ドラゴンボールad astra   作:マジカル☆さくやちゃんスター

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第32話 ワールドミッション

 悟飯が一方的にアムズを攻め立て、アムズはロクに反撃も行えていない。

 一見このまま悟飯が勝利してしまいそうな展開だが、戦いを見ているカリンは楽観的に見る事が出来なかった。

 あのアムズという敵の強さは計りにくいが、それでも感じられる存在感から考えればあの程度なはずがない。

 それに先程からあれだけ悟飯の攻撃を受けているのに、ピンピンしているのも不気味だった。

 

「…………」

 

 アムズの身体が光り、次の瞬間影をそのまま立体化させたような戦士達が出現した。

 それも、ただの戦士ではない。あの力の大会に出場した第9宇宙の戦士達だ。

 その先頭に立つリーダーのベルガモが、まさかの増援に驚く悟飯の腹を蹴り、アムズから引き剥がした。

 

「ぐっ……! あ、貴方達は……第9宇宙の……」

「悟飯よ気を付けるのじゃ! どうやら奴は取り込んだ戦士を呼び出せるようじゃ!」

 

 動揺する悟飯へ、カリンが警戒を促した。

 続けて、ポポが影の戦士達を観察しながら話す。

 

「命の気配、感じられない。こいつら、本物じゃない」

「作り出された戦士って事か……まるでうちの神様みてえな事しやがる……」

 

 ポポの説明を聞いて、クリリンがげんなりとしたように言う。

 リゼットのヒーローズ・ゴッドミッションは実質無限に使い捨ての兵士を量産出来る技だが、敵になったら、あれほど厄介な技はない。

 あの技の恐ろしさ、悪辣さを知っているからこそ、似たような技を使われるのは嫌でも緊張感が高まった。 

 

「来るぞ!」

 

 天津飯が叫び、同時に影の戦士達が散開して地球の戦士達に襲い掛かった。

 真っ先に迎え撃ったのは、この中で悟飯に次ぐ実力を持つゴテンクスとナッパだ。

 二人は一瞬で超サイヤ人3に変身し、敵の中心であるトリオ・デ・デンジャーズを相手取る。

 他の七人の戦士をカリン、ポポ、人参化、天津飯、クリリン、ヤムチャ、餃子がそれぞれ相手にし、乱戦が始まった。

 ウサギのような獣人の戦士と天津飯が衝突し、高速で繰り出される蹴りを天津飯も素早く防御しつつ反撃の手刀を叩き込む。

 半魚人の姿をした戦士とヤムチャの狼牙風風拳が素早く交差し、連続して火花を散らす。

 クリリンは蝙蝠のような戦士と空中戦を繰り広げ、手から糸を出す戦士は餃子の超能力で拘束していた。

 力の大会出場選手といってもそのレベルはピンキリで、第9宇宙は第7宇宙に匹敵する治安の悪さの割に弱い部類に入る宇宙だ。

 トリオ・デ・デンジャーズさえ除けば、地球人戦士達でも十分相手に出来る実力である。

 そのトリオ・デ・デンジャーズも特殊能力にさえ気を付ければゴテンクスとナッパの敵ではない。

 ナッパ渾身の拳打で防御したラベンダの腕が切断され、ゴテンクスに至ってはバジルとベルガモを同時に相手して尚、遊ぶ余裕があった。

 

「へっへーん、こっちこっちー! おしりペンペーン!」

 

 おちょくるように飛び回り、自らの尻を叩いて挑発までする。

 地球戦士達の活躍に戦乙女達は大喜びで応援するように手を振っていた。お前等も戦え。

 

「ふうっ……妙な技を使った時は驚いたが、大した強さじゃなかったな」

 

 増援の登場に一瞬驚いた悟飯だったが、仲間達でも十分対処可能と分かると余裕を取り戻した。

 再びアムズへ意識を向け、構えを取り直す。

 

「今のがお前の切り札なら……勝てんぜ、お前は」

 

 悟飯が勝利を確信したように言い、アムズに蹴りを放った。

 吹き飛んでいくアムズに追いついて更にもう一発蹴りをお見舞いする。

 ますます加速して吹き飛ぶアムズの背後に高速移動をして蹴り上げ、上空に先回りして肘打ちで叩き落す。

 悟飯の心に油断はない。リゼットも悟空も不在の今、自分が地球を守らなければならないという強い責任感を持ってこの場に参じている。

 愛する家族を守るため……この惑星の明日を守るために、一切の甘えを捨てて一気に決める!

