ドラゴンボールad astra   作:マジカル☆さくやちゃんスター

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第30話 悪意の結託

 ――時を少し遡り、リゼット達がクウラとの決戦に臨む前に話を戻そう。

 異変は、その時から既に始まっていた。

 

 第4宇宙の界王神界にて、水晶を通して下界の惨事を見ているのは第4宇宙の界王神であるクルだ。

 彼は当然ながら、他の宇宙を襲ったコアエリアの戦士達の事は知っている。

 既に第10宇宙、第9宇宙、第6宇宙そして強豪のはずの第11宇宙の戦士達までもが敗れ、宇宙が荒らされている。

 そして破壊神不在の今、対抗し得る戦力として期待されているのが、あの力の大会で猛威を振るった修羅の宇宙――地球神リゼット率いる第7宇宙の地球在住戦士達であった。

 あの十人の全員が他の宇宙ならば最強を名乗れる実力者の集まりで、最弱のヒルデガーンを除く九人はいずれも破壊神には及ばないまでも、近いレベルに到達している。

 特に主将のリゼットと、大会の最後にジレンと激闘を繰り広げた孫悟空は破壊神級と認めるしかない。

 だから、もし敵の動きを探知したらすぐに第7宇宙の界王神へ伝達し、界王神から界王へ、そして地球の戦士達へ伝わる手筈になっているのだ。

 そして第4宇宙には今、まさに脅威が襲い掛かっていた。

 ……だが、情報はここで止まっていた。いや、止められていた。

 

「あの、クル様……すぐに第7宇宙に……」

「黙るでおじゃる。神が下界の……それも別の宇宙の人間に助けを求めるなど……そのようなみっともない真似は出来ぬでおじゃるよ。第一、ビルス殿の宇宙に助けなど求めようものなら、後でキテラ殿に何と言われるか」

 

 付き人の提案を、クルが黙らせた。

 第4宇宙の界王神であるクルは、神としての意識が非常に高く尊大な界王神だ。

 その彼にとって他の宇宙の、たかが一惑星の神が率いる勢力に助けを求めるというのはこの上なくみっともなく恥ずかしい行いであり、「一惑星の神如きが解決できる問題を解決出来ない無能」と自らを認める行為に他ならなかった。

 また、破壊神同士の仲の悪さも問題だ。

 仮に今回の件でビルスが何の役にも立たなかったとしても、それでも第7宇宙は彼の宇宙だ。

 つまり第7宇宙に助けを求めるというのは、キテラがビルスに借りを作る行為になってしまう。そんな話を聞けばキテラは確実に不機嫌になるだろう。

 その二つの要素により、本来すぐに第7宇宙に伝わらなければいけない情報が、第4宇宙で止まってしまっていた。

 だが情報が止まっても、事態は止まらない。クルは後に、この判断を悔いる事となる。

 

 

 第4宇宙の被った被害は甚大なものであった。

 妙な術を操る()()()は次々と惑星を喰らい、その力を高めていた。

 彼の側にいる寡黙な男も、本来は大した事がないのだろうが山羊男の魔術によって強化される事で恐るべき強者へと変貌し、第4宇宙を苦しめた。

 これ以上好き勝手にさせるわけにはいかない……第4宇宙の戦士達は辺境の惑星で襲撃者を迎え撃った……だが……。

 

「こんなものか……宇宙の精鋭といえど、大した事はなかったな」

 

 倒れ伏した第4宇宙の戦士達を見下ろして山羊男――モロが嫌らしく笑った。

 監獄惑星で死んだと誰もが思った過去の大罪人。だが彼は生きていた。

 あの時……破壊光に貫かれる瞬間、彼は誰にも教えていなかった能力を使っていた。

 彼の隠された能力、それは『捕食』と『同化』だ。

 彼はエネルギーの吸収を得意としているが、実は生物そのものを飲み込んでしまう事でその能力を我が物にする事が出来る。

 そして同化能力は、その気になれば惑星との一体化すら可能とする。

 彼はその能力で監獄惑星と同化し、リゼットの破壊光から逃れたのだ。

 モロにとって運がよかったのは、その場にメタルクウラの軍勢がいた事。もしこれがなければ破壊光はメタルクウラの軍勢を滅ぼすのに力を使い果たさず、しつこくモロを追跡し続け、やがては監獄惑星ごとモロを消し去っただろう。

