小学生の頃、先生によくこう言われていた。
「あなたは見えづらいから、人の3倍努力しなきゃいけないのよ」と。
当時は、その意味がよくわからなかった。
地域の普通の小学校に通い、みんなと同じように勉強していた。中学受験塾にも通わせてもらっていて、決して勉強ができないわけではなかった。だから、自分の能力をどこか過信していたのかもしれない。
でも、大学生になった今なら、あの言葉の意味がよくわかる。
先生が前で「はい、前の教科書のこのページ見て〜」なんて言ったとき、自分は毎回スマホを取り出して、カメラで写して確認する。それでも見えづらいときは、隣の人に事情を説明してページを聞いたりする。そんな毎日だ。
思い返せば、中学・高校では盲学校で過ごしていたから、あの言葉のことなんてすっかり忘れていた。
配慮してもらうのが当たり前で、「教科書の何ページを見てね」と自然に伝えてくれる先生ばかりだった。そんな環境だったからこそ、努力しないといけないなんて意識すら持たなくなっていたのかもしれない。
自分でもうまく言葉にできないもやもやがあって、ずっと考えこんでいた。
ある友達が、それに気づいたかのように、こんなふうに言ってくれた。
「俺さ、今まで障害のある人と関わったことがなかったんだ。でも、シュラインに出会ってから見え方が変わった。最初は、目がグレーがかっててびっくりした。でも、それだけじゃない。工夫すれば、一緒にどうにかできるって知った。俺は大学に来て、初めてそういう経験ができた。だからこそ、君がここにいる意味はすごく大きいよ」
その言葉に、すごく救われた。
強く、生きよう。