9000人超と女子大では全国最多の学生数を誇る武庫川女子大(兵庫県西宮市)が令和9年度に大学を共学化する方針を示し、賛否を呼んでいる。昭和24年の開学以来、関西では「むこじょ」として親しまれてきた名門女子大の突然の方針転換。6月17日の発表以降、大学側には在学生や卒業生らからの問い合わせや意見が殺到し、共学化に反対するオンライン署名は5万を超えた。
女性に限らず門戸を開くべき
「説明不足だ」「なぜ2年後なのか」
大学を運営する武庫川学院がホームページ(HP)上で共学化の方針を公表した6月17日以降、大学側には意見や問い合わせが殺到した。
共学化の理由について、同法人は18歳以下の人口減少や、女子進学率が50%を超え、女子大としての役割を果たしたとし「女性に限らず門戸を開くべきと考え、かじを切った」としている。名称は「武庫川大学」に変更し、付属中高は女子校の体制を継続する。詳細は7月28日の理事会で正式決定する方針だ。
ただ、突然の発表に混乱が広がった。大学側は7月8日、「多方面からさまざまなご意見をいただいている」とし、共学化方針の経緯についてQ&A方式でHPに掲載。
最も多かったのは「現1年生が卒業するまで共学化を待つべきだ」という意見だとし、「4年後に今の状態が維持できる保証はない。運営上の余力があるうちに共学化する道が最善と判断した」と強調した。
「実質、女子大としての環境を維持」
また、必要に応じて女性専用スペースなどを整備し「卒業するまで実質、女子大としての環境を維持できるよう最大限配慮する」と説明。在学生の不安払拭に努めるとした。
共学化を巡る在学生の意見はさまざまだ。
社会情報学部2年の女子学生(19)は「大学名が変わるのが就職活動の時期と重なるので、不利にならないか心配。タイミングが悪すぎる」と「むこじょブランド」が失われることを嘆く。食物栄養科学部4年の女子学生(21)は「女子大がよいと思って入学した子もいる。共学化は今の1年生が卒業してからのほうがいいのでは」と話した。
一方で冷静に受け止める意見も目立った。教育学部2年の女子学生(19)は「保育士になりたくて大学を選んだ。もともと女子大にこだわりはない」。生活環境学部1年の女子学生(18)は「世の中の流れでいつか共学化すると思っていた」と話した。
大学院はすでに共学化
6月17日に立ち上がった署名サイト「Change.org」では共学化の反対と一時停止を求めた署名活動がスタート。主宰者によると約5万人の賛同を集め、大学側に署名簿を郵送したという。
同大は、昭和24年に開学。看護や薬、教育、建築、経営など13学部があり、5月1日現在の学生数は9635人と女子大では学部学科数ともに全国最大規模を誇る。大学院は平成元年から共学化している。
女子大を巡っては少子化などを背景に男女共学への転換が相次ぎ、名古屋葵大(名古屋市)や神戸松蔭大(神戸市)も今春に共学化。定員割れが続いていた京都ノートルダム女子大(京都市)を運営する学校法人は4月、令和8年度以降の募集を停止すると発表した。(浦柚月)