ドラゴンボールad astra   作:マジカル☆さくやちゃんスター

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第百二十四話 猛攻、第7宇宙

「第7宇宙め、やりやがった!」

 

 観客席で第4宇宙の破壊神であるキテラが叫んだその言葉は、他の宇宙全員の代弁でもあった。

 開始と同時に仕掛ける――定石と言えば定石だ。決して珍しい手でも、想定しなかった手でもない。

 だがこれは宇宙の存亡を賭けたバトルロイヤル。そんな目立つ真似をすれば他の宇宙全てに敵視されて集中砲火を浴びる危険があるし、相手側の能力によっては跳ね返される可能性だってあった。

 だが第7宇宙はそれを意にも介さずに実行に移した。

 これは即ち、他宇宙全てを敵に回そうと勝てるという自信……そして跳ね返されても対処出来る自信があればこそ。

 故にこそ、この初手奇襲は参加宇宙全てに痛手となり、特にこれで半数以上を一気に落とされてしまった宇宙はやられたという言葉しか出て来ない。

 特に第9宇宙の精神的ダメージは深刻だ。

 何もかもが想定と違う。試合前に送り込んだ部隊を全滅させたあのピンクの魔人はどこに消えた。あの白い猫は? 黒い男は?

 第7宇宙の選手の何人かを暴いたと思っていたのに、いざ蓋を開けてみれば出てきたのはあの巨大な化け物のみ。

 何らかの不具合があってあれ以外が出場出来なくなり、数合わせのメンバーを揃えたのかと最初は思った。

 余裕で勝っているようで、実はあの魔人や猫もそれなりに消耗していたのかと期待した。

 だが……もしかしたら、あれらは選手にすらなれなかった……二軍だったのではないか?

 今武舞台にいる第7宇宙の十人は全員が、あれより強いのではないか? そんな恐れが現実のものとなり、ロウとシドラは震えた。

 しかし仕掛けた側であるリゼット達もまた、全てが上手くいったわけではなかった。

 

「落ちた数は32名……半分にも届きませんか。流石は宇宙の存亡を背負う者達ですね」

「まあ、こんなものだろう。死者が出ないようにギリギリまで威力を抑え、吹き飛ばす事だけに力を注いだのではな。今のは魔人ブウ程度の力があれば耐えてしまえる攻撃だった」

 

 リゼットの予想ではこれで半分以上は落としてしまえるはずであったが、流石にそれは相手を甘く見過ぎていたらしい。セルは予想通りといった顔で動揺すらしていない。

 今放った攻撃は攻撃力をギリギリまで削り、吹き飛ばす為の衝撃のみに特化させた一撃だった。

 それでも超サイヤ人に変身していない悟空くらいならば落とせる威力ではあったのだ。超サイヤ人以上でようやく耐えきれるか、というくらいだ。

 これはかつて、界王神を恐れさせた魔人ブウがギリギリ耐えるかどうか、という威力だ。

 戦闘のレベルが進んだ今、魔人ブウクラスですら今のリゼット達から見れば大した敵ではない。再生能力込みで悟空の超サイヤ人よりは若干手強いという程度の相手だ。

 だがそれでも大昔には宇宙を滅ぼす手前まで行った最悪の魔人だ。そのくらいの強さでなければ耐える事すら出来ない衝撃波だった、と言えば決して弱い攻撃だなどと思うまい。

 しかし、結果を見れば半分以上がまだ残ってしまっている。つまり残った者達の実力は魔人ブウと互角以上か、あるいは今の攻撃を凌げる特殊能力を持っているという事になる。

 

「どうします。今ので僕達全員、他の宇宙から睨まれていますよ」

「はっ、上等じゃねえか。残る敵の数は38人……つまり一人当たり3人か4人落とせばいいわけだ。楽勝だろ」

「残った連中は少しは骨もありそうだ。加減しなくていいってのは逆にやりやすいぜ」

 

 悟飯は不安そうな声を出すが、しかしターレスとピッコロはまるで恐れていなかった。

 何せここは戦闘狂ばかりを集めた第7宇宙チーム。大半は気にもしていない。

 むしろこれこそ望む戦場……全員が敵だというなら好都合だ。

 第7宇宙は10人。他の宇宙は38人。数だけ見てもたかが三倍~四倍の差だ。

 他の宇宙同士で手を組むなら勝手に組めばいいし、こちらを集中砲火したければするがいい。

 悟飯を除く全員が、第7宇宙のみで他の全ての宇宙を倒すくらいの気でここに立っている。

 

「ここからは各自の自主性に委ねます。総員散開!」

 

