松本市の市立病院で今年4月、出産の際に赤ちゃんの心拍数に異常があったにも関わらず、助産師が医師に伝えず、赤ちゃんの脳に障がいが残る医療事故があったことが分かりました。
松本市 臥雲義尚市長:「心からお詫び申し上げます」
22日午後、陳謝した松本市の臥雲市長。
医療事故は、今年4月、松本市波田の松本市立病院で県内在住の20代女性の出産時に起きました。
その後、赤ちゃんの心拍数に繰り返し異常が確認されたにもかかわらず、出産に立ち会っていた2人の助産師が回復するため大丈夫と判断し、医師に報告しませんでした。
松本市立病院 佐藤吉彦院長:「異常があればアラームが鳴って医師に報告しようとなるが、今回はそれができていなかった」
赤ちゃんが6時間半後に生まれてきた時には呼吸や心拍がなく、脳に障がいが残る病気=低酸素性虚血性脳症になりました。
赤ちゃんは退院しているということですが、今後、重い後遺症が残る可能性があるということです。
病院の事故調査委員会は、「発見の遅れによる過失で医療過誤」と判断。
市と病院は「極めて重大」と過失を認め、家族に経緯を説明するとともに謝罪したとしています。
SBCの取材に対し、母親の家族は「娘は妊娠してから規則正しい生活を心がける満点の妊婦でした。脳にダメージを受けた孫の障がいと娘が精神的に受けた傷は生涯消えることがなく、決して許すことができません」と答え、刑事告訴も検討しているということです。
松本市立病院では、体制の見直しを行うため、あすから分娩の休止を決定。
現在通院中の妊婦については、個別に意向を聞き、他の医療機関に紹介するなどの対応をとるとしています。