 もう一つの幸運は監獄惑星が崩壊しつつあった事。

 崩壊しかけていなければリゼットは念入りに監獄惑星を調べ、そして気の探知に優れた彼女はどれだけモロが気を消そうともそのおぞましい気を感知し、惑星と同化している事を見抜き、惑星ごとモロを消し去っただろう。

 だが既に崩壊が決まった惑星……しかも宇宙空間では生存出来ない仲間の脱出を優先し、更にクウラとの決戦に気を取られていた彼女は、そこまで念入りに調べる事はしなかったし、地表を消し飛ばしただけで立ち去ってしまった。

 ……いや、おかしいだろう、とモロは思う。

 倒れている相手に死亡確認をすっ飛ばして追い打ちをかけるだけならまだしも、惑星の地表全部を吹き飛ばす奴など普通いない。どれだけ念入りなんだあの女と文句を言いたくなる。

 惑星と融合した状態で地表を消されるのは生きたまま全身をピーラーで削られるような苦しみだったが、モロは何とか耐え抜いた。

 最後の幸運は、この監獄惑星が元々はフューの実験場であるが故に、転移機能を備えていた事。

 この転移機能を使う事でモロは、大した敵のいなそうな第4宇宙へ逃れ、完全にリゼットの探知の射程外へ逃れたのだ。

 リゼットの探知は第7宇宙全域をカバーしているが、他の宇宙にまでは届かない。

 

 そうしてまんまと安全圏へ避難したモロは用済みになった監獄惑星をパージし、ドラゴンボールを使用した。

 そう、フューが監獄惑星に集めた戦士達を争わせる為に配布していたドラゴンボールだ。

 これがどこの時間軸から持ち出したものなのかは、モロに知るよしもない。

 しかしこのドラゴンボールは願いを三つ叶える事の出来る優れ物であった。

 モロは一つ目の願いで傷付いた己の身体の修復を。二つ目の願いで全盛期の魔力の復活を。そして三つ目の願いで、銀河パトロールに収監され死刑執行間近であった犯罪者……『サガンボ銀河強盗団』の構成員の一人セブンスリーを己の配下として呼び寄せた。

 本当は全員呼びたかったのだが、他のメンバーは超銀河王ザーボンによって既に処刑されており、セブンスリーが最後の一人だったのだ。

 

「どうだ、セブンスリー……能力はコピーしたか?」

 

 モロの問いに、セブンスリーと呼ばれた、少しヒットに似た男が無言で頷く。

 セブンスリー――正式名称OG73-Iは邪な野心を抱く科学者によって作られた、命令に従うだけの殺人マシーンである。

 彼だけが処刑されずに残っていたのも、自発的に悪事を働く事はなく後回しにされていたからだろう。

 あるいはザーボンは、セブンスリーの能力と自我の希薄さに目を付け、自分の命令通りに動く手駒にしたかったのかもしれない。

 そんなセブンスリーの最も特筆すべき部分はコピー能力であり、相手の首元を触る事でどんな格上であろうと、戦闘力、戦い方、そして特殊能力を三十分間コピー出来る。

 しかも元々のセブンスリーの強さの上にコピーが上乗せされるので、コピー後の実力はオリジナルを上回るという反則性能だ。

 また、このコピー能力は同時に三人までストック可能で、任意で切り替える事が出来る。

 そして第4宇宙は特殊能力の宝庫だ。純粋な実力ではなく絡め手を得意とする第4宇宙の面々が持つ能力は、使い手が変われば恐ろしい事になる。

 セブンスリーがストックした能力は三つ。透明になれるカメレオンのような戦士ガミサラスの『透明化能力』。

 札使いダーコリの『幻覚能力』。

 そして最後はモロ自身の能力だ。

 

