ドラゴンボールad astra   作:マジカル☆さくやちゃんスター

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第12話 ゴジータVSカンバー

『二人共……いえ、ゴジータ。気を付けて下さい。ブルーでのフュージョンは多分三十分も持続しません。

もって十分……いえ、五分しか続かないものと思って下さい』

 

 大猿と化したカンバーを相手に戦いに入ろうとしていたゴジータへ、リゼットからの忠告が飛んだ。

 ゴジータはこれに意外そうに目を丸くする。

 フュージョンは三十分持続するというのが彼の中の大前提であったが、それはあくまで普通に合体していればの話だ。

 それは実際、滅多な事をしなければ縮まらないのだが悟空達のレベルは既にその『滅多な事』を簡単に起こせる領域にまで届いてしまっていた。

 フュージョンの合体持続時間は三十分だが、リゼットの知る限りでは超サイヤ人の形態によってその時間は変わる。

 超サイヤ人4ならば十分間。4よりも気の消耗が激しい3ならば僅か五分しか合体は続かない。

 いや、ゴテンクスの例を見る限り合体そのものは続くが超サイヤ人3は強制解除されてしまう。

 完成したブルーに変身してのフュージョンがどれだけ続くのかは前例がない故に未知数だが、そう長く続くはずがないとリゼットは考えていた。

 いかに完成させて欠点を克服したとはいえ、ブルーは元々超サイヤ人3と同じかそれ以上に燃費の悪い変身だ。

 ならばもって精々十分……余裕を持つならば五分しか続かないという前提の上で戦った方がいい。

 

「どうやら遊んでいる時間は無さそうだな」

 

 リゼットの忠告を受け止め、ゴジータは遊びを捨てた。

 戦闘好きの性として、少しくらいはカンバーとの戦いを楽しみたい気持ちもあったのだが、どうやらそうも言ってられないらしい。

 この合体中にカンバーを倒せなければ、この先厳しい戦いとなるのは間違いない。

 

「悪いなカンバー。そういう事だから、さっさと終わりにしてやるぜ」

「ほざけえ!」

 

 余裕たっぷりに言うゴジータへ、大猿カンバーが巨拳を繰り出した。

 今の両者のサイズ差は人と羽虫のそれに等しい。

 カンバーの重量は今や数十トンに上り、その超重量から繰り出される攻撃は戦闘力以上の脅威を持つ。

 だが逆に、巨大化してしまったが故に隙も大きくなってしまっていた。

 ゴジータは僅かに位置をずらして拳を避け、カンバーの腕の下に隠れるようにして飛ぶ。

 腕を突き出したカンバーから見ればそこは己の腕のせいで死角となってしまい、ゴジータを見失う。

 あっという間にカンバーの胸の前まで移動したゴジータが加速を乗せたドロップキックを放った。

 するとカンバーの巨体が弾かれたように飛び、轟音を立てて地面へ倒れ込んだ。

 

「そらあっ!」

 

 そこにゴジータが追いつき、カンバーの顔を踏みつけて跳躍……両手を虚空へ掲げた。

 そして振り下ろすと、気功波がまるで流星雨のようにカンバーへと降り注ぐ。

 普段ならば敵の動きを牽制する為の弾幕も、カンバーの巨体ならばそのまま全て被弾してしまう。

 カンバーの頭に、顔に。首に、胸に、肩に、腹に、足に、腕に、次々と気功波が炸裂した。

 その気功波の中に紛れてゴジータ自身も砲弾のように急降下し、カンバーの腹へ踏みつけを行った。

 

「ぐっおおおお!?」

 

 するとカンバーが地面に埋没し、頑丈な監獄惑星の大地が砕けていく。

 それでもカンバーは大猿ならではのタフさで動き、ゴジータを腕の中へ捕えた。

 だが握り潰そうと力を込めるも、ゴジータは笑みを崩さない。

 額や腕に血管が浮かび、全身に力を込める。

 するとカンバーの拳が内側から強引に押し開けられ、脱出されてしまった。

 そればかりかゴジータは素早くカンバーの指を掴み、力任せに投げ飛ばす。

 

「そうりゃあ!」

 

 半円を描くようにしてカンバーを大地へ叩き付け、今度は反対側へ。

 再び半円を描き、カンバーを痛烈に投げ飛ばした。

 まだ終わらない。倒れているカンバーの顔の前へ飛び、顎に足を引っかけてサマーソルトキックで宙へ蹴り飛ばす。

 飛んでいくカンバー目掛けて、まるで重力が反転したようにゴジータが空へ落ちた(・・・)

