ドラゴンボールad astra   作:マジカル☆さくやちゃんスター

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第26話 激突!!100兆パワーの戦士たち(3)

「その姿は、フリーザと同じ……」

「そうだ。あえて奴のセンスに合わせて呼ぶならば、さしずめゴールデンメタルクウラといったところか……弟に出来て、兄であるこの俺に出来ない事などない。だが見た目は同じでも、中身はあんな金メッキとは違うぞ」

 

 クウラが見せた新たな戦闘形態――黄金に輝くその姿は、以前に復活したフリーザが見せたのと同じものだ。

 わざわざ弟と同じ黄金の姿を選ぶ辺り、金メッキ呼ばわりしつつも多少はフリーザの事を意識しているのだろう。

 ただしフリーザが生身であったのに対し、クウラはメタル化した上で変身しているので単純に同じ変身とは言えない。

 単純な変身の段階で言えば、ゴールデンフリーザは第五形態に当たるのに対し、ゴールデンメタルクウラは第七形態に位置している。いや、メタル化しないゴールデンクウラもあると考えれば第八形態なのかもしれない。

 加えて最大の違いはその戦闘力にある。

 フリーザは間違いなく天才であったが、所詮はたった数か月という短い期間の集中トレーニングで得た力と新形態でしかなかった。

 それだけの短期間であれだけ力を増したその天才性は驚嘆に値するが、彼のパワーアップはどこか厚みが足りていなかった。

 超天才であるが故の密度の薄さ。フリーザのパワーアップには、悟空が多くの戦いの中で培ってきたような中身がない。

 時間さえあればゴールデンを完全に使いこなすどころか、あるいはその先へ至ったかもしれないが……どちらにせよ、今となってはいくら考えても詮無きことだ。

 翻ってクウラはどうだ。天才性という点で言えばフリーザにこそ劣るが同じ一族だけあって、凄まじいものがある。

 だが才能だけではない。クウラのあの黄金のボディの奥底には確かな厚みを感じる。

 クウラが復活したのはフリーザと同時期のはずだ。

 だが彼はリゼットの前に姿を見せる事はなかった。今日という日までの期間の全てを、己を高める事に費やしていたからだ。

 クウラ自身が言うには、彼は暗黒魔界を滅ぼしてその全てを己のエネルギーとして取り込んだという。

 つまり、彼は戦っていたのだ。

 リゼット達が第6宇宙を相手に対抗試合をしている時。全王と出会っていた時。未来でザマスとゴクウブラックを相手にしている時。力の大会の時……そして、日々の日常を過ごしている時。

 休む事なく、暗黒魔界の軍勢やこの第7宇宙に潜んでいた別の何かを相手に戦い、牙を磨いていた。

 全てはリゼット一人を殺す為だけに。今この瞬間の為に。

 

「どう違うかは……その身で確かめるといい!」

「……っ!」

 

 クウラの左眼が輝き、殺意が爆発した。

 同時にクウラがリゼットへ襲い掛かり、無数のメタルクウラがミラへ向かう。

 リゼットは即座に今出せる最大の力を出し惜しみなく解放し、迎え撃った。

 クウラは確かに強くなった。だが今のリゼットならばその上を往く事が出来る。

 繰り出された鋼鉄の拳を掌で軽く流し、カウンターの掌打をクウラの人中へ叩き込んだ。

 ……が、手を通じて伝わって来た感触は見た目通りの硬質なものだ。

 すぐにリゼットは指での突きへ切り替えてクウラの眼球を突く。

 しかしこちらも駄目だ。予想はしていたが眼球まで鋼鉄で出来ている。

 クウラが蹴りを繰り出そうとするが、それに合わせてリゼットは彼の膝関節をピンポイントに蹴り抜いた。

 狙いは関節破壊だったが、こちらも簡単には砕かせてくれない。無駄に頑丈に出来ている。

 そのままクウラは構わず蹴りを放つが、リゼットは蹴ったままの彼の膝を踏み台にして一度後ろへと跳んで仕切り直しとした。

 

「まずは予想通りといったところか。お得意の人体破壊もこの身体が相手では使えまい」

 

 クウラの言葉にリゼットは何も返さなかったが、図星であった。

 人体破壊とはそもそも生身の人間を相手にする事を想定した技術だ。

 生物であるならば人以外でも応用が出来なくはないし、事実リゼットはそうして宇宙人相手でもこの技術を使って来た。

 どんな生物であろうと急所くらいはあるし、目や耳、鼻などの感覚器官は弱点となる。

 だがメタルクウラは生物とはとても言えない。

 リゼットにとってはこの上なくやりにくい相手だ。

 

