【一強が崩れた先に…】滝沢秀明がジャニーズからTOBEへと持ち出した「何よりも大切なモノ」
滝沢秀明の視線の先にあるもの

しかし……。
大倉は苦悩する。アイドルとプロデューサーの両立の負担がたたってか、難聴を患い、休養へ。12歳で事務所入りして25年間、アイドルとして懸命に生きてきた。
人生を懸けた経験主義の上に「アイドルとは何か?」という答えのない問いを抱える。その果てにあるはずの“直観”に届こうとして、苦悶する。そんな姿は、痛々しくも美しく、感動的だった。
BTSサイドの世界を見据える最新テクノロジーと科学主義、対するジャニーズサイドの経験主義と直観――それはあまりにも対照的だった。
そして、その“直観”とは、失われたレジェンドが一代で築き上げたものなのだ。
はたして、そんな“直観”を受け継げるものだろうか? 創業者亡き後、どの道、ジャニーズ事務所は衰退への道をたどる運命だったのかもしれない。
いや、しかし……。彼なら。今は亡きその人が、最後にすべてを託したあの男ならば……。
選ばれし者・滝沢秀明。
彼の使命とは、ジャニー喜多川の未完の夢を達成することだ。
「とにかく今はジャニーさんの頭の中にある構想を現実にすることで頭が一杯。(略)もう本当に親以上の存在です。だから何かを返さなければ、という思いも強いんです。(略)どれだけ自分の人生をタレントに注いできたんだろうか、と。だからこそ僕は、男としてそれを見習いたい……と切に思っているんです」(『週刊新潮』’18年10月4日号)
そう語って副社長に就任したジャニーズ事務所は、もうこの世には存在しない。「ジャニー」という名前は、呪われたものとして消え失せた。
それでも……。
ジャニー喜多川が最後にデビューさせたグループ、King & Prince出身の3人を、滝沢社長のTOBEが引き受けて、Number_iとして世に送った。ジャニーの故郷、アメリカ・カルフォルニア州の‘Coachella(コーチェラ)’のステージで、圧巻のパフォーマンスを見せて世界を驚かせたのだ。
これはその第一歩にすぎない。
〈ジャニーの魂〉――その光と影のすべてを引き受けて、今、滝沢秀明は世界をめざす!!
- 取材・文:中森明夫
- PHOTO:結束武郎
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