1年ごとに部長交代
18日開幕のセンバツに出場する滋賀短大付。春夏通じて初めて聖地に立つチームはさまざまな人の指導や協力に支えられている。
保木淳監督(39)とともに毎日の練習で指導に当たるのが、ともに同校教諭の平野桂一郎部長(34)と水野駿コーチ(36)だ。
役割分担が機能
同校は新入部員が入ると、平野さんと水野さんが1年ごとに交代でその学年の中心的な指導を担当し、その代が最上級生となると部長を担う。現在の3年生が主力だった昨夏までは水野さんが部長で、森伸文(しんや)主将(2年)率いる現在のチームは平野さんが部長。平野さんは「他校ではあまりないシステムだが、入部時から選手と密に接し、よりきめ細かい指導ができる。指導方針も保木監督に一任されるのでやりがいもある」と説明する。
チーム全体練習でも役割を分担する。平野さんは主に外野守備と打撃を担当し、水野さんは内野守備と投手を担当する。
平野さんが指導で心がけているのは、選手と一緒に考えることだ。自身の打撃理論はあるが、「それがどの選手にも当てはまるかはわからないし、アプローチの方法も違う。論理的な説明が合う選手、体の感覚を優先する選手、私も迷いながら選手に伝えていきたい」と選手の反応を大切にする。会話を重視し、時に冗談も飛ばしながら指導する姿が印象的だ。
京都の府立高出身で大阪電気通信大まで野球を続けたが、高校で痛めた右肩の影響で「今もほとんど投げられない」。思うようなプレーができず「腐っていた時期もあった」と振り返るが、今はその経験がさまざまな悩みを抱える選手に寄り添う糧となっている。
平日のメイン練習場となる、から池グラウンド(大津市瀬田大江町)では、水野さんのノックがポジション問わず全選手を鍛えている。グラウンドを端から端まで走る名物練習「アメリカンノック」では、「取れなさそうで、でも頑張れば取れる」絶妙なノックを放ち、球際に強い堅守の礎を築いてきた。
水野さんは京都市の公立高を卒業後、「体の動きや仕組みに興味があった」とトレーナーを目指して専門学校に進学。その後、鹿屋体育大(鹿児島)に編入して教員免許を取り、京都市の高校を経て滋賀短大付に赴任した。
先進的なトレーニング方法への関心が高く、試合や研修で知り合った指導者らと意見を交換して積極的にチームに取り入れるほか、部員の多くが所属するスポーツ健康コースの教諭として、スポーツを通じた地域活性化にも力を注ぐ。保木監督が学校の進路指導主任となって監督を離れた18年秋からの2年間は監督も務めたが、「前に出るのは苦手。裏方として面白いことを考えていくのが性に合っている」と話す。
監督含めて30代
保木監督も含め、いずれも30代の指導者に対し、選手からは「兄貴分みたいで相談しやすい」との声があがる。選手たちは精神的な距離の近い指導者によって力をつけてきた。【礒野健一】
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滋賀短大付の選手に打撃指導する平野桂一郎さん(左)=大津市御陵町のマイネットスタジアム皇子山で2025年3月4日、礒野健一撮影