「俺は復活した時に、一度は生身の身体を取り戻した。

だがそれを捨てて再びメタルクウラとなったのは、貴様との戦いを想定すればこそ。

生物という括りにある限り、貴様を殺すのは困難と俺は考えた」

 

 それは一つの敗北宣言に等しかった。

 クウラには、宇宙最強の一族であるという誇りと驕りがあったはずだ。

 生身では勝てぬからと肉体を捨てるのは、実質的にそのままでは相手に劣っていると認めているに等しい。

 メタルクウラになるのは二度目だが、以前と今回とではケースが異なる。

 以前はそもそも生身の部分が脳以外残っていなかった。だから止むを得ず機械化したのだという言い訳が出来た。

 だが今回は完全に自らの意志によって機械化を選択している。

 リゼットはそこに、クウラが今回の戦いにかける勝利への執念を見た。

 最強の誇りを取り戻す為に、最強の一族としての誇りを捨てる。今のクウラはそんな自己矛盾の上に成り立っている。

 己の手で正面からリゼットを殺す事。その一点のみを目的とし、そこに至るまでに発生する矛盾を全て踏み砕いているのが今のクウラだ。

 

「俺は全てを捨てた。栄光も未来も、己の肉体さえも」

 

 クウラの会話の最中に、話が終わるのも待たずにリゼットが不意打ちを仕掛けた。

 殺し合いの最中にありながら身体が液体化したかと思うほどの極限の脱力をし、その状態から急発進!

 通常、どんな超スピードの持ち主であろうと最高速に達するまでには加速が必要となる。

 だがリゼットのそれは、あろう事か加速がなかった。

 初速が既に最高速(MAX)

 予備動作なくいきなり距離を潰したリゼットの動きにクウラは反応し切れない。

 更にカチカッチン鋼の剣を創造し、気を纏わせた上で平突きを放った。

 頑丈なメタルクウラを相手に強度で圧倒的に劣るリゼットが己の身体をぶつけては、相手に与える以上に自らがダメージを受けてしまう。

 故にこその武器使用だ。これならば決して強度負けはしない。

 一撃必殺狙いで急所――メタルクウラに唯一残された生身の部分である脳があるだろう頭部を狙って剣を突き出す。

 だがクウラはまるで事前に予測していたように頭を逸らし、僅かに狙いを外した剣は彼の側頭部を削るだけに終わった。

 読まれていた……! その事実にリゼットが僅かに表情を険しくする。

 

「迷いのない一撃だ。美しくすらある。

そうだ、それでこそだ。そうでなくては、この身を機械へ変えた意味がない! 全てを捨てた意味がない!」

 

 頭部を再生させながらクウラが拳を繰り出した。

 それを剣の腹で受けるが、カチカッチン鋼製のはずの剣に容易く罅が入る。

 即座に物質創造魔術で復元させるが、それより早くクウラの第二撃が来た。

 それを掌で受け、威力に逆らう事なく脱力……クウラの攻撃の威力を完全に受け流し、リゼット自身も回転。

 ターンを描くようにしてクウラの背後に回り込み、彼の背中に剣を叩き付けた。

 

「ぬっ……!」

 

 クウラの尻尾がすぐに反応してリゼットを襲うが、リゼットはもうその場にいない。

 既に距離を取っていたリゼットが自律気弾をその場に展開し、二十体の分身リゼットが時間差をつけてクウラに突貫した。

 その中に紛れてリゼットも先程の脱力からの最高速を出し、再びクウラの脳を狙う。

 だがクウラもすぐに本物に気付き、またしてもリゼットの剣は狙いを外してしまった。

 クウラは自律気弾の直撃を浴びながらも、それを意に介さずリゼットの剣を掴む。

 効いていないわけではない。だが決定打でさえなければクウラは再生し、強化する事が出来る。

 

「どうした? 随分消極的だな?