 リゼットの指示に応え、全員がそれぞれの敵を求めて走り出した。

 まず悟空は一番近くにいた第9宇宙の犬のような宇宙人三人に目を付け、黄色の犬を蹴り飛ばす。

 これに対し相手も即座に応戦。三人の連携で悟空へ猛攻を仕掛けるも、悟空はこれを的確にさばく。

 通常状態のままであるが、戦況は悟空が圧倒的に優位だ。相手の攻撃を掠らせもせず、的確な反撃でダメージを与えつつ陣形を乱して連携をさせない。

 悟空は決して相手を舐めて通常状態のまま戦っているのではない。

 体力の消耗を最小限に抑える為に攻撃の一瞬のみ超化してすぐに戻っているのだ。

 その変身が余りに速すぎて肉眼では捉えられず、まるで変身せずに戦っているように見えるだけだ。

 

「おのれ第7宇宙! 我等『トリオ・デ・デンジャーズ』と一人で戦うつもりか!」

「まあな」

「舐めおって……!」

 

 『トリオ・デ・デンジャーズ』は第9宇宙最強の三人だ。

 長男、『潰しのベルガモ』。次男『毒のラベンダ』。そして三男『蹴りのバジル』の三兄弟で構成されるこのチームは個々の強さと、兄弟であるが故の連携の巧みさで掃き溜めのような第9宇宙で生き延び、界王神からも全幅の信頼を寄せられるまでになった。

 他の仲間達が一撃で落とされてしまった今、彼等三人が第9宇宙の希望だ。

 彼等はそれを背負うに相応しい実力を持ち、界王神の期待に応えるべく全霊を賭して悟空へと挑む。だが……。

 

「くっ、ぐ……っ!」

「この!」

 

 ベルガモとバジルの攻撃を悟空は軽くいなし、隙を見て反撃で体力を削る。

 ラベンダの攻撃は避け、触れる事すらさせない。

 

「くそ……当たりさえ、当たりさえすれば……!」

「おめぇ、やっぱその手に何かあんな? とにかく触ろうって魂胆が透けてんぞ」

 

 ラベンダの能力は、その二つ名が示す通りの毒である。

 毒を纏った腕で相手に触れればその部分から壊死させる事が可能で、触れたが最後弱体化は避けられない。

 だが悟空は天才的な戦闘の勘でラベンダの持つ危険性を感知し、彼の攻撃だけは回避していた。

 

「悪ィが落ちてもらうぞ」

 

 特殊能力持ちというのは、時に戦闘力差をひっくり返す。

 これが1対1の戦いであればあえて受ける事もしたかもしれないが、しかしこれは宇宙の未来を左右する戦いだ。

 ならば舐めはしない。油断もしない。

 どれほど強力な能力なのかを見てみたい気がしないでもないが、それで負けていては宇宙の皆に申し訳が立たない。故に、ここは全力で叩き落す。

 悟空の蹴りがラベンダに突き刺さり、インパクトの瞬間のみブルーへと変身した。

 その一撃でラベンダが場外へと吹き飛び、背後から強襲しようとしたバジルをも裏拳で殴り飛ばして場外へ落とす。

 その余りに圧倒的な差にベルガモは慄くばかりだ。

 

「勿体ねえな……こんな大会じゃなければよ、もっと楽しんで戦えたのにな」

 

 本当はもっと、彼等の実力を引き出して戦いたかった。勝ち負け関係なく楽しみたかった。

 だが、今回だけはそれが出来ない。

 いくら悟空でも自分の楽しみと宇宙の命運を天秤にかけるような馬鹿な真似はしない。自分の戦いなどよりも大事な物がある事くらい分かっている。

 ……いや、本当を言えばこの戦い自体決して好意的に見てはいないのだ。

 全王は決して悪人の類ではないと分かっているが、しかし自分の気分一つで罪のない宇宙を消そうとする行為に不信感を感じてない訳ではない。

 だから超ドラゴンボールを使えるならば、消された宇宙の復活を願うつもりだし、もしもそれすら許されないならば――大神官が相手だろうと立ち向かい、全王に納得させる。その決意を既に固めている。

 

「お、俺は……俺は負けるわけにはいかないんだ!