 足を空へ向けた姿勢で飛び、横回転。人間ドリルと化してカンバーの背中へ突き刺さる。

 

「ぐあっ、が、ごっ、おおおお!?」

 

 カンバーの口から鮮血が溢れ、胸からゴジータが飛び出した。

 大猿の背中から胸にかけて貫いてみせたゴジータは空中で上下反転して体勢を戻し、気弾を投げる。

 それはカンバーの空洞となった胸に炸裂し、傷口をますます広げた。

 だがこの程度でカンバーは死なない。

 大口を開けて口から破壊光線を放つ。

 だがゴジータはその破壊の極光をあろう事か受け止め、勢いに逆らう事なく回転――遠心力を乗せてカンバーへと投げ返した。

 

「ぐあああああっ!?」

 

 自らの破壊光線を浴びてしまったカンバーが絶叫し、地面へ墜落した。

 ゴジータは追撃をかけるべくカンバーを追い、カンバーも負けじと口から気弾を弾幕として発射した。

 それを前にゴジータは一切速度を落とさずに両手を身体にピタリと付けてスナップロールし、弾幕の中を突っ切った。

 地面に不時着したカンバーがゴジータを叩き落すべく拳を繰り出す。

 だが大雑把な拳打では互いのサイズ差もあってゴジータには当たらない。

 ゴジータはカンバーの拳打を避けて腕に乗り、更にそこを足場にして疾走した。

 瞬く間にカンバーの顔の前まで来たゴジータを潰すべく、カンバーはもう片方の手で己の腕を叩いた。

 それは腕に止まった蚊を潰すような動作であったが、しかし蚊というのは案外危機を察知して避けてしまうものだ。

 ましてや今腕に乗っているのは最強の合体戦士である。

 ゴジータは振り下ろされたカンバーの指と指の間に立ち、腕を組んでいた。

 彼はカンバーと目が合うと口の端を吊り上げ、指を立てて「チッチ」と舌を鳴らす。

 それからカンバーの側面へ瞬間移動して回し蹴りを放ち、カンバーの横面を思い切り蹴り飛ばした。

 

「はああああっ!」

 

 飛んでいくカンバーへ一瞬で追いつき、今度は腹へ拳をめり込ませる。

 そのまま浮上。カンバーごと空へ飛び、無防備な大猿の腹へ拳のラッシュを叩き込んだ。

 

「だありゃりゃりゃりゃりゃりゃあああああ!」

「ぐおっ、ごっ! がは、ぐおっ!」

 

 端から見ればカンバーが一人で宙に浮き、呻いているようにしか見えないだろう。

 両者の間にはそれだけのサイズ差があり、しかし小人の拳の一発一発がカンバーを打ちのめした。

 肋骨がへし折れ、筋肉を貫かれ、そのダメージは臓腑にまで届く。

 一発殴るごとにカンバーが浮上し、やがて鎖の付近まで来たところでゴジータがカンバーの上へ瞬間移動し、思い切り蹴り落とした。

 

「うああああああああーーーッ!!」

 

 カンバーが悲鳴をあげて落下し、何度目かも分からない轟音と振動が監獄惑星を襲った。

 だがカンバーはまだ倒れていない。

 落下の寸前に何とか姿勢を戻し、両の足で着地する事に成功している。

 しかしそれすらゴジータは織り込み済みだ。真正面からカンバーに飛び込み、カンバーも拳で迎え撃つ。

 一瞬の交差――ゴジータがカンバーの巨拳を搔い潜り、顔面に一撃を叩き込んだ。

 

「ぐああああっ!!」

 

 カンバーが吹き飛び、ゴジータがその後を追う。

 途中でゴジータの全身の気がバーニアのように噴き出して加速し、更にもう一発!

 

「ぐおあ!」

 

 カンバーが益々速度を上げて吹き飛び、ゴジータが尚も加速して追いついてもう一撃!

