ドラゴンボールad astra 作:マジカル☆さくやちゃんスター
※ただ他の宇宙に助けを求めただけなのに感想欄で有能扱いされて困惑中のフワさん。
界王神への期待値のハードルが……低い……!
謎の敵集団による第6宇宙壊滅……この恐るべき報は衝撃をもって全宇宙の神々へと伝えられた。
界王神達はこの報を聞いてすぐに各々の宇宙が誇る最強の戦士達へと招集命令をかけ、第7宇宙もまた界王による念話が悟空へと届いていた。
悟空は対メタルクウラに備えて神殿で仲間達とトレーニングに励んでいた最中だったが、界王からの念話となれば無視するわけにもいかないので一時修行を中断した。
ちなみにトランクスとセル、バーダックはまだこの時代に残っている。
クウラはこの時代の存在なのでタイムパトロールとして手出し出来ないが、それはそれとして悟空達と修行するいい機会なので残留しているらしい。
現在はベジータがトランクスに完成ブルーを教えている最中だ。
『悟空よ、聞こえるか? 大変な事が起こってしまった。すぐにリゼットを連れてわしの所まで来てくれ。
……というかお前達は今、どこにいるのだ? 地球は何か封じられておるし、神殿はないし……。
界王神様がお前達に連絡出来ないと嘆いてわしの所に来てしまったぞ』
「ああ、実はちょっとこっちでも大変な事になっちまっててよ……今は神殿ごと宇宙を移動してんだ」
『大変な事だと?』
悟空達は現在メタルクウラとの決戦に向けて神殿ごと移動中である。
地球はリゼットによって外敵が侵入しないよう封じられ、万一に備えて残された自立気弾とゴッドガードン、タピオンと魔人ブウ……そしてピッコロが待機していた。
今や最強クラスとなったピッコロを欠いてメタルクウラの軍に挑むのは厳しいが、しかしメタルクウラ軍が地球に現れた時に安定してそれを蹴散らせるのもピッコロだけだ。
不死身かつ回復魔法を使える魔人ブウと基礎能力最強のピッコロを残しておけば、万一メタルクウラが地球に侵入しても数体程度ならば迎撃出来る。
リゼットはそう考え、あえて今回の出撃メンバーからピッコロを外した。
また、緊急時の為にダークドラゴンボールも地球に残し、何かあった時には使う許可を出している。
それから、無事潜在能力を引き出す事に成功した『彼』の存在も、心強い。
ついでに姉の方の潜在能力も引き出しておいたが、こっちはやはり『彼』ほどの伸びはない。
それでも、今の悟空の普通の超サイヤ人くらいとならばいい勝負が出来るくらいには力の上昇が出来た。
よって現在神殿にいるのはリゼットの他には悟空、ベジータ、ターレス、ミラ、四星龍、21号、ヒルデガーンの八名である。
トランクス、バーダック、そしてセルはタイムパトロールなので数には含まれていない。
『なっ、なんだとおおお!?』
「……まだ何も言ってねえじゃねえか」
『ん? そうだったか。では早く言わんか』
界王のボケに突っ込みを入れつつも悟空は現在の状況を彼に説明した。
これには今度こそ界王は驚き、何も言えないようだ。
それはそうだ。超サイヤ人ブルー以上……つまりは神の領域に踏み込んだ量産兵など聞いたことがない。
数千、あるいは数万体のヒットが襲ってくる……と言えば、どれだけ恐ろしいのか分かるだろうか。
神殿はこれからそんな相手との決戦に臨もうとしているわけで、ある意味ハーツなどよりも余程厄介な状況にあった。
『よくもまあ、地球はそう毎回毎回おかしな事になるものだ』
「それで界王様の方はどんな事になってんだ?」
『わしの方というよりは、他の宇宙なのだがな……正体不明の敵の襲撃を受けておるのだ。
既に第6宇宙が攻撃を受け、全宇宙の神にも伝えられている。
破壊神様達が全王様の宮殿に呼ばれて動けん今、お前達と第11宇宙のジレンが最も強い……ジレンは第11宇宙を離れる事は出来んが、お前達ならば数も多いし何人かは他の宇宙に回っても大丈夫だろうと思ってな。まあ、救援要請をしようとしていたわけだが……まさかそんな事になっていたとは』
「第6宇宙なら心配いらねえさ。何たってあそこにはヒットがいる」
『……そのヒットがやられたのだ』
「なっ、何だって!?」
界王の言葉に今度は悟空が言葉を失う番であった。
ヒットとは二度直接戦っているから分かる。彼に勝てる者などそうはいない。
基本的な強さは元より、殺し屋として培ってきた技術と経験、更に時を飛ばす異能まで持っている彼はまさに伝説の名に恥じない男だ。
単純な強さだけを言えば、悟空達はヒットを大きく引き離している。