生き延びてやる! 絶対に、俺達第9宇宙が生き延びてやるんだあああ!」

「……やりにくいな、本当によ」

 

 戦闘を心より楽しめるはずの悟空が、今回ばかりは全く楽しめない。

 だがそれでも勝たなければならない。勝利しなければ僅かな可能性すら繋げる事が出来ないのだ。

 

 

 

「ウホッ、男前。やらないか」

 

 第4宇宙を相手取ったベジータの前に立ち塞がったのはニンクという巨漢の男であった。

 青緑の肌をした男で、どことなく危険な香りがする。

 流石のベジータも相手の放つ異様な雰囲気にのまれ、なかなか近付けない。

 

「強いお前が好きだ。一緒に天国にイこうぜ」

「き、気持ちの悪い奴だ……」

 

 ニンクがベジータへと急接近し、ベジータも超サイヤ人と化して迎え撃つ。

 実力は互角。スピードではベジータが勝るが、ニンクは見た目通りのパワーと耐久力を併せ持ち、なかなか厄介だ。

 ベジータの拳が炸裂し、蹴りが胸板を叩く。

 だがニンクはまるで怯む様子を見せない。

 

「っちゃあああ! だだだだだだ!」

「ああ、いいぞ……次は気功波だ」

「くそったれええええ!」

「くそみそでヤルってのも悪くないぜ」

 

 こいつは嫌だ。何かよく説明出来ないが、あまり戦いたくない。

 その思考がベジータの動きを鈍らせたのだろう。

 ニンクは素早くベジータの背後に回り込み、彼を羽交い絞めにした。

 何故だろう。何故か今、物凄く尻がピンチな気がする。

 

「それじゃあトコトン悦ばせてやるからな」

「はっ、放せええええええ!」

 

 ベジータの怒りと焦りと、そしてほんの僅かな恐怖の混じった叫びが木霊し、青色の輝きが彼を中心に放たれた。

 超サイヤ人ブルーへと変身したベジータは力任せにニンクを振り解き、気功波を発射する。

 

「アッーーーーーー!」

 

 流石にブルーのパワーには勝てないらしく、ニンクは獣のような咆哮をあげながら場外へと飛んで行き、落下した。

 

「ぶ、不気味な相手だった……二度と戦いたくないぜ」

 

 知らず、鳥肌の立っていた腕を押さえてベジータが心底から戦慄したように呟く。

 恐ろしい相手だった。実力的にはそれほどでもなかったが、今までにない危機感を感じた。

 もう二度と会いたくない……ベジータは心からそう思った。

 

 

 

 ミラが相手と決めたのは最も多くの選手を残す第6宇宙であった。

 いや、第6宇宙というよりはその中の一人へと狙いを定めたのだ。

 ヒットとミラの視線が交差し、一瞬で互いを強敵と認識する。

 だがその間に、キャベとカリフラが割り込んだ。

 

「やらせません!」

「あんま調子に乗るなよ、第7宇宙!」

 

 二人は超サイヤ人と化し、ミラへと飛びかかる。

 だがミラもまた超サイヤ人を上回る力の持ち主だ。

 変身すらせずに二人を同時に渡り合い、圧倒する。

 ミラはかつて数多の時空を渡り、タイムパトローラーであるトランクスやバーダックと戦い、様々な時代の悟空やベジータとも戦ってきた強者だ。

 カリフラとキャベの潜在能力がいかに凄まじいものだろうと、超サイヤ人を覚えたばかりの二人で手に負える存在ではない。

 

「惜しいな。お前達ならばもう少し経験を積めば本気の俺とも戦える戦士となれただろう」

 

 ミラは二人の秘めたる力を賞賛し、同時に勿体無く思った。

 こんな大会で出会いたくなかった。

 負けたら全王に消されるという、そんな大会などで戦いたくなかった。

 彼等には未来がある。可能性がある。

 ここで終わらなければ、きっといつか、自分すらも脅かしてくれるだろうという確信がある。

 だからこそ、心底惜しい。

 だがこれは負けが許されない戦いだ。故に二人を叩き落そうと拳を振り上げ――。

 

「ッ!!」

 

 危険を感じ、咄嗟にガードをした腕の上から衝撃が走る。

 身体ごと吹き飛ばされながらも着地したミラが見たのは拳を突き出した姿勢のヒットだ。

 

「ヒットさん!」

「下がれ。こいつはお前達の勝てる相手ではない」

 

 声をあげるキャベに冷徹とも思える事実を言い、ヒットは静かに構えた。

 それに対しミラは口の端を吊り上げて同じく構えを取り、変身。

 元々青い肌の色は空のような清んだ青色へと変わり、髪が伸び、白い体毛が肩や腕を覆った。

 いきなり出し惜しみ無しの全力だ。このヒットという男は本気で挑むに値する。

 

「有り難い。お前の方から来てくれるとは」

「……第7宇宙は随分と手練ればかりを集めて来たようだな」

 