 監獄惑星の大地をカンバーが飛び続け、進行途中にあった山に衝突して砕いてしまう。

 錐もみ回転しながら吹き飛ぶカンバーだが、彼の闘争心はまだ尽きていない。

 無理矢理姿勢を戻し、地面に足を付けて減速……飛び込んできたゴジータへカウンターの右ストレートを放った。

 だがゴジータの姿が消え、次の瞬間には両手に気弾を生成したゴジータが頭上から飛び込んでカンバーの顔面に気弾を炸裂させた。

 ――爆発。閃光。

 大爆発をバックにゴジータがムーンサルトを決めつつ捻りを入れて着地し、カンバーに背を向けたまま片手を掲げる。

 すると掌の上に気が凝縮され、虹色の気弾が生み出された。

 スターダストブレイカー……ゴジータの切り札の一つでもあるそれは、邪悪な気に対して強い威力を発揮する。

 それを力の限りカンバーへ向けて投げつける。

 すると虹色の気弾はカンバーの悪の気をも易々と貫通してカンバーへ炸裂し――火柱となって監獄惑星の空へと昇った。

 

「ぐううああああああああああーーーッ!!!」

 

 カンバーの断末魔が響き、感じられる気が一気に弱くなった。

 だがまだゴジータの攻撃は終わらない。

 今度は腕をクロスして気を高め、両腕を上空へと掲げる。

 するとカンバーの足元から青い気が柱となって立ち昇り、更にカンバーを蹂躙した。

 

「があああああああ! あああああ……!

ぐ……お……! ま……まだだ……俺と…………たたか……」

 

 光で焼かれながらも戦意を失わないカンバーを前に、ゴジータは両手の手首を合わせてかめはめ波の構えを取る。

 この男はまさに戦闘意欲の塊だ。

 指先一本でも動くならば、決して戦いを止めようとはしないだろう。

 ならばするべき事は一つ。指先一本すら動かせなくなるほどに、完膚なきまでに叩きのめすだけだ。

 完全な敗北を教えてやる事……それがゴジータが彼にしてやれる、ただ一つの事であった。

 

「か……め……」

 

 青白い光がゴジータの手の中に凝縮され、放射状に溢れて周囲を照らす。

 大地が鳴動し、これから解き放たれるエネルギーの強大さに惑星そのものが恐れ戦いていた。

 

「は……め……」

 

 ますます輝きが強まり、上空の鎖が余波だけで罅割れ、砕けていく。

 強く踏みしめた大地が罅割れ、砕けた瓦礫が重力から解放されたように宙を舞う。

 そしてこの戦いを終わらせるべくゴジータの止めの一撃が解き放たれた。

 

「波ああああァァーーーーッ!!!」

 

 かめはめ波が極光となって一直線に突き進む。

 直接触れていないはずの大地が抉れ、溶解し、そしてカンバーへと直撃した。

 先程よりも更に巨大な火柱が上がり、監獄惑星の空を貫いて宇宙まで光が溢れた。

 

「ぐがあああああああぁぁぁああああぁぁぁーーーーっ!!!」

 

 カンバーの断末魔が響き渡り、そして爆炎の中で巨体が地響きを立てて崩れ落ちた。

 炎の向こうに見えるカンバーのシルエットが小さくなっていき、感じられる気が限りなくゼロまで落ちた。

 爆炎でゴジータが照らされ、腰の布が風になびく。

 ゴジータは無言で炎を見詰めていたが、やがて静かに緊張を解いた。

 戦闘を放棄したのだろうか?

 いや、そうではない。戦いが終わった事を確認したのだ。

 ゴジータの視線の先ではカンバーが人間に戻って倒れており、その全身は激しく傷付いている。

 自慢の尻尾も最後の一撃で完全に焼き切れてしまったらしく、どこにも見付ける事は出来ない。

 ゴジータはふっと柔らかく笑い、そして確認するようにリゼットを見た。

 それに対してリゼットも微笑み、「お見事」と称賛を送る。

 

 戦いは終わった。

 文句なしの、ゴジータの完全勝利であった。

 

 

「行きます!」

 

 悟空達とは別の場所で、一つの戦いが行われていた。

 白衣を翻して21号が果敢に攻め、モロは余裕の笑みでそれを避けている。

 モロは気の吸収能力こそ脅威的だが、単純な強さはカンバーと比べれば……いや、悟空達と比較しても今のレベルから見ればそこまで怖い相手ではない。

 仙豆の食べ過ぎによって動きが鈍っている今ならば尚の事だろう。

 精々超サイヤ人2よりは強い程度で、魔法込みで考えても超サイヤ人3で十分対処出来てしまうレベルに過ぎない。

 しかし彼と対峙した瞬間から気の吸収は始まっており、知らず弱体化させられてしまう。故に実際はゴッドやブルーを上回りかねない……というのがモロだ。

 だが21号にはその能力が通じず、しかも今は仙豆を無理矢理食わされたせいで食欲が出ない。

 とはいえ、それでも21号と比べればモロが勝る。

 ましてや今のモロはカンバーや悟空達の気を奪ったことで若返っており、素の戦闘力でも超サイヤ人3の悟空を上回っていた。

 魔法込みで考えるならば、ゴッドクラスの強さはあると見ていい。

 21号の拳打や蹴りを軽々と避け、掌を翳して超能力で吹き飛ばした。

 

