「バス高速輸送システム」を広めた象徴的存在!! インフラ交通のあり方を変えたJR気仙沼線BRT
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近頃は各地で見られるバス高速輸送システム=BRT。同様の概念を持つバス輸送は1950年代に登場したが、「BRT」という用語が広く知られるようになったのは、2010年代前半に思える。 【画像ギャラリー】JR気仙沼線BRTのユニークなバス旅体験(17枚) 文・写真:中山修一 (バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、JR気仙沼線BRTの現地撮影写真があります)
■少し速く、割とキレイにつながるバス
2010年代前半、東日本エリアを中心に数カ所で、BRT(Bus Rapid Transit)の概念を盛り込んだ公共交通機関が営業を始めた。 BRTと普通の路線バスとで何が違うのか。大まかに言えば、普通の路線バスに比べると少し速く、運行ダイヤにより忠実。 さらに始点/終点で他の公共交通機関へのスムーズな乗り継ぎをある程度考慮しているものが、「BRT」の枠組みに入る。車両の見た目は一般的な路線バスとほぼ同じだ。
■困難を乗り越えて生まれたBRT
前述の数カ所で開業したBRTの一つが、JR気仙沼線のBRTだ。気仙沼線はもともと、宮城県石巻市にあるJR石巻線の前谷地駅から分岐して、同県気仙沼市の気仙沼駅までの間およそ72.8kmを結ぶ、非電化の鉄道線だった。 気仙沼線は2011年3月の東日本大震災で、柳津〜気仙沼間の線路が被災し不通となった。復旧にあたって、被災したJR線の全区間を合わせて1,000億円程度の費用がかかる(東北復興新聞2012年5月14日号より)とされた。 ところが、JR東日本は全体で見れば黒字企業のため、国からの補填が一切受けられないルールに該当してしまい、復旧費用は100%自社負担であった。 気仙沼線は利用者の少ない赤字路線と言われ、鉄道線を復旧させるには極めて難しい課題のクリアに加え長い時間を伴う……かといってそのままでは現地の交通機関がいつまで経っても落ち着かない。 そこでJR東日本は、鉄道のインフラを利用して専用道路を作り、鉄道時代と変わらない、もしくはそれ以上の利便性を持ったバス輸送:BRTを走らせ、鉄道の仮復旧という名目で将来の方針を打ち出し、合意に至った。