ドラゴンボールad astra 作:マジカル☆さくやちゃんスター
その日、あの世は混乱に包まれていた。
魂を管理し、転生を司る鬼達が慌てふためき、閻魔大王は戦慄しきった顔でその有り得ざる出来事を眺めていた。
それはまさに有り得ない事であった。あってはならない事であった。
転生を待つはずの二つの魂が混じり合い、一つの存在となって閻魔の許可もなく自らの意思で再転生を果たそうとするなど。
結論から先に言えば、厳重保管していたトワの魂が突然何かに吸い寄せられ、地獄にいたミラと融合してしまった。
無論、言うまでもなく本来はこんな事は出来ない。出来るはずがない。
あの世が正常に機能しているならば、何をどうしようと起こらない。
それはつまり、逆を返せばあの世が正常ではないという事である。
「成功したぞ……さあ行け、ヘルファイター・ミラよ!
地獄でパワーアップしたお前の力で地球を支配するのだ!」
「……」
その原因は、地獄に落とされたまま放置されていたドクター・ゲロにあった。
彼は地獄に落ちて来たミラを改造してパワーアップさせ、かつてジャネンバがやったようにあの世とこの世のバランスを崩そうと目論んだのだ。
果たしてそれは成功し、ミラは新生ミラとしてここに蘇った。
本来ならばそれは17号で行うはずの事であった。
17号は、単なるセルの強化パーツではない。
むしろセルすら上回る究極の人造人間のベースだったのだ。
有機体で構成された17号の一号機と機械で構成された17号の二号機を融合させる事で生まれる究極戦士――超17号。
それを生み出すための片割れこそが17号であった。
膨大なパワープールを持つ有機体の一号機に、強化パーツである二号機を融合させる事で理論上は超サイヤ人ブルーにすら匹敵するパワーを得る事が可能となる。
逆に言えば、プールそのものは17号に最初から備わっているのだから弛まぬ修練を続ければ17号単体でもそれに近い場所まで至れるかもしれない。
かつてリゼットが破壊した13号、14号、15号はそのプロトタイプだ。
いや、正確にはプロトタイプのそのまたプロトタイプか。
あの三体は機械製の人造人間同士を融合するテストケースとして開発されたものである。
更に、続けてゲロは13号の開発で得たデータを基に、有機体同士の融合をも試した。
この過程で生み出されたものがセルであり、セルですら超17号という究極を生み出すための前座に過ぎなかったという事になる。
だがセルが完成を待たずに研究所ごと破棄されていたことから分かるように、この融合は困難を極めた。
完全な機械タイプを合体させるのと、有機体を融合させるのはまるでわけが違う。
いかにゲロが天才でも、そう簡単に出来るものではない。
結局ドクターゲロは構想段階から抜け出す事も出来ずに、17号の手によってこの世を去る事となってしまったのだ。
しかしその研究は無駄ではなかった。
超17号は完成せぬ夢と消えたが、代わりにゲロは地獄で魔界製の人造人間と出会う事が出来た。
希代の超頭脳を誇るゲロはミラの構造を完璧に把握し、そして超17号を造るつもりで完成させていた理論をミラとトワで実行したのだ。
そして完成したのが、この新生ミラである。
更にトワの魂をも吸収した今の彼の姿は以前とはまるで異なり、身体は白い体毛に包まれてまるで超サイヤ人4のようだ。
顔立ちも以前の険が取れて落ち着いており、悟り切ったその顔立ちはどこか神聖さすら感じさせる。
髪は伸びて胸元には『∞』のマークが刻まれ、下半身はトワのような赤いズボンと腰マントを付けている。
リゼットの知る原作知識――『GT』でもそうだが、一体何故閻魔大王は地獄に落ちた罪人に自由に発明を出来る環境を与えてしまったのだろうか。これは間違いなく彼の怠慢が招いた出来事だ。
少なくともGT知識もあるリゼットは地球の地獄に関して『地獄で物を造るとか意味不明な事が絶対に出来ないようにして下さいね』と閻魔に再三進言している。にも関わらずこの出来事なので、そろそろリゼットは本気で閻魔に怒るかもしれない。