「ご苦労……では、もうお前に用はない」

「!?」

 

 モロは満足そうに笑うと、セブンスリーを掴んで、あろう事か口に入れた。

 セブンスリーのコピーは三十分しか続かない。

 しかしモロの能力をコピーしたセブンスリーをモロが捕食吸収する事で、その時間制限はなくなる。

 普通ならば捕食しても制限時間が変わる事はない。

 しかしモロ自身の能力をモロが取り込む事で、一種のバグのような状態が完成する。

 モロをコピーしたセブンスリーを捕食するというのは、自分で自分を取り込んでいるようなものだ。

 モロはこの状態を利用し、魔術を用いてセブンスリーを『元々自分の一部だった』と己の肉体に誤認させたのだ。

 完全に自分の一部として取り込んでしまう事で、制限時間は消える。

 例えば三十分で消える気弾があったとして、それを術者が取り込んで気を回復したとしよう。

 この時、三十分経ったら回復した気は減ってしまうのか……といえば、そんな事はないだろう。

 自分の一部に『戻した』時点で、そんなものはなくなっている。

 その戻したパーツに、たまたま他の能力が付いていても、それはモロの魔術をもってすれば許容範囲内だ。

 

 セブンスリーを完全に取り込み……いや、『戻し』、モロの姿が変わった。

 山羊のような顔は、セブンスリーに似た端正な顔立ちへ。肉体も引き締まり、頭部にはモロの象徴である二本の角が残っている。

 悟空達のエネルギーで若返り、ドラゴンボールで魔力も復活した。

 第4宇宙の星々を喰らう事で力を増し、その上で自らをコピーさせたセブンスリーも捕食した。

 その戦闘力は今や、監獄惑星で悟空達と戦った時とは比較にもならず、破壊神の領域に片足を突っ込んでいる。

 

「さて、このまま第4宇宙を俺の餌場にしてしまうのも悪くないな」

 

 モロの最終的な目的は、自分が誰にも邪魔されずに星を自由に食べられる世界にする事である。

 そんな事をしたらいずれは死の星だらけになって彼の食料がなくなるが、そこまでモロは考えていない。

 ただ、己の欲を満たせればいい。その後で困る事があれば、その時考えよう……くらいの見通ししかないのだ。

 今さえよければ、それでいい……モロはそんな、刹那的な快楽主義者であった。

 そんな彼の背後に、一人の男が突如出現した。

 

「こんな場所にいたか。探したよ……星喰いのモロ」

「……貴様は?」

「俺はハーツ。神の存在しない新世界の創造を望む者……モロ、君を迎えに来たんだ」

 

 怪訝な表情でモロが振り返る。

 そこにいたのは、ファー付きのコートを羽織った優男だった。

 しかし、妙に疲れている。見た所、立っているのもやっとのようだ。

 

「君の事は知っている。かつて第7宇宙の大界王神と戦い、封じられたという事も。

神のいない世界……欲しいとは思わないか?」

「フン……神など最早俺の敵ではない」

「どうかな? 確かに界王神は敵ではないだろう。しかしこの世界には破壊神、そして全王がいる。

奴等を完全に排除しない限り、君の理想は叶わない」

 

 モロは破壊神の事をあまり知らない。

 全盛期の彼を止めたのは大界王神と南の界王神であり、破壊神に関してはそういう存在がいる程度の知識しかなかったからだ。

 だが大界王神より遥かに強い神が宇宙の数だけいるとすれば、それは今のモロをしても厄介だと認める他なかった。

 

「なるほど、その神々の排除を貴様なら出来ると? そのザマでか?」

「耳が痛いな。だが何も実力で排除するわけじゃない。こいつを使うんだ」

 

 ハーツが指を鳴らす。すると空中に、七つの巨大なドラゴンボールが姿を現した。

 