 着地と同時にアムズと衝突して超高速の打撃戦――数秒に渡る攻防を制してアムズを殴り飛ばす。

 

「これで終わりだ!」

 

 地を蹴って飛び出し、アムズの顔面に拳を叩き込んだ。

 吹き飛んでいくアムズと離れるように連続で後方宙返りを繰り返し、右腕一つに全ての気を集める。

 

「か、め、は、め……」

 

 青白い気が手の中に集約され、放射状に光が拡散される。

 

「波あああああああああ!!」

 

 十分に溜めたエネルギーが気功波となって発射され、アムズに直撃した。

 かめはめ波が地面を削りながらアムズを運び、悟飯は地上に当ててしまわないように軌道を変える。

 するとかめはめ波が空に向けて曲がり、アムズを上空へ運んでから大爆発を起こした。

 確かな手応えに口の端を吊り上げ、空を見上げる。

 これで倒せないにしても、大ダメージは間違いない。

 煙が晴れた後にはボロボロになったアムズの姿があると信じて疑わず……だからこそ、煙が晴れたときに悟飯の笑みは消え去った。

 

「なっ……!?」

 

 ――結果はまさかの、無傷。

 そんなはずはない。そう思うも、現実としてアムズには傷が付いていない。

 気功波を吸収する能力でも持っていたのか? と思い、警戒度を僅かに上げる。

 そう思う悟飯の前でアムズは鈍い光を放ち、形が変わった。

 

 それは、黒い戦士であった。

 髪のように見える頭部に、セルに少し似た端正な顔立ち。

 後頭部から伸びた数本の触手はまるで長髪のように足元まで伸びている。

 引き締まった筋肉はケープ付きのゆったりとした衣装に包まれ、まるで聖衣を纏った修行者のようだ。

 両耳はまるで鳥の翼のような形状をしており、そして何より目を引くのは背中で輝く紫色の光輪であった。

 その姿は、ハッキリ言って悟飯達の知る『彼女』とは似ても似つかない。そもそも性別が違う。

 だが所々に見える意匠は明らかに特定の人物を意識しており、嫌でもこの地球の守護者を連想させた。

 

「そ、その姿は……神様と同じ……?」

「……そうだ、地球の戦士よ」

 

 アムズが――いや、アムズではなくなった何者かが答えた。

 

「改めて名乗ろう。私はシーラス。この世界の正義の弱さを嘆く者。この世の悪の根絶を切望する者。

先程まですまなかった。内側からアムズを制御するのに専念していたもので、満足に君の相手が出来なかった。君を無視してしまった非礼を詫びよう」

「なっ……!?」

 

 その言葉は悟飯にとって衝撃的であった。

 制御に専念だと? 無視だと? つまり……戦いだと思っていたのはこちらだけで、そもそもこいつは戦ってすらいなかったというのか?

 屈辱に顔を歪める悟飯を気にせず、シーラスは続ける。

 

「そしてこの姿は、私の理想を限りなく体現する者を真似たもの……そう、君も知るこの惑星の神だ。

かつて彼女がこの星で見せた、悪を問答無用で浄化する絶対なる善の神としての姿……あれこそ、私の目指す理想、正義そのものだった」

「違う! 神様はあの時の事を悔いていた! 二度とあんな暴走をしてしまわないように必死に修行していたんだ! 勝手な事を言うな!」

「とても残念な事だ。全ての悪を消し去り、心正しき者のみが生きる理想の宇宙を作り出せる力がありながら、彼女はそれを放棄してしまった。

いや、その事を責めはすまい。守るべき民を攻撃するまいとするその心もまた、善なる者だからこそのもの。ならばこそ、私が代わりに正義を遂行しよう」

 

