“風船爆弾”や“偽札”…大学のキャンパスに残る“軍事研究の記憶” 陸軍秘密戦の兵器開発した登戸研究所【戦後80年】
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FNNプライムオンライン
2025年は戦後80年。 神奈川・川崎市にある大学の構内に、かつて極秘の軍事研究所が存在していました。 静かなキャンパスは、今も学生たちに戦争の記憶を語り続けています。 明治大学・生田キャンパス。 その一角に、旧陸軍の極秘軍事施設「登戸研究所」の建物が残されています。 現在は、戦争の記憶を伝える資料館として保存されています。 明治大学平和教育登戸研究所資料館館長 文学部教授・山田朗さん: (Q.登戸研究所とは?)陸軍の秘密戦のための兵器を開発するという非常に特殊な研究施設だった。 秘密戦とは、スパイ活動などの隠密な戦い。 登戸研究所では、そうした戦いに使われる兵器の研究・開発が行われていました。 中でも異彩を放ったのが風船爆弾。 直径約10メートルの風船に水素ガスをじゅうてんし、偏西風に乗せて飛ばす兵器。 製造には、全国100の女学校の生徒たちが動員され、約1000発がアメリカ本土に到達したといいます。 当時の文書や証言をもとに描かれたアニメも見ることができます。 登戸研究所では偽札も印刷。 明治大学平和教育登戸研究所資料館館長 文学部教授・山田朗さん: (Q.偽札の精巧さは?)香港とビルマ(現:ミャンマー)のラングーン(現:ヤンゴン)にあった工場を日本軍が占領して、そこにあった印刷機やお札の原版など、登戸研究所に持ってきて印刷したから限りなく本物。 キャンパスには、戦争の爪痕が今も残されています。 薬品を保管したとされる倉庫跡。 そして、動物慰霊碑。 生物兵器の研究も行われ、動物が実験に使われました。 大学の一角に残された戦争の記憶。 学生たちは何を感じ、何を学ぶのでしょうか。 大学生からは、「戦時中こうしたものが作られたことは知らなかった」との声が聞かれました。 明治大学平和教育登戸研究所資料館館長 文学部教授・山田朗さんは、「学生が勉強している同じ場所で、かつて戦争研究が行われていた。戦争の実態をきちんと伝える。そこが一番大事なこと」と話します。 戦争と平和のはざまに立つこの場所で、若者たちは過去と向き合い、未来への答えを探し続けます。
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