「な、なんだアレは……ドラゴンボール……なのか?」

「超ドラゴンボール……龍神ザラマの作り出した『本物』のドラゴンボールだ。それ以外のドラゴンボールは全て、アレを削って作り出したか、その模造品を更に模造しただけの廉価版に過ぎないんだよ。当然叶えられる願いの幅はそこらのドラゴンボールとは比較にならん……少なくとも破壊神連中は、『叶えられない願いはない』と思っているようだ」

 

 シャンパはかつて、この超ドラゴンボールを指して『本当に何でも叶う』と断言した。

 この言葉が真実であるかどうかは定かではない。

 もしかしたら天使や大神官、全王にまでは流石に効力が及ばない可能性もあるだろう。

 しかし破壊神であるシャンパが『叶えられない願いはない』と確信しているという事は、少なくとも破壊神までは効果対象になるという事だ。

 その前提条件の上で高望みせず、かつ神々を消す為の願いをハーツは考えていた。

 

「恐らく破壊神まではこのドラゴンボールで消せるだろう。しかしそうした攻撃的な願いが天使や、その上に座する全王にまで及ぶのかは確証が持てない。だから俺はこいつに、この世に存在する全ての神々を龍神ザラマを除いて別の時間軸に放逐する事を願うつもりだ」

「別の時間軸……」

「そうだ。こことは違う時間軸……その中には、全王によって全てが消されてしまった悲しい世界がある……奴等には、そこに行ってもらう。消せぬならばせめて己の罪を見せ付けてやりたい」

 

 ハーツは最初、「この世に存在する全ての神を消せ」という願いを考えていた。

 だが超ドラゴンボールといえど、天使や大神官、全王にまで効力が及ぶか分からない。

 そこで次に、「全王を除く全ての神を別の時間軸に放逐しろ」という願いを考えた。

 こうすれば全王を守る者はいなくなり、全王が無防備になる。

 そうして守護者のいなくなった全王を、宇宙の種の力を完成させて取り込んだ自分が倒す……いや、倒せると思っていた。

 だが、ジレンに叩きのめされた事で己の思い上がりを知った。

 全王は確かに仕留めたい。だがジレン一人にここまでやられた自分達が、宇宙の種があったとしても全王に及ぶだろうか? 残念ながら自信はなかった。

 それに全王を仕留めたいというのはハーツの我儘であって、目的地ではない。

 要は全王を含む神々がこの世界からいなくなればいいわけで、無理に仕留める必要はないのだ。

 本当はこの手で仕留めてやりたい。消されていった人々の怒りを思い知らせてやりたい。

 だが、相手を低く見積もるのは駄目だ。全王だけ残して挑んで、やっぱり無理でしたでは、先に散っていった仲間達に顔向けが出来ない。

 

「だが神々を放逐しても最大の障害が残る……第7宇宙の人間達だ。君も監獄惑星で出会っただろう? 彼らはきっと、神々を助けようとしてしまうだろう……人間同士で争うのは悲しい事だが、せっかく追放した神を呼び戻されては困る。残念ながら戦うしかない」

「奴等か……だがそれならば、超ドラゴンボールとやらで奴等も放逐すればいいだろう」

「生憎だが超ドラゴンボールで叶えられる願いは一つなんだよ。欲張り過ぎは駄目だ」

 

 ハーツは、どんな願いが一番いいのか考えた。その中には勿論、神々諸共第7宇宙の戦士達を放逐する案もあった。

 例えば「一定以上の力を持つ奴を全て消せ」という願いはどうだろう?

 だがこれでは一番消したい全王が残る可能性が高い。

 フューに見せられた他の時間軸のデータから、全王は強制転移には抗わない事が分かっている。

 別の時間軸から来た孫悟空が呼び出しスイッチを押してもあっさり出現したのは確認済みだ。

 だが「消す」や「殺す」では効力が及ばない可能性が高い。

 ならば「一定以上の力を持つ奴を全て別の時間軸に放逐しろ」と願うか?