 膨れ上がったミラの気にヒットが警戒心を強め、二人の実力者が正面から衝突した。

 だが第6宇宙へ攻撃を仕掛けているのはミラだけではない。

 キャベとカリフラの頭上を通過し、フロストが吹き飛んで場外へと落ちる。

 元々フロストはこの大会に出る前から既に心が折れており、ほとんどやる気を見せていなかったので当然の末路といえばそれまでなのだが……それでもかつては第6宇宙最強の拳闘士とまで呼ばれた男なのだ。決して弱くはない。

 咄嗟に振り返れば、そこには神と融合した新生ピッコロと悟飯が立っていた。

 

「余所見している暇はないぞ。次はお前達だ」

「ちい!」

 

 ピッコロへとカリフラ、キャベ、更にマゲッタとボタモが一斉に飛び掛かる。

 だがピッコロはまずボタモへと狙いを定め、軽く蹴りを叩き込んだ。

 ボタモはダメージを受けない特異体質だが、そんなのは関係ない。

 ダメージにならなくても攻撃されれば威力に応じて吹き飛ぶし、身体も浮く。

 そして今のピッコロは界王拳と超サイヤ人ブルーを組み合わせた悟空以上の力を常に発揮し続ける第7宇宙のエースなのだ。

 圧倒的なパワーでダメージを受けないはずのボタモを場外へ飛ばし、勢い余ってボタモは観客席に衝突した。

 場外負けのないルールならばもっと活躍出来るだろうに、相変わらずルールに恵まれない熊だ。

 ボタモを落として更にキャベへと狙いを定める。

 彼を問答無用で蹴り、咄嗟に直撃を避けたはずのキャベが吹き飛んでいく。

 

「うわああああっ!? か、掠っただけなのに……!」

 

 それでも尚キャベは体勢を立て直そうとするが、そんな彼の真上に突然現れたセルが追い打ちの蹴りを放って無理矢理退場させた。

 

「おっと失礼。ぶつかってしまったようだ」

 

 ピッコロは思わずリゼットの方を見た。セルはそちらの護衛ではなかったのか?

 そう思うも、そこにもセルはいた。決して彼女の側を離れたわけではない。

 リゼットは第4宇宙のシャンツァ、キャウェイ、ガミサラスの三人から集中攻撃を受けている。

 マスコットのような小さな宇宙人――シャンツァが幻影を作り、その幻影を隠れ蓑にしてキャウェイと透明人間のガミサラスが仕掛けるというコンビプレーだ。

 だが近くのセルが助ける様子はなく、そもそも助ける必要性すらない。

 気の感知を極限まで極めたリゼットは容易くシャンツァの位置を特定してまず彼を気合い砲で吹き飛ばして脱落させ、続いてガミサラスが攻撃に移る際に僅かに発してしまった気を感知して防御。

 そのままガミサラスの腕を獲り、当て身投げにて場外に投げ飛ばした。

 残されたキャウェイは気を武器化してリゼットへと挑むが、気の武器化ならばリゼットも得意とする事だ。

 キャウェイよりも素早く、より強固に創り出された光剣がキャウェイの武器を弾き飛ばして戦意喪失させてしまった。

 キャウェイは気の操作という点ではセンスがあるのだが、残念ながら基礎的な力が低すぎて話にならない。

 ……というか気が少なすぎて亀仙人にすら勝てるか怪しい。何で第4宇宙はこんな可愛いだけで弱いのを連れてきてしまったのだろう。

 戦意を喪失してへたりこむキャウェイを放置し、リゼットは別の敵を落とすべく移動を開始した。

 その後にはセル(本体)が影のように付き添っている。

 

「四身の拳か」

 

 リゼットの近くにいるセルを見て、ピッコロが呆れたように言う。

 

「ご名答。残る二人の私も他の場所でサポートを行っている」

 

 飛行可能な上に多彩な技を持ち、オマケに増える。更にオリジナルの天津飯と違って増えても弱体化はしない。とんだ反則性能だ。

 つくづく、こいつが味方でよかったと思いながらピッコロはおもむろに何かを掴んだ。

 

「な、何故分かった……!?」

 

 ピッコロの手の中にいるのは第4宇宙の選手、昆虫人間のダモンだ。

 彼は気の大きさと実際の身体のサイズが違うという特徴を持ち、気の感知に頼っている者ほど位置を特定するのが困難だ。

 しかし狙った相手が悪すぎる。彼はまず、ピッコロ以外を狙うべきであった。

 

「へっ、生憎とナメック星人の耳は貴様等とは出来が違うんでな」

 