 シーラスの勝手な言葉に悟飯は怒りを顔に滲ませる。

 

「正義だと? 他の宇宙や星を襲うのがお前の正義か! お前達は何がやりたいんだ!」

「何者にも踏み荒らされる事のない、新たな宇宙の創生」

「新たな宇宙だと……?」

「そうだ。この宇宙からは神々を追放したが、それは通過点に過ぎん。私達は最終的に、全ての時間軸から神々を消したいのだ。そうでなければまた、ザマスのような救いがたい愚かな神が現れる……そして人々が踏み躙られる」

 

 コアエリアの戦士達はこの時間軸から神を追放した。

 追放された神々は時の指輪も取り上げたから、戻って来る事はないだろう。

 だが別の時間軸からいきなり界王神や破壊神が飛来する可能性はまだ残っている。

 それがあのザマスのような悪神だったら最悪だ。また人々が踏み躙られてしまう。

 だからハーツとシーラスはその可能性も摘もうと考えていた。

 ……もっとも、この二人の間にも微妙な食い違いがあり、ハーツは『神のいない自由な世界』であれば別に悪人がいても構わないと考えているのに対し、シーラスは悪人も全て消したいと考えているし、用が済めばモロも消す事を決めている。

 

「私達の最終的な目標は、あらゆる時間軸から全王を含む神々を消し、そして私の目的は悪を根絶する事! その為に我等は力を欲している……全ての時間軸を巡り、この手で全王すら殺せる力をだ! だから私はお前達の力を取り込み、絶対の力を得なければならん! 地球の神のように悪人を全て浄化し、全ての時間軸から神と悪を根絶し……そして最後には私もまた、最後の悪としてこの世から消えよう!」

「ふざけるなあ!」

 

 あまりにも独善的なシーラスへの怒りで悟飯の気が膨れ上がり、今まで以上の加速でシーラスに肉薄した。

 悟飯の拳がシーラスの顔面を捉え、膝蹴りが腹を打つ。

 

「勝手な事ばかり言いやがって! そんな事は僕が――」

 

 怒れる悟飯の拳が更にシーラスを打つかと思われた直後、重い音が響いた。

 音の出所は悟飯の腹だ。

 シーラスの拳が深々とめり込んでおり、たったの一撃で悟飯は動けなくされていた。

 

「か……っ」

「許しは請わん。恨んでくれ」

 

 シーラスが静かな声で言い、悟飯を叩き落とした。

 悟飯は受け身も取れずに地面に激突し、二度三度とバウンドして地面を転がる。

 超サイヤ人ブルーに匹敵する力を持ち、あの力の大会にも参加した悟飯が一蹴された……その事実に、地球戦士達が唖然とする。

 

「見るがいい……これこそ、悪を一掃する力! ――ヒーローズ・ワールドミッション!」

 

 シーラスが手を掲げ、そして彼の宣言と同時に影の戦士が現れた。

 ラグス、カミン、オレン……先に倒れたコアエリアの戦士達。

 トッポ、ディスポ、カーセラル……プライドトルーパーズの面々。

 リブリアン、カクンサ、ロージィ……第2宇宙の乙女達。

 それらが影の戦士として顕現し、感じられる力の大きさに地球戦士達は絶望を感じずにはいられなかった。

 

 

 モロの猛攻が魔人ブウを襲っていた。

 休みなく繰り出される拳打、蹴り、気功波……そのどれもがブウを打ちのめす。

 一撃で腹がひしゃげ、振り下ろされた拳で頭部が陥没した。

 続けて放たれた蹴りでブウが吹き飛び、岩に叩きつけられた。

 しかしそれだけの猛攻を受けたブウは次の瞬間にはポヨン、とへこんでいた部分が元に戻ってしまう。

 モロとブウの戦いは始まってからずっと、この展開が続いていた。

 いくらモロが攻めようと、ブウは痛みを感じないしダメージも受けない。

 ブウはニッ、と笑うと自らの腹を千切ってモロ目掛けて放り投げた。

 ブウの肉片はドーナツの輪のようにモロの周囲に纏わり付く。

 