 だがこれは、ハーツの知らないとんでもない不確定要素まで一緒に送ってしまう可能性がある。

 例えば送った奴の中にドラゴンボールかそれに類する何かを作り出せる奴がいて、その力で戻ってきたらどうする。

 龍神ザラマを願いから外す事を考えたのも、この為だ。

 ザラマまで放逐してしまっては、放逐した先でザラマがドラゴンボールを作って神々と一緒に戻ってきてしまう。

 「神々と第7宇宙の戦士達を放逐してくれ」という願いならばかなりいい線を行っているように思えるが、この中に思いもよらぬ能力を持つ奴がいて、この状況をひっくり返してしまう可能性はゼロではない。

 

「色々と考えたが……どれも不確定要素が付いて来る。だから俺は欲張らない事にした。

変に欲張って願いを複雑化して、それで全て失敗しては大間抜けだ。

まずは神々を、何もない世界へ放逐する。そこにはドラゴンボールも、それを作り出せる者もいない」

 

 実を言うと、この願いの叶え方でもまだ不安要素は残る。

 時の界王神クロノアの存在だ。

 シーラスの元上司である時の神。彼女ならば神々が放逐された時間軸を割り出して救出してしまう可能性が大いにある。

 同時に彼女は殺してはならない、世界のシステムを担う存在でもある。

 彼女が死ねば、彼女が管理している歴史――当然この世界も消えてしまう。

 そして彼女を全王と同じ場所に放逐した場合、癇癪を起した全王に消されてしまう可能性がある。

 実の所、全王と他の神々を同じ時間軸に放逐しようと決めたのも、これを期待しての事なのだ。

 全王の幼稚で自分の事しか考えない性格ならば、遅かれ早かれ自分以外の全てを消す。そうすれば全王は完全に一人だ。自分が全てを消した世界で永遠に孤独に彷徨っていればいい。

 それこそまさにお似合いの姿だ、とハーツは思った。

 だから時の界王神は()()だ。まずは宇宙の種を成長させて新たなる宇宙を創造する。

 そして時の巣に攻め入り、その身柄を拘束して生かさず殺さず、宇宙のシステムとして存続させる。

 もしかしたら、時の巻物を奪う事で放逐した歴史ごと全王を抹消出来るかもしれない。

 それがハーツの計画なのだ。

 

「超ドラゴンボールは確実に神々を排除する為に使う。

その後に残る第7宇宙の戦士達は自力で倒すしかない。その為に、君の力を借りたい」

 

 モロはその提案に考えるような素振りを見せる。

 この話に乗る旨味、デメリット……そして全てが上手くいった後に、一番甘い汁を吸える立ち振る舞い。

 見た所、このハーツという男は今の自分と比べれば大した事はない。

 これがリーダーでは、他もたかが知れている。

 ――いつでも出し抜けるし、いつでも潰せる。ならばこいつ等は使える。

 そう結論を出し、モロは愉快そうに笑った。

 

「いいだろう。神のいない世界は俺にとっても魅力的だ。手を貸そうじゃないか」

 

 こうして、コアエリアの戦士とモロという、二つの悪しき存在が手を組んだ。

 

 

 

 そして、その最悪な現場を目撃してしまった哀れな戦士が二人。

 小型異星人のシャンツァと、彼を胸に抱く女性キャウェイであった。

 シャンツァの幻覚は全く効かず、気の具現化という能力は気を食べるモロとの相性が悪過ぎたせいで早々に戦力外と化した二人は身を潜め、一部始終を見ていたのだ。

 

「ど、どうしようシャンツァ……これ、私達の手に負える?」

「無理。絶対無理。ごめんなさい」

「だ、だよね……界王神様、他の宇宙に助け求めてくれたり……」

「それも無理。多分無理」

「……詰んだ?」

 

 実力的に、キャウェイとシャンツァにはもうどうしようもない。

 そもそもシャンツァは幻覚能力を抜けば大した強さではなく、キャウェイに至っては完全な戦闘要員のはずなのに亀仙人にも遠く及ばない程度の実力しかないのだ。

 そして破壊神キテラは不在で、界王神は性格的に他の宇宙に助けを求めたりしない。つまり現状、完全に詰んでいる。

 

「…………」

 

 元々青い顔を更に青くしていたキャウェイだが、彼女の頭の中では必死に現状を打破するための計算が始まっていた。

 あの二人に勝つのは絶対無理だ。どうしようもない。

 しかし界王神相手ならばどうだ? 勝てないまでも、不意を突いて拘束するくらい出来ないか?

