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参議院選挙2025、雑感:絶望と希望のあいだで

2025年の参院選が終わった。
その結果に、正直、僕は今、しばらく言葉を失っている。

■ 日本にも、ついに極右の波が来た

まず、参政党のような極右政党が伸びちゃったのは、絶望。ついに日本もヨーロッパ化したか、と。

昨日の対談番組でも語ったけど、極右政党に対してプロテスト続けつつ、極右を支持する人たちに対し、

お前バカだろっていう態度で接するのではなく、「説得」し続けることが大事だということ。気が重いけどやっていかないと。


■ 落ちたのが悔しい、素晴らしい人たち

それと、良い議員が落ちちゃったのが辛い。

東京選挙区のおっくんこと奥村まさよし。まじで良いやつで保育士の処遇改善とか頑張り続けてたのに・・・。
保育業界のみんな、彼を落としちゃいかんよ。

あと、神奈川の佐々木さやかさんが、参政党の「非国民」発言の候補に負けたこと。マジでキツい。弁護士で子どもや障がいのある子たちの権利についてずっと頑張ってた人が、極右に負けるって。
神奈川県のみなさん、マジであなた方が失ったものはでかいですよ。(って都民が言う権利ないけど)

大阪の東修平さん。めちゃ優秀な元首長で、ほんと楽しみだったんだけど惜敗。まあでもまだ若いから、いくらでも再起の道はあるから、末長く応援したい。


■ 地方でのヘイトの広がり

ちなみに参議院とは違うけど、奈良市議会議員選挙で迷惑系YouTuberでヘイト系のへずまりゅうが受かったのもキツい。
ジョーカー議員にせよ、ヘイトしてネット上で有名になると地方議員になりやすい、っていうルートができちゃっているのが絶望的。
ハラスメント議員条例を全国的に制度化していく必要あり。


■ 一筋の光も、あった

いやー気持ちが暗くなる。ちょっと良い面に目を向けよう。

まず、NHKが全滅して本当に良かった。僕は何もできなかったけれど、ジャーナリストのちだいさんやプロテスターのみなさんの頑張りが実った結果だと思う。

NHK党の浜田聡は国会質問や質問主意書でデマを持ち出し、
それをネットで拡散するという「ハラスメント議員」。僕も無関係なのにベビーライフと紐づけられ、被害にあった。1人でも国会議員がいると、こうしたハラスメントを合法的にできてしまうので、議席が無くなって本当によかった。

今後は、リハックとかno border とか立花たかしを使っている「メディア」も、出演させない方が良いと思う。
デジタル暴力を行う人間の後押しをしていると思う。

それと、チームみらいが1議席取ったこと。永田町のエンジニアチームがどのように機能するか全然わからないけど、少なくとも政党をスタートアップ的にできるんだ、っていう先例を作ったのは素晴らしい。

ただ、チームみらいのマニフェストが、選択的夫婦別姓や同性婚について触れていなかったりとか、人権関連のアジェンダに対して消極的なことにやや懸念を持っている。というのも、テクノロジーで「永田町を見える化・効率化」しても、間違った方向に効率化してしまったら、間違った方向にフルスピードで行けるようになってしまうからだ。ブロードリスニングで民意を見える化しても、少数者の権利を守らなければ、見える化された多数派によって少数者の権利は踏み躙られてしまうからだ。チームみらいにはテクノリバタリアン化することなく、人間の顔をしたテクノロジーを推進してもらいたい。安野さんだったらそれができる、と信じている。

また、落ちるべき人がちゃんと落ちたのが良かった。
反ワクの河田龍平候補、須藤元気候補。
数多くの差別発言をした杉田水脈候補。
反ワク政党は躍進してしまったけれど、せめて既存政党における反ワク・反医療は一掃されることを望む。
ひとり親の味方、森まさこさんが勝利してくれたのは嬉しかった。自民党で厳しい戦いだったけど、応援団が多かったのは彼女のこれまでの軌跡があったから。

■ おときた駿さんの落選について

おときた駿落選については、正直複雑な気持ちだ。
おときたさんは付き合いが長いし人としては好きだし、社会保険料の値下げというワンイシューもとても良かったと思う。

だけど、その方法が医療従事者を貶める動画をバズらせる、というのは明らかに良くなかった。

社会保障の問題って「医師会が跋扈して医者が不当に儲けてて無駄な医療費が死にかけの高齢者に使われてる」的な分かりやすい言説がウケやすいんだけど、でも本当はそんな簡単な話じゃないんだ、っていうことなんだよ。

病院も6割赤字だし、クリニックはたとえば小児科とか産婦人科は明らかに経営状態はやばくなってる。終末期医療についても、亡くなりそうな方の延命をどこまでやるかという議論はあるけど、じゃあたとえば0歳の低体重で生まれてきた瀕死の子を救わないのか、という話で。いや、赤ちゃんは別だよ、ってことなら、じゃあ人間の命を誰がジャッジできるんだろうか、ということになる。

そういう面倒くさい議論を丁寧にやりながら、0か1かじゃない、0.4とか0.45みたいなところで何とか落とし所つけて行って、高齢化のピークである2050年代くらいまでなんだかんだ制度を破綻しないように維持させていこうよ、みたいなメチャクチャ地味な議論の積み上げが必要なんだよ。

それは決してすぐに票にはならんから、そんなんじゃ議員になれないよってのは分かるんだけど、でも嘘とミスリードで得た票は、すぐに剥がれ落ちるから、結局は中長期的には合理的じゃないんだよ、っていう話。

もし無駄をなくすっていうのがアイデンティティなんだったら、全国の医師と対話して、医療現場が困っていて生産性落ちてるルールや仕組みを見つけて、それを国会質問でぶつけていって、少しでも現場の生産性あげていくっていうような地道な活動をしていくことで医療業界を味方につけて行って、その上で医療制度改革案を作っていけば良いと思うんだよね。それは野党でもできるから。

もう一度諸々反省してもらって、自分を見つめ直して再起に繋げていけるとしたら、おときたさんにとっては良い敗北だったんじゃないかな、と思う。

■ 奈良市長・仲川げんさん再選!

仲川げんさんが奈良市長当選してくれたのは、とっても良かった。ちゃんとやってる改革派首長がしっかりといてくれると、国会議員がやばくなっても地域へのダメな影響を中和してくれるので、地域にまともな政治家がいることが大事。


これから、僕たちはどうするか?

とまあ、そんなところかなあ。まだまだ細かくはあるけれど、とりあえず吐き出し。

で、この混迷の政治状況の中、どうするよ?っていうのは、コメントとかでニーズがあればまたどこかで書いていきたい。
ひとまず。


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