「ちっ……!」

 

 すぐに離れようとするモロだったが、そこに17号と18号の気弾の嵐が飛んだ。

 モロからしてみれば大した脅威ではない二人だが、先程からずっと疲れなど知らないようにこうして気弾でモロの邪魔をしてくる。

 当たったところでダメージにならないだけの差はあるが、それでも煙を巻き上げられたり足場を崩されるだけでも面倒臭い。

 

「ギュッ!!」

 

 そうして手間取っているとブウが奇声をあげ、同時に肉片がモロを縛った。

 動きを封じられたモロにブウが突進して押し倒し、マウントポジションを取る。

 そして両腕が動かせないモロの顔面を右へ左へ好き放題に殴り始めた。

 止めとばかりに触角からおやつ光線を発射するが、モロもこれだけは顔を逸らして避ける。

 

「ぐっ……調子に、乗るな!」

 

 実力差にものを言わせて強引に拘束を引き千切り、ブウを蹴り飛ばした。

 空を舞うブウに気弾を連射して穴だらけにしてやるも、着地したブウはやはり穴をあっさり塞いでしまいダメージがない。

 物理法則も何もあったものではなかった。

 気弾で消したはずの肉がどこから生えているのか全く分からない。

 だがそれでも、モロにはここまでの戦いでブウの攻略法が見えていた。

 

「フン、大した不死身ぶりだな。だが……もう貴様の処分の仕方は分かった」

「?」

「二度と再生出来ないくらいバラバラにされれば、流石に復活出来まい!」

 

 モロが飛び出し、目にも止まらぬ速度でブウを蹴り上げた。

 一瞬で先に回り込み、ブウに掌を翳す。

 驚いたようなブウにモロが薄ら笑いを向け、そして気功波発射……ブウの全身を吹き飛ばした。

 バラバラになったブウの肉片がベチャベチャと地面に落下し、モロは勝利を確信した。

 ……が、その勝利の笑みは消える事となる。

 何と、バラバラにした肉片の一つ一つが小さな魔人ブウとなり、起き上がったのだ。

 

「わーっ!」

「合体!」

 

 歓声をあげて無数の小さな魔人ブウが一か所に集まりベタベタとくっついていく。

 そして全てが合わさった後そこにいたのは、完全に元通りになった魔人ブウの姿であった。

 

「ブゥー! 復活!」

「ちっ……出鱈目な生物め」

「へっへーん、俺凄い! 格好いい!」

 

 腰に手を当てて、ないはずの鼻を高々と伸ばす魔人ブウの姿に、味方のはずの17号と18号も呆れ顔だ。

 

「やれやれ、呆れた不死身ぶりだ」

「あいつ、何したら死ぬんだい……?」

「さあな。だがあれが味方というのは頼もしい限りじゃないか」

 

 17号と18号がブウのわけのわからない頼もしさを語り合う。

 それから17号は名案を期待するように18号を見た。

 

「で、どうする18号? 不死身だから何とかやりあえてるが、実力差は割と絶望的だぞ」

「そうだねえ、ブウの攻撃も何発か当たってるけど全然効いちゃいないし……お菓子にする光線もあの分じゃ当たりっこないだろ」

「長期戦で勝てると思うか?」

「それより先に攻略法を見付けられると思うね。敵だって馬鹿じゃないだろ」

 

 どちらも口にはしなかったが、ブウの殺し方は何となく見当がついていた。

 バラバラにしても再生するならば、跡形もなく消し去ってしまえばいい。

 そうすれば流石の魔人ブウも、どうしようもないはずだ。

 当然この程度の事はモロだって思い至っているはずで、そして奴にはそれを実行するだけの強さがある。

 魔人ブウもよく見ると冷や汗を流しており、決して余裕なわけではない。ただ余裕ぶっているだけだ。

 