無理もない……俺に下手な攻撃を加えても再生・強化されるだけ……。

手に負えなくなる前に一気に仕留める以外に貴様の勝ちはない」

 

 戦いというのは戦闘力だけで決まるものではない。

 単純な強さだけを言えば今のリゼットはクウラを上回っている。

 だがクウラの頑丈さと再生能力、そしてアップデート機能は戦闘力以上に脅威だ。

 決定打以外では逆に相手を強くするだけに終わり、下手な攻撃を重ねれば手に負えなくなってしまう。

 だからリゼットは最小限の攻撃でクウラを仕留めようと考えているのだが、流石にそう簡単にはやらせてくれない。

 リゼットはクウラに奪われた剣をすぐに手放し、また別の剣を創造して脳を狙って剣を薙いだ。

 ――嘘か真か。ある高名な武道家は語った。

 

『刃物を持った相手は危険ではありません……刃物しか使用(つか)いませんから』

 

 強力な武器があれば、それを使用(つか)う。

 無意識下の縛り……これを当てれば勝てるという武器への依存。

 それが本来無数のはずの攻撃の選択肢を一つにまで狭めてしまう。

 今のリゼットはまさにそれだった。

 本来ならばもっと変幻自在で苛烈なはずの攻撃がワンパターンと化している。

 その姿にクウラは僅かな失望を抱きながらカウンターを合わせる。

 ビッグゲテスターとの同化により高い学習能力を得た今の彼ならば、三度も同じ攻撃を繰り返されればそれに合わせるなど造作もない。

 故に完璧にリゼットの剣に合わせ――次の瞬間、クウラは信じられないものを見た。

 

 ――リゼットの片目が一瞬のみ銀色に輝き、クウラの攻撃を回避したのだ。

 

 回避しただけならば何も驚く事などない。

 だが今のリゼットの動きは明らかにおかしかった。

 完全に攻撃の姿勢に入っていた。間違いなくフェイントではなかった。

 なのにクウラの攻撃を避けたのだ。まるで磁石のS極とS極が反発したかのような不自然な避け方……リゼットを無視して身体が勝手に避けたような!

 そのままリゼットはクウラの腹に手を当て、神の気を解き放つ。

 

浄化(はかい)!」

 

 ――不味い!!

 クウラは本能的な『死』の気配にほとんど反射的に反応し、無理矢理後ろへ身体を逸らした。

 無様でもいい。とにかくこの攻撃には当たるな!

 その急ブレーキが功を奏し、何とか直撃を免れたがクウラの腹がごっそりと光の粒子となって分解され、大きな穴が空いてしまった。

 もし直撃すれば上半身と下半身が分断され、それだけではなく破壊のエネルギーが全身を駆け巡って破壊されていただろう。

 こちらの攻撃こそが本命だったのだとクウラは悟る。

 先程までの剣でのワンパターンな攻撃はわざとだ。あえて同じ攻撃を繰り返すことでクウラに学習させ、カウンターを誘った。

 その上で更にカウンターを合わせ、この『破壊』を叩き込もうとしたのだ。

 だがまだリゼットの攻撃は終わっていない。

 両手に剣を創造してクウラの両腕の関節にめり込ませ、そして手放す。

 切断せずにあえて残すことで再生の邪魔をしたのだ。

 続けて短刀を創造してクウラの足を突き刺し、床に縫い留める。

 まだ終わらない。今度はトンファー……腕と脚を潰した今、狙いは頭一択!

 これに対しクウラはノーモーションで発動出来るロックオン・バスターで迎撃を試みる……が、視界内に残っていたのはトンファーだけだ。

 

「はっ!」

 

 身を屈めたリゼットが気を集中させた蹴りをクウラの腹の穴に突き刺し、更に蹴り上げる。

 機械のパーツを散乱させながら更に穴が広げられ、クウラが宙を舞った。

 まだ攻撃は続く。リゼットはすぐに跳躍してクウラの眼前に手を翳す。

 

(破壊狙いか。だがロックオン・バスターが間に合う!)

 

 リゼットの狙いを読んだクウラは、冷静に迎撃を選択し、リゼットを完全にロックオンした。

 しかし発動しようとした瞬間にまたしてもリゼットが当たり前のように回避してしまい、今度は尻尾を破壊された。

 

 ――身勝手の極意。

 それが先程からクウラの攻撃を回避している技の正体だ。

 力の大会で完成形を見たリゼットは、自らもまたその領域へと踏み込む事に成功していた。

 その気になれば『極』まで発動出来るが、今リゼットが使っているのは『極』でもなければその前の『兆』ですらない。

 わざと性能を劣化させ、回避能力のみを残した紛い物だ。

 身勝手の極意は確かに完成させた。だが完成したそれは回避のみならず攻撃も自動で行ってしまう。

 精度が上がる程に最善最短の道を走る……だがそれではリゼットの持ち味を殺してしまう。

 相手の動揺を誘う為にわざと攻撃を外す……意識を逸らす為にわざと一か所に集中させる……あえて学習させる為に剣での攻撃を繰り返し、カウンターを誘う……そうした駆け引きもリゼットの強みだ。