ミラは静かに目を閉じ、そして呟くように言う。
「支配など、どうでもいい」
「何?」
「暗黒魔界の復活も、最早俺には関係ない。俺の目的は一つだけだ」
ミラはここからは見えないはずの地上を見上げるように顔をあげ、宿敵と見定めた相手を想う。
憎しみはない。怒りもない。
むしろ感謝しているし、今となっては心から尊敬している。
あいつがいたから自分は弱いという事実を認識出来た。最強という名の下らぬプライドを壊してくれた。
自分になくて、奴にあるもの。今ならばそれが分かる。
「あいつと戦いたい……あいつに勝ちたい……誰にもこの邪魔はさせない」
「き、貴様?」
「ドクター・ゲロ、お前には感謝している。お前は俺に機会をくれた。
だが邪魔をするならば、お前だろうと殺すぞ」
「う、裏切る気か!?」
「裏切る……? 俺が従っていたのは元々トワ一人だ。
そのトワも今は、俺と共に在る。お前に俺を従える事など出来ん」
ミラはドクター・ゲロへ視線を移す事すらしない。
彼の瞳に映るのはたった一人だ。たった一人の、白い女神だけだ。
奴と戦いたい。奴を超えたい。
そこには善も悪もない、どこまでも純粋な戦士としての闘志だけがあった。
「往くぞ……トワ」
ミラは小さく呟き、そして飛翔した。
地獄を突き抜け、蛇の道を貫き、界王星を過ぎ去って高く高く飛んでいく。
あの世とこの世は決して別の世界に存在しているわけではない。
瞬間移動で到達出来る、地続きの世界だ。
次元の一つや二つくらいは隔てているだろうが……遠く離れた幾億光年もの先へと到達出来る速度と、精神と時の部屋を突き破るパワーがあるならば――ただの飛翔でこの世へ舞い戻る事すら可能なのである。
事実、破壊神ビルスと付き人であるウイスは瞬間移動など用いずにただの移動で界王星へと現れている。
そして彼は、地球へと突入した。
★
リゼットはその日、地上を眺めていた。
ウイスから前もって聞かされていた孫悟空と殺し屋ヒットの戦いを見ていたのだ。
今回の戦いは、結論から言えばヒットと本気で戦いたいが為に悟空が自分で自分の暗殺依頼を出した自作自演であり、リゼットが助けに入る必要はない。
以前の戦いは悟空の勝利に終わったが、あれはターレスが消耗させたからだ。
だから悟空は一度、万全のヒットと戦ってみたかったのだろう。
それにしても流石は第6宇宙一の殺し屋か。気の扱いが抜群に上手い。
時飛ばしやそれに伴うチート能力はともかくとして、気を見えなくしての打撃や自分の気を場に残しての分身攪乱などは十分に参考になる。
単純ではあるが今まで誰もやらなかった使い方だ。確かに気を感知出来る者が相手ならばこの攪乱は高い効果を発揮する。
見えない気の拳打に関しては、気の感知に優れたリゼットならば初見でも回避出来るだろうが、そうでなければ難しいだろう。
それに遠距離から打撃が撃てるというのは十分に役立つ。
だが悟空も流石というべきか。元々以前の試合でヒットの手を見ていた事もあり、変幻自在な彼の技に見事に対応してみせている。
結局戦いは引き分けに近い形で終わり、悟空も暗殺されずに済んだようだ。
悟空とヒットは改めて互いを認め合い、悟空がまた一段と強くなったことにビルスとウイスが喜び、そしてベジータはビルスに土下座をしていた。プライドとは一体……。
しかし、そんな観戦は唐突に中断される事となる。
何かが――遠く離れた宇宙から、何者かが凄まじい速度でこの地球に接近している!
それを感知し、素早く迎撃へと意識を切り替えたからだ。
地球全体にバリアを展開し、侵入者の突入の余波が及ばぬようにして自らは構えを取った。
何者かは分からぬが、どうやら相手はこの神殿へ向かっているようだ。
つまり狙いは自分だろう。
一体何者なのだろう? これだけの速度で移動出来る者など、破壊神とその従者、あるいは自分や悟空、ベジータくらいしかいない。
他の宇宙の破壊神だろうか? それともまだ姿を現していない、だがどこかの星に存在しているはずのベビーだろうか?
あるいは……かつて地獄で、必ず蘇ると宣言したあの男が遂に来たのか?