「あうっ!」

 

 21号は何も抵抗出来ずに宙を舞い、その先にあった湖の上を水切り石のように何度も跳ねてから水の中へ沈んでいく。

 ここまでの僅かな攻防でモロは既に21号のアンバランスさを見抜いていた。

 格闘技術はある。そのレベルも驚くべき水準に達している。

 だがそれだけだ。技術はあっても経験が不気味なほどに感じられない。

 まるで今日出撃したばかりの新兵に無理矢理歴戦の兵士の技術だけをインストールしたようなチグハグさが21号にはあった。

 しかも元々の気質が戦士ではないのだろう。

 ここぞという場面での思い切りに欠け、モロから見ればまるで隙だらけであった。

 

「フン……相手にならんな。やはり先程の感覚は俺の思い違いだったか」

 

 戦う前、モロは一瞬21号が捕食者に見えた。

 だが蓋を開けてみれば、何ら大した事のない女だ。まるで恐れるに値しない。

 さっさと止めを刺してしまうか……そう考えた所で、湖から21号が飛び出した。

 だがその姿は先程までと異なり、髪が金色に染まっている。

 加えて瞳の色も緑に変わっており、明らかに雰囲気が異なっていた。

 それは前任のセルも習得していた超サイヤ人への変身であった。

 

 超サイヤ人への変身は、サイヤ人のみが持つS細胞の量が関係している。

 このS細胞を体内で生成出来るのはサイヤ人のみだが、サイヤ人からS細胞を他種族へ移す事は不可能ではない。

 セルと21号は様々な細胞を集めて造られた人造人間であり、当然S細胞も保有している。

 故に彼女達はサイヤ人ではないにもかかわらず、こうして超サイヤ人へと変身する事が出来るのだ。

 

「はあああああっ!」

 

 更に21号が力を上げ、前髪が逆立った。

 全身にスパークが走り、放たれる気の波動だけで暴風が巻き起こる。

 

「ほう、少し力が上がったか? どのみち俺の敵ではなさそうだがな」

 

 モロは余裕を崩さなかったが、内心では警戒していた。

 実の所、この時点で単純な強さでは21号はモロを大きく凌駕していた。

 強さだけを語るならば今の21号はブルーの悟空に匹敵している。

 モロにはまだ超能力があり、魔法もあるがそれでも両者の強さはかなり接近したと見ていい。

 

「たああああっ!」

 

 21号が走り、モロへ近接戦闘を挑む。

 モロもそれを正面から受け、満腹のハンデを感じさせずに21号の攻撃を凌いでいた。

 

「やっ、はあ!」

「ぐ……」

 

 拳打、肘打ち、膝蹴り、足払い、回し蹴り……様々な技を駆使して21号が攻撃し、モロのガードがこじ開けられていく。

 やがて21号の蹴りが遂にモロの膨れた腹に命中し、彼を弾き飛ばした。

 この戦闘が始まってから初のクリーンヒットである。

 モロは吹き飛びながらも体勢を崩さず、地面に着地する。

 しかし着地しても尚身体は止まらず、地面に二本の線を描きながら10Mほど後方へ移動させられてしまった。

 

「たああああ!」

 

 ここが好機と見た21号が走り、モロへ向かう。

 だがモロは素早く片手を上げ、それに呼応するように地面から星のエネルギーが迸って21号を遮る障壁と化した。

 更に周囲の岩石が浮かび上がり、一斉に21号目掛けて飛来する。

 21号を多少手強いと見たモロが正面からの打撃戦を止めて本来の戦い方……即ち、魔力と超能力を駆使した戦術へ切り替えたのだ。

 

「くっ!」

 

 岩石を次々と破壊する21号だが、そこに星のエネルギーが襲い掛かった。

 惑星の持つ力というのは侮れないものがある。

 元気玉はほんの少しずつ気を分けてもらうだけで凄まじい威力を発揮するし、住民含めた地球全ての気を集めれば、魔人ブウすら消滅させる事が出来るだろう。

 惑星は今となっては簡単に破壊されてしまう存在だが、だからといって惑星を破壊出来る者よりも惑星の力が劣るわけではない。

 ただ、破壊するよりも命を育む事の方が何十倍もエネルギーを必要とするというだけの話なのだ。

 それを無理矢理吸い上げて攻撃出来るというのは、実質的に全ての攻撃が元気玉クラスだという事になる。

 

