東京都墨田区の賛育会病院は今年3月末から、親が育てられない子どもを匿名で預かる「ベビーバスケット」(通称・赤ちゃんポスト)の運用を始めました。これまでに複数の赤ちゃんが預けられましたが、スタッフらは時に葛藤しながら母子の命と向き合っているといいます。「ベビーバスケットは最後の最後の手段」。毎日新聞のインタビューにそう話した賀藤均院長に、その理由やこれまでに感じたこと、これからの課題を聞きました。【聞き手・黒田阿紗子】
インタビューは前後編の2回です。後編では、妊婦が病院以外に身元を明かさない「内密出産」への取り組みや、国のガイドラインの課題について聞きます。22日午前5時アップ予定です
予想以上に多い預け入れ
――生後間もない赤ちゃんの預け入れが数件あったと聞いています。どんな印象をお持ちですか。
◆ベビーバスケットを必要としている人がいるのだと改めて感じました。現場では「予想より多い」と感じているスタッフもいます。
一部の病院スタッフ以外に身元を明かさず…
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