就職氷河期の40~50代が参政に投票 国民民主は20代 出口調査
今回の参院選で伸長した参政党や国民民主党に、比例区で投票したのは、どんな人が多かったか。朝日新聞社が7月20日に実施した出口調査で分析して浮かび上がったのは――。
とりわけ急伸した参政に投票した人をみると性別では男性が60%、年代別では40代、50代が厚く、それぞれ21%だった。いわゆる「就職氷河期世代」の男性が多かったようだ。
それより上の年代からの人気は比較的、薄かった。全投票者と参政投票者との年代別割合を比較すると、参政投票者は10~50代の各世代で、全投票者の割合を上回ったが、60代は全投票者が16%だったのに対し参政投票者では13%、70代は17%に対し7%、80歳以上は9%に対し2%だった。
投票の際、SNSや動画サイトの情報を重視したかどうかでは参政投票者で「重視した」と答えた割合は73%で日本保守党(69%)やれいわ新選組(63%)などを上回り、政党別ではトップだった。
国民は20代が最多
国民民主に投票した人をみると、性別では男性59%と参政とほぼ同じだった。年代別では20代が最も多い21%で、次いで40代、50代の各18%、30代の17%だった。SNS情報を「重視した」のは57%で、参政や日本保守などを下回った。
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- 【視点】
私自身はまさにこの世代(40~50代)にあたります。 「就職氷河期世代」とも言われるこの年齢層は、閉塞感が漂う日本社会で、これまでも「何か変えてくれそうな」雰囲気をつかもうと、維新などを含めて新しい勢力に投票してきたのかもしれません。「この現状を打破してくれる」、そんな期待感が今回、参政党に流れたのだと推察します。 しかし、不満の鬱積が排外主義や女性差別に繋がる動きは避けねばなりません。 同年代の男性たちが参政党を支持したという数値を見ると、日本経済が右肩上がりで「男はこうであらなければならない」と子どものときに育てられた世代が、自信を喪失するなかで、再びその栄光を取り戻そうと、何かにすがりついているようにも見えてきます。本当にそれでよいのか。 メディアは今後、参政党を含めた動きを詳細に報道することが必要でしょう。そして、「就職氷河期世代」の不満をどう解消していくのか、その政策が政府に求められているように思われます。
…続きを読む - 【視点】
参政党は他党にはない強さがあります。この一晩、彼らの今回の躍進の理由を考えていたのですが、 ・論理的一貫性やポリコレ的配慮といった複雑な思考にコストをかけたくない層 ・それらの思考スキームを当然の前提としてものを言う旧来のメディアやインテリ識者の言説に縁遠さを感じる層 ・そういう「難しさ」自体に漠然とした嫌悪や忌避感を覚える層 言い換えれば、国民のなかにおける「うっすらと非知性・反知性的なマインド」を持つ現役世代層に刺さったと思われるためです。当然、多くは無党派層でもあります。 ▪️ これは、わかりやすく言い換えれば「ジャーナリズムやアカデミズムのお客ではない層」です。具体的に言えば、新聞各紙や論壇誌、NHKの「映像の世紀」や「日曜討論」、大手出版社の新書本や文庫本などを積極的に消費する習慣を持たない、現役世代の人たちです。 そういう人たちの思考は、大手マスコミ社員や、コメントプラスのコメンテーターや、朝日新聞デジタルの課金読者の目線からは、見えない/本質的には理解し得ないはずです。しかし、現実の日本社会では、現役世代の大卒ホワイトカラーを含む多数の"普通の国民"に該当します。 仮の事例ですが、小学校教師、派出所の巡査、大手飲食チェーン店長、結婚相談所社員、不動産営業担当者、ITエンジニア、看護師、大学事務職員、テレビ番組制作会社社員、介護ケアマネージャー、カフェ経営者…などのごく普通の職につく35歳社会人が、それに該当しても、まったく不思議ではありません。 いずれも旧来メディアと識者たちの言説に触れたがらないだけの、ごく普通の社会人です。仕事や家庭生活が忙しくて暮らしは大変ですが、善良な人も多々いるはずです。 ▪️ 参政党が支持を集めた理由は、よく言われる「外国人排斥」自体を第一の目的にするものでは必ずしもないと思えます。それ以上に、上記のような人たちから「わかりやすい」「自分たちに向け発信している」とみなされたためだったのではないでしょうか。 ごく普通の人が、近年急速に一般人にも可視化された社会の衰退と生活苦に違和感を覚えている。それに並行して進む国際化--日本の地位低下による外国資本の影響力拡大や、少子高齢化よる人手不足を埋めるための外国人労働者の増大、体感治安も悪化に不安を覚えている。 だが、それらがなぜ起きているのかはよくわからない。でも問題は目の前で発生していて、日本は確かに「おかしく」なっている。困った。 そうした違和感や不安について、「なんか不安をわかってくれたっぽくて、なんか解決してくれそう的な感じ?」を提示した存在が、参政党だったということなのではないでしょうか? その情報がSNSやYouTubeで入ってきやすいこともあったでしょう。 参政党の主張が矛盾に満ち、党員や支持者が一貫性のない言動をしていても(参政党は小麦を嫌うのに、支持しているラーメン店主ですとか)、そこは大きな問題は無いわけです。 ▪️ 今回の参院選の選挙期間中、世間の真面目なマスコミは、従来の選挙報道不文律を破ってでも、かなり徹底した参政党の批判や言説のファクトチェックを行ってきました。SNSでも、インテリ層の識者とそのフォロワーは政治的立場を問わず参政党の批判一色でした。果てはロシアの工作説まで飛び出しました。 しかし、結果は東京都選挙区で参政党候補が開票即当確を決め、比例全国区でも14議席を獲得しました。参政党に投票した人たちに、かまびすしい報道や主張の中身は全く届いてなかったということです。 また、参政党の躍進は、自民党のポピュリズム路線の放棄、公明党や共産・立民などの支持者高齢化、国民民主の自爆…など、旧来政党の弱体化や失策で現役世代の無党派層が行き場失ったことも理由かと思います。 いわば、日本の現役世代の普通の人に、旧来のメディアや知識人の言説や、旧来の政党の主張がいよいよ届かなくなった結果としてもたらされた現象なのでしょう。 時代の転換です。むろん、転換された先の時代が、望ましいものとは決して思えないのですが。
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