参院選比例代表(改選議席数50)で、自民党の新人で元衆院議員の杉田水脈(みお)氏(58)の落選が確実となった。選挙では安全保障政策の強化や日本の伝統的価値観の継承、憲法改正などを訴えたが、相次ぐ差別発言などで議員としての資質を問う声が出ていた。
杉田氏は衆院選の比例代表で3回当選してきた。しかし派閥の裏金事件で2024年4月に党から役職停止6カ月の処分を受け、同10月の衆院選への出馬を辞退した。
杉田氏を巡っては、在日コリアンやアイヌ民族への差別的な投稿が問題視されてきた。
16年にスイスで行われた国連女性差別撤廃委員会では、参加した在日コリアンやアイヌ民族の女性らを無断で撮影し「民族衣装のコスプレおばさん」「ハッキリ言って小汚い」と自身のブログなどに投稿した。
これについて大阪、札幌の両法務局は23年に「人権侵犯」と認定した。
このため、今回の参院選で公認決定した自民に対し、市民団体などから抗議の声が上がっていた。
自民の石破茂総裁(首相)は25年3月の参院予算委員会で、杉田氏の過去の差別的発言に関して「強烈な違和感を持っている」と語る一方、公認については「最終的には私の判断だ」として問題ないとの見方を示していた。【木村敦彦】
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