界王拳20倍ブルーや、超フルパワーサイヤ人4、ベジータの到達した進化したブルー。それらの超進化は確実にヒットとの間に水を開けた。
しかし、その悟空達でも戦えば必ず勝てると断言出来ないのがヒットだ。
それが敗れるなど、にわかには信じがたい。
『カリフラ、ケール、そしてキャベもやられた。全員重傷で、今は第6宇宙の界王神界で治療を受けておる』
「だ、第6宇宙はどうなっちまったんだ?」
『……ほとんど壊滅状態だ。宇宙全体のエネルギーが著しく減ってしまっている。
かつてターレスが神精樹を地球に植えた事があっただろう。あの時と同じように……いや、それ以上の惨状が第6宇宙全ての惑星で起きていると思ってくれ』
「そ、そんなにか……?」
『全王様に消されるよりはマシと言えなくもないが……ここからの建て直しは超ドラゴンボールでも使わん限りは数億年を要するだろう』
「な、なんてこった……」
宇宙が具体的にどれだけ広いのかは悟空には分からない。
だがとんでもなく広く、多くの星と命がある事は知っている。
それを壊滅させるなど、只事ではない。
その襲撃者とやらが次にどこを狙うかは分からないが、ヒットに勝てるような連中となればほとんどの宇宙では手に負えないだろう。
第3宇宙のアニラーザや第11宇宙のプライド・トルーパーズなら勝てるかもしれないが、他はまず不可能と断じていい。
第9宇宙や第4宇宙に至ってはリゼットがゴッドミッションで生み出す光の戦士が一体いれば余裕で壊滅させてしまえる程度の戦力しかないのだ。
『お前達が大変な状況にある事は分かった。
だが悟空よ、何とかならんものか? このままでは他の宇宙が滅ぼされてしまう』
「少し待ってくれ。神様や皆と話してみる」
『うむ……すまんな、無理を言ってしまって』
「いいさ、気にすんな界王様。
……おーい皆! ちょっと聞いてくれ!」
それから悟空は皆の修行を中断させ、リゼットの前で界王から伝えられた情報を皆に話した。
リゼットは相変わらずメディカルマシーンの中に入って兵士を量産し続けているが、このままでも会話くらいなら出来るので問題ない。
悟空からヒット敗北の事実を告げられた戦士達は流石に動揺し、警戒を露わにした。
「そうですか……まさかあのヒットが……」
リゼットが動揺を表に出さないように抑えた声で言う。
ヒットの実力はリゼットから見てもかなりのレベルに達していた。
アレに勝てる者など全宇宙を見渡してもそうそう見付からないだろう。
そのヒットを倒した以上、敵の実力は力の大会上位クラス……あるいはそれ以上と見ていい。
クウラだけでも手一杯だというのに、まさかの伏兵だ。
「どうしましょうか? やはり私達の中から誰かが他の宇宙に向かうしかないのでは……」
「だがそれではクウラとの戦いに割く戦力が減るぞ」
21号はすぐに自分達のうちの誰かが他宇宙の救援に行く事を提案するも、ベジータがその問題点を指摘した。
対クウラに備えてリゼットは現在、大量の兵を量産している。
この兵士一体一体が完成ブルーの悟空を上回るだけの強さを備えているので、単純な強さを言えばミラや四星龍が抜けても数で補う事は可能だ。
今は数を優先しているので一体ごとの戦闘力は監獄惑星の時の分身より弱いが、少し時間をかければミラや四星龍と同格の自律気弾も作れない事はない……というより、既に何体か作っている。
しかしこの兵士達は分身リゼット同様に気を使えばどんどん弱体化し、最後には消えてしまうという弱点を持つ。
それがなくても、四星龍の体温上昇は単純な戦闘力では測れない強力な能力だ。
極論から言えば相手が太陽熱に耐えられないならば、たとえ戦闘力がどれだけ高かろうが倒せてしまう。
戦闘力と生存能力は全く別物であり、悟空がいくら強くなっても宇宙空間では生存出来ないのと同じように太陽熱に耐えられない生物はどれだけ強くなってもやはり耐えられないのだ。
……とはいえ、それだけ強い者ならば大抵はバリアの一つくらい張れるのでそれで耐えてしまうのだが、四星龍の能力は対格上でも通じる優秀な能力だ。出来れば外したくない。
他にも自律気弾は内包する気の量が決まっているので悟空などのように土壇場で覚醒したり強くなったりは絶対に不可能だし、界王拳で気を自分の中から引き出すなんて真似も出来ない。やったら消えてしまう。
21号と魔人ブウの不死身も再現出来ず、ミラのように時間を超える事も出来ない。
ミラの時間跳躍はやったが最後時の界王神に睨まれてしまうので本当に最後の手段だが、万一を考えると切り札は残したい。