「どうだブウ、勝算はありそうか?」

「……困った。ちょっと勝てない」

 

 17号の問いに、ブウは正直に勝ち目がほとんどない事を明かした。

 現状ブウは不死身の能力で善戦出来ている。

 お菓子にする光線もあるので勝ち目がゼロというわけではない。

 だがこのまま順当にいけばブウが負ける、というのがこの場における全員の共通見解だ。

 

「私達は援護くらいしか出来ないし……それも役に立ってるとは思えない」

「困ったな、手詰まりだ」

「そんじゃ、切り札の出番だね」

 

 18号が笑い、17号も頷く。

 現状打開になるかもしれない切り札は持っている。

 18号はポケットから耳飾りを出し、片方を17号に投げ渡した。

 それは、先日ピッコロが界王神から託されたポタラだ。

 ピッコロはこれを、地球残留メンバーの中で恐らく最も相性がいいだろう二人である17号と18号の姉弟に託していた。

 

「どうなると思う?」

「さあ? まあ今より弱くなる事はないんじゃないかい?」

「だといいがな」

 

 幸いにして、この二人に合体への抵抗はなかった。

 合体相手が自分の片割れとも言えるこの姉弟ならば悪くない、と両方ともが思っている。

 ピッコロがこの二人に預けたのもそれが理由だ。

 いざという時に合体を躊躇ったりされては困る。

 

「それぞれ別の耳に着けるんだったな。じゃあ俺は右だ」

「OK、私は左だね」

 

 さしたる躊躇もなく、まるで普段と少し違うアクセサリーを付けるような気軽さで神のアイテムであるポタラを付けた。

 その瞬間、17号と18号が引かれ合い、合体する。

 二人が完全に一つとなり、そして立っていたのは17号を成長させたような男であった。

 服装のベースは17号だが、肩の部分が露出している。

 髪は金髪で、18号の髪形と同じであった。

 もしこの姿をリゼットが見れば、GTの超17号に酷似した姿だと評しただろう。

 

「なるほど……こうなったか。名前は……そうだな、神がゲロの研究所跡から見付けだしたという俺達の本名を合わせてラピスラズリとでもしよう」

 

 合体戦士――ラピスラズリは髪をかきあげ、愉快そうに笑う。

 信じられないような力が自分の中から湧き上がるのが分かる。これならば戦える。

 自信に満ちた笑みのままラピスラズリが地を蹴って飛び出し、ブウと戦っている最中のモロの横面を思い切り殴り飛ばした。

 

「ぬっ……貴様……!?」

「さあ、ここからは先程までのようにはいかないぞ」

 

 モロが拳を放ち、ラピスラズリの頬を打つ。

 だが、ラピスラズリは口の端から血を流しながらも余裕の笑みを崩さなかった。

 彼は永久エネルギー式人造人間だ。痛覚は薄く、そして疲れはない。

 すぐにモロに殴り返し、よろめいたモロの上にブウがのしかかった。

 地面に倒れたモロの上でブウが何度も飛び跳ね、追い打ちをかける。

 モロがブウを跳ね除けて口から破壊光線を打ち、ブウの頭を消し飛ばした。

 だが直後にブウの頭が生え、お返しとばかりに口から光線を発射してモロに炸裂させる。

 すかさずラピスラズリが飛び込み、拳と蹴りの乱打をモロに叩き込み、モロも応戦してラピスラズリの腹を殴って吹き飛ばした。

 岩山に激突したラピスラズリだが、煙の中から出て来た彼はまるでケロッとしている。

 その、ダメージを受けてるかどうかも分からない姿にさしものモロも不気味さを感じずにはいられない。

 

「ちっ……面倒な奴等だ……そっちの奴は大界王神に似てるというのが更に腹だたしい」

「……ダイカイオウシン?」

「お前に似てるデブだ。昔、俺の魔力を封印しやがった」

「…………」

 

