説明会にて「タレントが活躍できる舞台を整えるため、音楽やライセンスなど、さまざまな事業の拡大や基盤を整えることに、金子(執行役員CFO)や私もリソースを割いてきました。 その結果として、タレントとコミュニケーションを図る機会がなくなってきていた」と課題を分析。そのうえで、「タレントが卒業しているから抜けた分を入れよう」という考えはないとし、構造改革で新体制へと移行することによって「伸びているタレントをより伸ばすようなコミュニケーションをとりやすくなってきている状況かと思います」と語りました。 スターVTuberの相次ぐ卒業の穴を埋めるため、新人を大量にデビューさせることはしない姿勢を打ち出しました。既存のタレント育成に力を入れるといいます。これは、カバーのマネジメント体制を一層強固なものにする動きだと見ることができます。