 ナメック星人は遥か遠くの会話すら聞く事が出来るほどに聴力に優れている。

 その彼の耳をもってすれば、己に接近する小さな襲撃者を感知するなど造作もない。

 ……もっとも、仮にリゼットを狙ったところでダモンではどうしようもなかっただろうが。

 ピッコロはダモンを武舞台の外に捨てて脱落させ、次にマゲッタを狙う。

 マゲッタは強く、重く、そして硬い。手強い相手には違いないのだが、しかしこれも相手が悪かった。

 

「うわたあああァァァ!」

 

 強い、硬い、重い。だからどうした。

 ならばこちらは更に強く、更に硬く、更に重い拳を放てばいい。

 何の小細工もないピッコロの拳がマゲッタをガードの上から殴り、1000トンを超える超重量の身体が軽々と吹き飛んでいく。

 

「ば、化け物だああああああ!?」

 

 思わずシャンパが叫ぶ中、マゲッタまでもが呆気なく脱落してしまった。

 その隙を突くようにピッコロの背中に気功波が着弾した。

 それを撃ったのはカリフラだ。

 彼女は確かな手応えを感じ、勝ち誇ったように笑う。

 

「へへん、ざまあみやがれ! 油断しやがったな!」

 

 煙の中で今頃は倒れているだろう相手へ、嘲笑を飛ばす。

 だがすぐにその笑みは凍り付く事となった。

 煙が晴れた時、そこに立っていたのは全く無傷のピッコロだったからだ。

 

「思い切りのいい攻撃だ。だが残念だったな」

 

 ピッコロはカリフラのセンスを誉め、それから一瞬で間合いを潰して腹を殴った。

 殺さないように加減したが、それでもカリフラを行動不能にするには十分な一撃だ。

 彼女は呆気なく地面に崩れ落ち、超化が解けてしまった。

 

「あ、姐さん……よくも……よくも姐さんをォォォ!!」

 

 姉貴分であるカリフラが倒れるのを見て、ケールが怒りを爆発させた。

 まるで戦いに向いていない気弱そうな女と思っていたが、これにはピッコロとセルも僅かな驚きを見せる。

 その気の爆発はかつて戦ったブロリーを彷彿とさせるもので、彼等が見ている前でケールは瞬く間に筋肉の塊となってピッコロすら上回る巨体と化す。

 恐らくは怒りで基本戦闘力そのものを爆発的に上昇させたのだろう。そのパワーはセルを上回っている。

 勿論セルも本気ではなく、燃費の悪い超サイヤ人3に相当する変身をしていないだけなのだが……それでも驚くべき強さだ。

 だがそんな彼女を前にセルは、ただ不敵に笑った。

 

「なるほど……確かに素晴らしいパワーだ。

この私を遥かに上回っている……パワーだけはな。

だがそれだけだ。それでは私に勝つ事は出来ん」

 

 

 ここまでに落ちた選手は42名。

 試合開始僅か2分にして半数が消え、残る選手は第7宇宙を含めて38名となった。




シャンパ「………………なあ、あのナメック星人、前回いなかったよな」
ヴァドス「いませんでしたね」
シャンパ「……あれ、やばいくらい強くね?」
ヴァドス「単純な強さならば恐らく破壊神とも戦えるレベルかと」
シャンパ「第7宇宙どんだけ狂ってんだよ……ビルス仕事しろよ……」

【戦闘力】
・カリフラ:9億6000万
超サイヤ人:480億
超サイヤ人2:960億

・ケール:20億(怒りで基礎能力大幅上昇)
伝説の超サイヤ人2(パワー重視):6400億
※伝説の超サイヤ人2になった上で更にムキンクスのように筋力完全重視となった姿。
悟空がゴッドではなくブルーに変身するほどの強さで、舐めプ状態のブルー相手なら圧倒する。

ケールの変身は伝説の超サイヤ人2の上から更にムキンクスを加え、320倍という結構やばい倍率にしました。
これは漫画版でケールの変身はパワーは凄いがスピードは大した事がないというムキンクスと同じ扱いを受けていたからです。
なのでパワーはブロリーの超2すら超えますが、その分スピードがないです。
後、ブロリーと違って普通に疲れる描写もあり、戦えば戦うほど強くなるとか、そんな意味の分からない特性はありません。有情です。

【残り選手】
第2宇宙
ザーロイン
ザーブト
ラバンラ
リブリアン
カクンサ
ロージィ

第3宇宙
ビアラ
ボラレータ
コイツカイ
パンチア
パパロニ
マジ=カーヨ

第4宇宙
モンナ
キャウェイ

第6宇宙
ヒット
ケール
カリフラ
サオネル
ピリナ

第9宇宙
ベルガモ

第10宇宙
ムリチム
ナパパ
オブニ

第11宇宙
ジレン
トッポ
ディスポ
カーセラル
ココット
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