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参院選2025

第27回参院選は7月3日公示・20日投開票。関連するニュースを特集します。

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参政党はこれから「日本人」をどう定義するのか 雨宮処凛氏の考察

作家の雨宮処凛さん=東京都千代田区で2024年4月15日、手塚耕一郎撮影
作家の雨宮処凛さん=東京都千代田区で2024年4月15日、手塚耕一郎撮影

 参院選では「日本人ファースト」「行き過ぎた外国人受け入れに反対」などを掲げた参政党が躍進した。参政党の支持者には、初めて政治に関心を持った若年層が多かったことが指摘されている。参政党はなぜ、支持されたのか。作家の雨宮処凛さんに聞いた。【オピニオン編集部/小国綾子】

元経済大国だったプライドが

 今回の選挙結果に「日本人のプライドはこんなにも傷ついていたのか」と感じました。物価上昇で生活は苦しくなり、スーパーマーケットの棚から主食の米が消えたりもして、人々は不安の渦中にありました。

 一方、コロナ禍で閉じていた国境が開いてからは外国人観光客が増え、日本人には手が出ないような高価なものを「安い、安い」と大喜びで買っていく。ホテル代はうなぎ登り。人々は、経済大国だったはずの日本が実は急激に貧しく弱くなっている事実を、日々突きつけられています。

 私はこの約1カ月半で、社会の空気が急激に変わったと感じました。参政党が「日本人ファースト」を掲げ、「外国人」にターゲットを定めた途端、人々は反射的にそれに飛びついたように見えました。まるで「ああ、やっと俺らのホンモノの敵が見つかった!」とばかりに。ずっと抱えてきた不安やモヤモヤの理由を言い当ててもらえた喜びや高揚感すらも、私は参政党支持者に感じました。

不安の渦中に「日本人ファースト」

 世界に目を向ければ、中国の脅威、台湾有事、そしてウクライナにガザ……。不安が募る中、米国からは、移民取り締まりに抗議するデモに州兵が派遣されたニュースが。交流サイト(SNS)に流れる、「燃やされる車」や「暴徒化したデモ隊」の動画は、「外国人を野放図に入れたらこんなに大変なことになるぞ!」と人々をたきつけました。

 SNSには、外国人観光客のマナーの悪さを問題視するような、真偽不明の動画が常に拡散され、私たちの目に入らない日はありません。6月には、東京都板橋区のマンションの賃料が中国系オーナー企業によって突然2・5倍に引き上げられ、住民が立ち退きを迫られた件がテレビや新聞などで広く報道されました。

 「いったい日本はどうなるんだろう」。人々がそんな…

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