「はっ!」

 

 モロが手を翳すと同時に星のエネルギーが隕石のように21号へ降り注いだ。

 更に地面が割れてマグマが噴き出し、21号の逃げ場を塞ぐ。

 後ろからも地面を割りながら星のエネルギーが迫り、どこに逃げても攻撃を受ける状況に追い詰められてしまった。

 逃げ場なし……完全に包囲された状況で21号は腕をクロスして更に気を高めた。

 

「はあああああああーーーっ!」

 

 気が爆発的に上昇し、21号に殺到していた星のエネルギーが跳ね返された。

 その中心部で21号の眼鏡が砕け、眉毛が薄くなる。

 全身を覆うスパークがさらに強まり、髪は膝に届くほどに長くなっていた。

 超サイヤ人3――4やゴッドといった特殊な進化を除けば超サイヤ人の最終形態であり、21号が発する気の圧力は既に完成ブルーの悟空を超えている。

 

「またパワーが上がっただと……!? くそ……こいつは一体何なんだ!?」

 

 戦慄するモロへ、星のエネルギーを突っ切って21号が右ストレートを放った。

 先程までと同じく軽々と避けるが、今度は21号もそれを予期していたようにストレートから肘打ちへ変えてモロの横面を殴打する。

 更に左手でモロの首を掴み、逃げられなくしてから膝蹴り。

 これをモロは咄嗟に受け止めるが、21号はすぐに次の攻撃へと移行してモロに防戦を強いた。

 

(上がっているのはパワーだけではない! 判断の速さも、思い切りも、全てが上がっている!

こ、こいつ……慣れ始めているのか!? 俺との戦いで、この短時間で学習しているのか!?)

 

 天井知らずに上がり続ける21号のパワーにモロは気圧されていた。

 『敗北』……その二文字が脳裏を過ぎり、背筋が凍える。

 そんなはずはない。そんな事はあり得ない。

 そう自らに言い聞かせるも、どうしてもモロは嫌な予感を拭い去る事が出来なかった。




【カンバー超サイヤ人4になれない問題】
超サイヤ人4に覚醒する条件は知っての通り『黄金大猿状態で理性を保つ』事である。
そしてカンバーは黄金大猿状態で普通に話せるので条件は満たしている。
にもかかわらずカンバーの最終形態は何故か黄金大猿であり、4になれない。
ヒーローズでもこの辺りは一切説明されていないのだが、理由として以下の三点が考えられる。

1、そもそもS細胞足りてないんじゃね?
超サイヤ人への覚醒にはS細胞が一定量必要であり、S細胞は穏やかでなければ増えない。
カンバーは元々伝説の超サイヤ人枠みたいなものなので生まれつき大量のS細胞を保有していて超サイヤ人3までは難なく覚醒したが、4には足りていなかったのではないだろうか。
そして穏やかさと全くの無縁なので今もS細胞を増やせず黄金大猿が限界になっている……という可能性がある。

Q、それ言ったら旧ブロリーどうなるねん?
A、ブロリーこそサイヤ人そのものだった……。
生まれついての桁外れのS細胞は、成長するにしたがって、親の私が恐怖を感じるほど、増殖し、凶暴化していった……。
私は、科学者にブロリーを自在にコントロールできる装置を作らせた……。
その結果ブロリーは穏やかになった。
そして穏やかになった結果生まれついての桁外れのS細胞は、成長するにしたがって、親の私が恐怖を感じるほど、増殖し、凶暴化していった……。

2、理性がなさすぎる
一応会話は出来るものの、悪の気を考えるとカンバーは常に暴走状態にあると言える。
殺意の波動に目覚めたリュウだって「心の臓止めてくれる!」「我、拳極めたり」「血がオレを呼んでいる」などの日本語を一応話すが、じゃああいつ理性保ってると言えるか? と問われるとかなり微妙。
なので超サイヤ人4の「理性を保っている」判定に引っかかっていないのかもしれない。

Q、旧ブロリーは?
A、ブロリーが暴走しているなどと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ。ブロリーはあれが素でございます。

3、実はなれる?
実は超サイヤ人4になれるが、カンバーは馬鹿なので「でかい黄金大猿の方が強い」と勘違いしており、大猿形態しか使っていない可能性がほんの少しだけある。
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