それと忘れられがちだが、彼はトワと融合しているので当然その能力も使える。
つまりトワ同様に『凶悪化』を使う事で味方を強くできる優秀なバッファーなのだ。
また、地獄でドクターゲロによって付与された気の吸収能力も使い方次第では優れた防御役になり、相手の気を取り込む事で一気にパワーアップも見込める。
結局のところリゼットの出す気の戦士はどこまでいっても、『繰気弾の特性を備えた超強力なスーパーゴーストカミカゼアタック』でしかない。
所詮は技の一つに過ぎないのだ。万能には程遠い。
「気の兵士を他の宇宙に回す事は出来ないのか?」
「……流石にそれは遠すぎますね」
ミラの問いにリゼットは悔しそうに首を振る。
「やはり距離があると何か問題が?」
「ええ。宇宙一つを隔てた先まで自律気弾を私から離した場合に、どうなってしまうのかが分かりません。形を保てず霧散してしまう可能性もあります」
ゴッドミッションはリゼットの技である。
ほとんど自動で動いていても、分類的にはリゼットの操作する気弾のようなものだ。
故に、その感知範囲外に出てまで自在に動けるほど万能かと問われると、リゼット自身にも答えは分からない。何せ一度も試した事がないのだ。
そう、ゴッドミッションには『射程距離』という問題がある。
普段はリゼットの桁外れな感知能力により射程距離などリゼット自身を含めて誰も気にした事がないし、何より射程距離と言うには長すぎる。
宇宙全域全てカバー可能というのはほとんど射程距離無限と言っていい。
第7宇宙の中であれば、それこそリゼットは地球の神殿でお茶でも飲みながらどこにでもこの光の兵士を派遣する事が出来る。
だがその外までは未知数だ。最悪、派遣したはいいが何の役にも立たずに消滅するなんて事も有りえる。
逆に怖いのはメタルクウラが他の宇宙に出現する可能性だ。
あっちは技ではなく量産された個体である。
なのでゴッドミッションのような射程距離など存在せず、クウラがその気になればどの宇宙にも出現するだろう。
……クウラが全戦力を対リゼットに投入してくれている事を願うしかあるまい。
「それなのだがな。他の宇宙には私達が向かう事にしよう」
地球の戦士達も自律気弾も他の宇宙には出せない。
その手詰まりの状況を解決したのはセルであった。
彼の言う『私達』とはつまり、セル、トランクス、バーダックのタイムパトローラーだ。
この三人が動いてくれるならば戦力的にも状況判断力的にも申し分がない。
だが今までは動こうとしなかったのが何故突然動いたのか。
悟空達はそれが気になり、セルがそれを話すように視線で促した。
「実は今、時の界王神から通信が入ってな。
他の宇宙で暴れている連中が監獄惑星のコアエリアに囚われていた奴等だという事が分かった。
つまりはフューによってこの時代に連れて来られた、本来この時代に存在しない者達だ」
「つまりはこれもフューによる時間改変の一部として扱えるわけだ。そうなりゃあ俺達も動く事が出来る」
セルの説明を引き継ぐようにバーダックが話し、好戦的に笑った。
やはりサイヤ人として、何もせずにいるというのは彼にとって退屈で仕方なかったのだろう。
「歴史の外から現れた敵は俺達が倒すべき存在です。ここは俺達に任せてください」
最後に、短いトレーニングで超サイヤ人ブルーを完成させたトランクスが自信に満ちた声で言った。
リゼットもこの申し出を断る理由などない。
トランクス達三人ならば信じる事が出来る。頼もしい人ですよ。
だから微笑んで頷き、他の宇宙の敵は彼等に任せる事とした。
★
結論から言えば第7宇宙が救援を出すのは一手遅かった。
いや、そもそも情報が入ってからすぐに救援を出す事を決めた彼等を遅いと責めるのは酷な事なのだろう。
かといって第6宇宙の界王神であるフワや第7宇宙の界王神であるシンの動きが遅かったわけではない。
フワはヒットが敗れてすぐに他の宇宙へ警報を飛ばしたし、シンもそれを受けてすぐに界王星へ飛んで悟空へ念話を飛ばして貰った。
彼らの行動は考え得る限りの
ならばこの場合は遅かったというよりは敵が早かったと言うべきか。
第6宇宙が襲撃を受けていたその時点で既に、他の宇宙にも魔の手が伸びていた……ただそれだけの事でしかないのだ。
「つまらん……これが筋肉の宇宙か? まるで見掛け倒しだ……」
「マッチョな宇宙、よカンバー。酷い名前よね」
「どちらでもいい。名前の割に何だ、この手応えのない連中は……俺が戦うにまるで値せん」