「――来る」
地球の結界を易々と貫き、神殿のバリアすらも越えてそれはリゼットの前へと着地した。
その白い男に見覚えはなく、だが確かに見覚えのある男の面影を残している。
だがそれがかえってリゼットを困惑させた。
何故なら、それは確かに自分が殺したはずの男なのだから。
「貴方は……ミラ……?」
「久しいな、リゼット。会いたかったぞ」
以前とは違う、穏やかな声でミラが再会を喜ぶ言葉を述べた。
その声にはもう、前まではあった傲慢さはない。上から見下ろすような威圧的なものでもない。
だが、リゼットは不思議と今のミラにこそ気圧される何かを感じていた。
前まではなかった凄みを彼に見出さずにはいられなかった。
「貴方は私が倒したはずですが……」
「そうだ。そして地獄から蘇ってきた。ドクター・ゲロの助力を得てな」
リゼットは話を聞きながら、内心で閻魔へ罵倒を送っていた。
あれだけ地獄で発明とか出来ないように注意してくれと言っておいたのに、またしても自分の言葉をそこまで深刻には考えていなかったのだろう。
閻魔はリゼットにとって上司ではあるが、しかし今回はきつくお灸を据えた方がいいのかもしれない。
それにしてもゲロの助力を得て地獄から抜け出すとは……少し、GTでの超17号のイベントと似ている気がする。
となると、やはり彼にも“あの能力”が備わっていると考えた方がいいかもしれない。
「その姿は……トワですか?」
「そうだ、トワの魂は俺と同化している。俺は創造主をも取り込み、更なる高みへと至ったのだ」
「なるほど。目的は私への復讐ですか」
「違う。お前を恨む気持ちなど俺にはない」
ミラは真っすぐにリゼットを見据えた。
その瞳にはかつての濁りはない。
純粋で、いっそ透き通っているという表現すら似合う程に清んだ瞳だ。
視界に映る敵へ抱く感情はただ一つ……敬意のみ。
「かつて恨まなかったといえば嘘になるだろう。だが今は心からお前を尊敬している。
最早最強とは名乗るまい。そんな称号は欲しいとも思わぬ。
……お前に勝ちたい。今、俺の心にあるのはそれだけだ」
「……」
リゼットは己を見るミラの赤い瞳を見た。
綺麗な目だ、と素直に思う。
もうそこには一切の濁りはなく、戦士として純化されている。
どこまでも真っすぐに、一途に目的だけを見る力強い……悟空と同じ目だ。
「気を付けろ、リゼット。奴はもう前までの奴ではない。
戦士として一皮剥けている……ああいう相手は手強いぞ」
「そのようですね。セル、下がっていて下さい」
セルと二人掛かりで戦うという選択肢はもう無かった。
以前までのミラが相手であれば、あるいはリゼットはそれを行っただろう。
勝てる時に勝つ、それがリゼットの戦い方だ。卑怯と呼ばれる戦い方であろうと奇襲や不意打ちくらいならば平然と行うし、それはむしろ不意打ちなどを受ける程に油断している方が悪いとすら思う。
多人数で挑むのだって一つの戦略だ。第一それを卑怯というならば正義の味方なんて大体が卑怯者になってしまうだろう。
流石に人質などの一線を越えた外道に手を出す事はしないが、基本的にリゼットは手段など選びはしない。
ましてや相手が手段を選ばぬ悪党ならば尚の事。
手段を選ばぬ悪党を相手にフェアプレイ精神などを持っていては、それはもう好きなだけ動いてくれと言っているに等しい。
だからリゼットに、わざわざ相手に合わせて1対1で戦う信念などない。
しかし今のミラはリゼットとの決着のみを望む一人の純粋な戦士だ。そこには善も悪もない。
これを相手に多人数で叩きのめすような無粋な真似は流石に出来そうもなかった。
「ヘブンズゲート」
空間干渉の力を発動し、空中に白く輝く円形の門が顕現した。
ルーン文字に彩られたそれはゆっくりと開き、強烈な引力をもってミラを飲み込もうとする。
本来これは敵を亜空間に放逐してしまう為の技であり、敵だけを封ずるための奥義だ。
しかし、今回は使用目的が異なる。
「私達が戦えば地球に被害が出ます。中でやりましょう」
「いいだろう。お前が全力を出せる場がそこだというのならば、俺は黙って従うだけだ」
リゼット自身が入る前に、ミラが何の躊躇もなく飛び込んだ。
それは信頼なのか、それとも単に何も考えていないだけなのか。
どちらにせよ、かえってやりにくい相手になって帰って来たものだ、とリゼットは苦笑する。
ミラの後を追って亜空間へと飛び、二人は何もない空間の中で対峙した。