 だが身勝手の極意に攻撃を任せてしまっては、それは出来ない。

 そしてもう一つ、リゼットが身勝手の極意をわざと半端にした理由がある。

 それは身勝手の極意が持つ『身体を勝手に強くする』という効果だ。

 悟空が界王拳20倍の超サイヤ人ブルーでも歯が立たなかったジレンと対等に渡り合えるようになった事から分かるように、身勝手の極意を使えば身体も強くなる。

 だがそれは身勝手の極意に耐えられるだけの強靭な肉体があればこその話。

 そうでなければ身勝手の極意は術者を無視して、術者の限界すら気にせず『相手に勝てるレベルまで』身体を強化して自滅へと導くだろう。

 そしてリゼットは……残念ながら、完成した身勝手の極意に耐えられるだけの強度がなかった。

 これでもずっと鍛えていただけあって流石に身体の崩壊などはしなかったが、使い続けている間ずっと生命力が減り続けているのが分かったのだ。

 これでは使えたものではない。

 故にリゼットは自分でも使えるように身勝手の極意を改悪し、回避能力以外の全てをオミットし、その代わりに持続時間を延ばした。

 そうして出来上がったそれは『極』でもなければ『兆』ですらない。

 能力に戒めを設けたという意味を取り、身勝手の極意・『(かい)』。そうリゼットは名付けた。

 攻撃はあくまで自らの意志で。そして自力で回避し切れない攻撃のみ自動回避で避ける事で自らは攻撃へ集中する。

 身体が動くままに任せるのではなく、されど蔑ろにもしない。

 攻撃を頭が担当し、回避を身体が担当する自分自身との分担作業。それがリゼットの辿り着いた答えであった。

 

 ――リゼット自身は気付いていない。

 彼女が身勝手の極意の劣化版と思っているその技こそ、実は天使達が使っている身勝手の極意に限りなく近い物であるという事を。

 ウイス達天使は身勝手の極意を使う際に変身などしない。

 自然体のまま、常に使い続けている。

 身勝手の極意には変身を伴うものと、変身せずに使えるものの二種類が存在しており、悟空が力の大会で見せたのは変身を伴う身勝手の極意でしかないのだ。

 いや、あの変身自体がサイヤ人の持つ変身能力と混ざる事で生まれた邪道である可能性が高く、本来身勝手の極意はそもそも変身技ではない。

 リゼットが今使っている『身勝手の極意・戒』は、攻撃能力を削っているという点以外は、天使が使う身勝手の極意とほぼ同じものであった。

 

 リゼットの振るう剣が、そして拳打が次々とクウラに入る。

 クウラも頑丈さを武器に応戦するがほぼ零距離での攻防にもかかわらずクウラの攻撃はリゼットに当たらない。

 一方リゼットの攻撃はクウラに一方的に当たり、今までは回避に割いていた分の力まで攻撃に回しているだけあって頑丈なはずのクウラを破壊していく。

 クウラもビッグゲテスターの解析能力でリゼットの動きを学習し即対応するが、リゼットは『自分の動きを学習したクウラの動き』を予測し切ることでクウラを圧倒した。

 クウラは何とか瞬間移動でリゼットから逃れるが、誰が見ても今の彼は満身創痍であった。

 両腕はほぼ機能せず、足も尻尾も潰され、腹には穴が開いて機械が零れ落ちている。

 身体のあちこちから火花が上がり、再生も間に合っていない。

 だがリゼットは何故か不吉な予感を未だに拭えずにいた。

 

「――後一回」

 

 ギギギ……と嫌な音を立ててクウラが壊れかけの腕を上げた。

 持ち上げた手は、指を一本立てて『1』を示している。

 

「あと一回……俺は弟よりも多く変身出来る」

「っ!」

 

 クウラの宣言を聞くと同時にリゼットは迷わず攻撃を再開した。

 話に付き合ってやる義理などない。

 まだ本気ではないというならば、本気を出す前に潰すのみだ。

 気を集約させたリゼットの手刀をクウラは両腕でガードし、しっかりと頭を守る。

 すぐにリゼットは剣を創造してガードの上から叩くが、堅牢なクウラの防御はそう簡単には崩れない。

 

「光栄に思うがいい」

 