第10宇宙のとある惑星では、力の大会に出場した第10宇宙最強の戦士達が倒れ伏していた。
その前に立つのはコアエリアの戦士であるカンバーとラグスの二人だ。
強敵との戦いを求めるカンバーはそれぞれの宇宙の二つ名を聞き、第10宇宙を名前から最も強そうだと判断して襲撃をかけた。
だが実際に戦ってみれば少しはマシと言えるのは第10宇宙最強の戦士であったオブニ一人だけ。
後は揃いも揃ってカンバーが少し撫でれば吹いて飛ぶような弱者のみ……これでは超サイヤ人になるまでもない。
「けれど宇宙の種の養分にはなるわ。とりあえず一度ハーツと合流するわよ。
この分だとそろそろ第6宇宙の方も終わってるだろうし……それに第9宇宙も片付いている頃でしょう」
不満そうなカンバーとは逆にラグスはどうでもよさそうな態度を取っていた。
別に戦闘狂というわけではない彼女にしてみれば相手の強さなどどうでもいいし、楽に終わるならそれに越したことはない。
ラグスから見て今回の戦いは強い筋肉達磨が弱い筋肉達磨をボコボコにして不満を漏らしているといった程度のものでしかないのだ。
「何と醜い宇宙だ……悪がのさばり、まるで掃き溜めではないか」
第9宇宙も第10宇宙同様に力の大会に出場した、この宇宙最強の戦士達が敗れていた。
それを見下ろし、侮蔑の言葉を吐いているのは白い男だ。
全体的なシルエットは地球人に近いが、髪のように見える部分はよく見るとイカの足のようになっている。
顔立ちはセルに近く、異形ではあるが端正な面持ちだ。
瞳の色は赤く、鋭いその瞳からは揺らがぬ決意と信念を感じさせた。
上半身は服を着ていないが、クウラ最終形態のように身体がアーマー状になっているので半裸というイメージは抱かせない。
注目すべきはその左胸で、そこには第7宇宙の銀河パトロールの証であるマークが刻まれていた。
下は黒いズボンを履き、ベルトからは赤い布が垂れている。
その男は手にした棍で地面を叩き、冷たい口調で話す。
「やはり宇宙は一度ゼロに戻し、創り直さねばならん……この第9宇宙のような薄汚れた宇宙とは違う、悪人の存在しない善人のみの宇宙を……」
男は憂うように目を伏せ、しばらく沈黙した。
それから少し経って顔をあげ、ハーツと合流するべく歩み始めた。
「力が必要だ。あの白の女神のような、全ての悪人を消し去ってしまえる絶対的な力が……。
そうだ、私はあの日に理想の体現を目にした……存在するならば、創る事は出来る……!」
彼の目にはもう、第9宇宙は見えていない。
その瞳にはただ、己の理想しか映っていなかった。
モロ編、宇宙争乱編(監獄惑星編)、復活の「C」編に加えてワールドミッション編も参戦!
【シーラス】
最後に登場したイカ頭の男。
ドラゴンボールヒーローズ・ワールドミッションのラスボス。
初代タイムパトローラーで、元々は善人だったのだが救える命を救えない(歴史に不用意に干渉できない)タイムパトローラーの任務の中で次第に歪んでいき、悪の存在しない善人だけの宇宙を創造する事を夢見始める。
その野心が遂に暴走して始まりと終わりの書を燃やそうとしたが、時の界王神によって時の狭間に追放されてしまった。クロノアさんぐう有能。
このSSでは合体ザマスが出演出来ないので、その穴埋めとしてコアエリアの戦士に参加して貰った。
多分フューのアホが時の狭間から拉致っていたのだろう。
単純な戦闘力は超サイヤ人のトランクスを一蹴するレベルだが、ロゼのブラックからは『自分より弱い』と断言され、シーラスもそれを否定せず自分が非力である事を認めた。
その事から彼自身の強さはブルーの悟空未満と思われる。
しかし無駄に自信満々なオレンやカミンと違って己の非力を自覚しており、頭もいいのでそれを埋める為にAI生命体を作ったりする。
ちなみにこのSSでのシーラスの最終目標はヒーローズ本編とは違う。
暴走リゼット「第7宇宙全域対象悪人の悪の心だけ問答無用で消し去って善人だけの宇宙へ変える識別破壊アターック!」
巻物閲覧中のシーラス「こ、これだ……! これこそ私の望む到達点……!」
時の界王神(アカン)
【崩壊する地球(第6)で気絶してたヒット達はどうやって助かった?】
前回宇宙の種のエネルギー吸収のせいで気絶してたロタが崩壊前に目覚めて全員を拾い、ギリギリで脱出。その後連絡を終えたフワが瞬間移動で駆け付けて全員を界王神界へ避難させた事でかろうじて助かった。
ロタは今度こそ何故ドクターと呼ばれているか教えようとしたが、誰も話を聞いてくれなかった。