 忌々しそうに言うモロだったが、その言葉にブウが反応を見せた。

 数秒沈黙し、それから何かを思い出したように不機嫌そうな顔になった。

 

「思い出したぞ……お前、昔俺の友達をたくさん殺した悪い奴……絶対許さない……!」

「何を言って……いや、まさか……貴様本当に大界王神か!? 馬鹿な、何をどうしたらそんな姿に!」

 

 ブウは大界王神ではない。だがブウの知性は彼を吸収して得られたものだ。

 だからこそ大界王神という存在はブウにとって特別であり、大界王神の記憶を自分の記憶と混同していた。

 いや、あるいはモロというかつての敵を前にして大界王神の記憶が覚醒したのかもしれない。

 ブウは少しの間モロを睨んでいたが、この場にいない誰かと話すように一人でぶつぶつと呟きはじめ、そして頷いた。

 

「……分かった、替わる」

 

 ブウがそう言うや、彼の顔が……いや、姿が変わった。

 顔立ちはほとんど変化していないが鼻がつき、頭はモヒカンに。

 服装もあまり違いはないが、界王神と同じようなものとなっていて、明らかにブウとは別人であった。

 

「なにっ!? 貴様……大界王神!!」

「やあ、久しぶりだねモロ……相変わらず好き勝手しているようだけど……君を止める為に、ブウと替わって貰ったよ」

 

 神が失われた世界に出現したブウ――いや、大界王神は温和な笑みを浮かべながら気を高めていく。

 そして、展開についていけないラピスラズリはポカンとした顔をしていた。




【戦闘力】
・孫悟飯:1兆8400億→5兆5200億(怒りでパワーアップ)
ちょっと怒るだけでパワーアップできる才能バグは健在。
しかし怒りが足りず、ワンパンKOされてしまった。
やっぱり目の前で16号の頭踏み潰してやらないと駄目か?
おめえの出番だぞ! 16号!

・アムズ→シーラス:60兆
様々な戦いのデータ+取り込んだ戦士の力で大幅パワーアップしたアムズをシーラスが乗っ取った姿。外見は黒いシーラスだが、所々にリゼットのような意匠が追加されている。
ゲームでもやってきたように取り込んだ戦士を影として召喚するのでリゼットのゴッドミッションのような事が出来る。ついでにトッポの力も持っているので『破壊』も可能。

・トッポ(影):2兆~30兆
・ディスポ(影):1兆
・その他プライドトルーパーズ(影):数百~数千億クラス
・第2宇宙メンバー:数百~数千億クラス
・ラグス(影):1兆~2兆
・オレン(影):1兆2000億
・カミン(影):1兆2000億
シーラスに召喚された影の戦士達。オリジナルと同じ強さを持つ。

・ラピスラズリ:55兆2000億
17号と18号が合体した事で誕生した戦士。
融合とはいうがぶっちゃけ、力の大半は17号のものなので17号をポタラパワーで30倍の強さにしただけと言っても過言ではない。18号は添えるだけ。
とはいえ、力の差がこれだけあっても倍率マイナスがかからないのは、それだけ相性がよかったという事。
外見はヒーローズの18号を吸収した超17号そのまま。
外見がこうなった理由は18号がいい具合にヘルファイター17号の代用になったという事で。
しかし姿は超17号になっても、やはりエネルギー吸収と電撃地獄玉は出来ない。

・魔人ブウ→大界王神:1兆
太っているけど優しく温和な大界王神の記憶が目覚めた事で大界王神の強さも加わって相乗効果で大幅パワーアップ。
(大界王神は南の界王神吸収純粋ブウを一蹴して即座に吸収を選ばせるくらいの強さ)
ただしブウではなくなったせいか普通にダメージを受けるようになったし、疲労もする。
ブウ特有の変な戦い方もしなくなった。
ついでにバーストリミットを習得したのはブウであって大界王神ではないのでバーストリミットもどっかいった。
弱体化じゃねえか! さっさと戻れ!
漫画版でも絶対大界王神に主導権渡さずにブウのまま戦った方が強かったって……。
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