 リゼットは一度距離を空け、指先を虚空へ掲げる。

 すると一瞬で数千の光の剣が出現し、一斉にクウラへ殺到した。

 傷付いたメタルの身体に容赦なく剣が命中するが、それでもクウラの脳には届かない。

 強固な装甲と再生能力に阻まれてしまう。

 それでも確実にダメージは入っているが、頭部だけはクウラもしっかり守る。

 ならばとリゼットはボールを掴むように両手を胸の前に翳し、破壊のエネルギーを集約させた。

 

「俺の究極の変身を見られるのは」

 

 防御の姿勢を崩さないクウラに、リゼットが放った破壊玉が襲い掛かった。

 触れれば万物を分解する破壊の御業。

 だがそれが当たる直前にクウラの気が爆発的に高まり、彼を守る壁となってしまう。

 それでも破壊玉はじりじりと進んでいくが、クウラの気が高まるのを止められない。

 

「お前が最初で最後だぁーーーッ!!」

 

 クウラの全身から白い光が放たれた。

 身体が膨張し、肩部はアーマーのように変形していく。

 腕や足には鋭い突起物が生え、頭部は四本の角が生えた。 

 両目は真紅に輝き、全身の傷が一瞬で修復されてしまう。

 黄金の体表が剥がれ落ち、その下からは本来のメタルクウラと同じ銀……いや、より眩さを増した白金(プラチナ)色の装甲が全貌を現した。

 変身を終えたクウラは片手を突き出すと破壊玉を掴み、そのままゆっくりと力を込めていく。

 すると破壊玉は徐々に小さくなり……やがて、握り潰されてしまった。

 

「……あ」

 

 リゼットは一瞬、今の情けない声を発したのが誰か分からなかった。

 遅れて自らの喉から出たものであると自覚し、弱気になっている自分に気が付く。

 これだったのだ。

 ビッグ・ゲテスターに来る前からずっと感じていた不安。そして恐怖。

 それが今、現実となって目の前にいる。

 すぐに弱気な自らを律して正面からクウラを見据え、覚悟を決める。

 後の事は悟空に託した。彼がいればきっと、自分が戦えなくなっても後は何とかしてくれる。

 だからこそ、このクウラだけはここで自分が何としても仕留めなくてはならない。

 

 故にリゼットは――この戦いで自らが死を迎える事を覚悟した。

 

「さあ、始め……いや……」

 

 ――決着(おわ)らせようか!

 クウラがそう叫ぶと同時にマスク状の外殻が口元を覆い、それが第二ラウンドのゴングとなった。




【戦闘力】
・プラチナメタルクウラ:300兆~???

遂に姿を見せたクウラの真の最終形態。
以前の最終形態を第五形態とするならメタル(第六)、ゴールデン(第七)、ゴールデンメタル(第八)ときて第九形態とでも呼ぶべき姿。
究極の究を取って第究形態とか呼ぶとちょっと厨二っぽくてダサ格好いい。
フィジカルと気で完全にリゼットを凌駕している上に全身メタルなので人体急所も痛覚もない。
当然鞭打など無効。
ただ一人を殺すためだけに強さと憎悪以外の全てを捨てた男が辿り着いた境地。
ブラックにする事も考えたが、それをやると(メタ的には)フリーザの後追いになってしまうので独自進化へ路線変更。
このSS世界ではフリーザはゴールデン止まりなので後追いにはならないかもしれないが、やはり別の進化をさせたかった。
フリーザが超サイヤ人を意識した結果ゴールデンになったように、クウラはリゼットを意識するならプラチナに到達してええやろ、と思った結果プラチナメタルクウラになった。

・リゼット(ゼノバースⅡ):128兆
身勝手の極意『戒』を発動したリゼット最新形態。
かつて暴走してしまった時の力をこれで完全に身に着けた事になる。
身勝手の極意は回避能力のみに極振りしており、戦闘力上昇効果はない。
単体でありながら(普通の)超サイヤ人ブルーベジットやゴジータにも比肩し得る戦闘力。
しかし相手より先に進化を見せるという特大のフラグを踏んでしまった。
もしこの作品がブリーチの二次創作だったらその時点で負け確定である。

ところでこれでリゼットはゼノバースフルパワー+身勝手という『暴走した時の自分』というゴールに至ってしまったので、ここから先は暴走時の自分を越えて行く未知の領域への挑戦になる。
この先は身勝手の極意や我儘の極意のような独自の強みを手に入れないと厳しいかもしれない。
しかし「人造人間編の頃の自分にようやく追いついた」と書くと凄くしょっぱく見えてしまう。
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