 勿論害する気はない。しかし状況が状況……脅して、他の宇宙に助けを求めさせるくらいしか、現状道がない!

 

「……シャンツァ」

「?」

「――界王神界に襲撃をかけるわよ」

「何で!?」

 

 キャウェイは嫌がるシャンツァを抱えたまま、その場から走り出した。




何? ジョジョ……『プラチナメタルクウラの後に敵を出しても見劣りする』?
ジョジョ、それは一人の敵だけでクウラ以上にしようとするからだよ。
逆に考えるんだ……『単体では劣っていてもいいさ』と考えるんだ。

というわけで宇宙争乱編のボスは争乱編ラスボスハーツに加えてワールドミッションラスボスのアムズ、モロ編ラスボスのモロの三人体勢でいきます。

【簡単に分かる今話の流れ】
①第4宇宙がモロに攻められたよ。第4界王神は意識高い系だったので情報を他に伝えず自分の宇宙だけで何とかしようとして悟空達に情報が届かなかったよ。
②第4宇宙の戦士達、キャウェイとシャンツァ以外全滅。
③後出し能力をフル活用してどっこい生きてたモロさん、魔法カード『監獄惑星のドラゴンボール』と融合素材『セブンスリー』を使って原作最強形態をシンクロ召喚する事に成功。星喰らう道となれ!
ちなみに惑星と同化した状態で表面大地を全部『破壊』されるのは生きたまま全身の皮膚を剥がされるようなものなのでクソ痛かったらしい。トラウマになりそう。
モロ「死んだと思っている相手に追い打ちかけるだけならまだしも、惑星の地表全部削るとかおかしいだろ……」
④ハーツさん、モロと手を組む。「遊戯君、僕はこのエグゾ……じゃなくて神々をどうするかやっと分かったよ。こうすればよかったんだ!」他の時間軸にポイー。HA☆GAァァァァァ! 絶対許さねえ!
⑤キャウェイちゃん迷走。界王神界に強盗に入る事を決意する。

【セブンスリー】
モロ編で登場したとんでもないチート能力の持ち主。正直モロよりこいつの方がやばい。
相手の首の後ろを触るだけで相手の強さと能力をコピーする。
全王の消滅能力が全王に効くかどうかは不明だが、個人的には全王を倒せるのは全王だけなんじゃないかなと思っている。
全王が二体いて互いに「消えちゃえ」とやれば両方消えるというのが個人的な予想。
つまりこいつは、現状唯一の全王以外で全王を倒し得るキャラクター……なのかもしれない。
上手くこいつを活用して全王を消滅させる二次創作なんかが今後出るんじゃないかと少し思っている。
このSSでは速攻でモロの餌になった。
ちなみにこいつだけ死刑になってなかったのはザーボンが欲をかいて自分の駒にしようと思ってたから。
やはりザーボンさんは使えませんね……ベジータ倒しても海に潜らないし……ドラゴンボール全部奪われるし、負けそうになると裏切ろうとするし。
少しはドドリアさんを見習いなさい。

ちなみに原作では言われていないが戦闘力コピーには限界があるように見える。
モロの能力をコピーしたはずのセブンスリーは17号&18号タッグにボコボコにされたが、当のモロ本人は明らかに17号&18号より遥かに格上だったし。

【クル】
第4宇宙の界王神。尊大で神としての意識が非常に高く、「〜おじゃる」という古風な口調で話す。
……らしいが、アニメ本編でおじゃると言った事は全くない。
また、本当にこんな奴なのかと聞かれると正直自信がない。何故ならこいつの出番そのものがほとんどないから。
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