「……XENOVERSE」
己の中に眠る神の気を解放する。
リゼットの全身が淡く発光し、背中に光の環が出現した。
様子見はなし、侮りもしない。
生憎とリゼットは悟空のように相手の全力を引き出して、それに合わせて徐々にギアを上げていく趣味など持ち合わせていないのだ。
バーストリミットとの併用はリスクもあるのでまだ出さないが、この時点で既にミラの気を大きく上回っている。
「それが今のお前の全力か……あの時の力を使いこなせるようになったのだな。
出し惜しみをしないその精神、嬉しいぞ」
ミラが深く笑い、その場から消えた。
リゼットは微動だにせず、しかしその眼は雷よりも速く駆けるミラの動きを明確に捉えていた。
静かに、しかし素早く手首のスナップを利かせて裏拳を放つ。
するとすぐ近くまで迫っていたミラの頬を打ち、しかし彼は怯む事なく再び高速移動へと移行した。
正面から愚直に突進……と見せかけて地を蹴り、横へと回り込んで更にもう一度地を蹴って右側面から左拳を繰り出してきた。
――フェイント。リゼットはこの拳打に一切の反応を示さずに続く本命の右拳に合わせて右手だけを動かしてミラの手首を掴んだ。
「――!」
ミラの息を呑む気配が伝わる。
どれだけ強かろうと、どれだけ速く動けようと、関節の曲がる方向が変わるわけではない。
必然、逆方向へと回せば破壊出来る道理。
しかしリゼットが投げると同時にミラが回転し、手首の破壊を免れた。
更に廻りながら延髄蹴りを放ち、リゼットはこれに迷いなく手を放して一歩分下がることで蹴りを回避した。
ミラの足が目の前を通過し……軌道を変えてリゼットの顔を狙う。
廻りつつも地に手を突き、その反動で蹴りの軌道を変えて跳んだのだ。
しかしリゼットはこれも、僅かな動揺すら見せずに足首を掴んで蹴りを止めた。
そして素早く手を翳し、気功波。ミラの顔を狙い撃った。
だがミラは足を掴まれたまま器用に上半身を逸らして気功波を避け、掴まれていない足でリゼットの顎を狙う。
これに対しリゼットは足首を捩じって無理矢理ミラの身体の向きを変える事で蹴りの軌道を変更。自らは1㎜も動かずして攻撃を回避した。
しかしその瞬間ミラはリゼットが回した方向へと自らも高速回転し、足の皮膚をリゼットの掌に残して無理矢理に離脱した。
リゼットの手から脱する為ならば皮膚くらいは安いという英断だ。
「ふっ!」
自由を取り戻したミラは再び素早く駆ける。
前、正面、左右、背後、上、あらゆる場所に残像を残してリゼットを攪乱し、周囲を駆け回った。
しかしリゼットはあくまで無形の構えのまま、静かに佇む。その姿に惑わされている気配はなく、どこまでも自然体だ。
――背後!
ミラが仕掛けると同時にリゼットが全ての残像を無視して振り返り、繰り出された拳を掴んで投げる。
放り出される身体……ミラは即座に気弾を適当な方向へと発射して、その反動で移動。
直後、白い気弾がミラのいた場所を通過し――軌道を変えてミラへと向かった。追尾気弾だ。
だが地面に着地したミラはこれを手刀で弾き、再びリゼットへと突撃する。
勢いを殺さずに放たれた拳。だが当てようという意思が感じられない……フェイントだ。
リゼットはこれに目もくれずに横から放たれたミラの蹴りを軽やかに受け止めた。
それと同時に正面の残像が消え、またもミラの身体が投げられて宙を舞う。
叩き付けられると同時に身体全体のバネを活かして立ち上がり、またもミラが果敢に攻める。
攻める、防がれる、投げられる――攻める、防がれる、そしてまた投げられる。
どれだけ手を変え、残像拳を用いて、どの方向から攻撃しようと必ずカウンターを取られる。
向けた力がそのまま自分自身へと跳ね返ってくる。
ここまでくれば、最早あらゆる物理攻撃が通用しないのではないかと錯覚してしまう程のリゼットの絶技、膨大な経験の為せる神技にミラの唇が歓喜に歪んだ。
そうだ、これでいい。これくらい高い壁でなければ挑み甲斐がない。
やはり俺の宿敵はとても強かったと嬉しくなる。誇りたくすらなる。
俺は、奴との戦いの場に戻って来たのだと実感出来る。
「はああああああっ!」
両手に気を溜めて、機関銃のように気弾を乱射した。
遠方からの気弾連射は単純にして有効な戦術だ。負けフラグなどでは断じてない。
しかしこれもリゼットには効かない。空間に開いた亀裂が全ての気弾を飲み込み、ミラ自身へと向けて跳ね返すからだ。
そう、リゼットに単純な気弾や気功波の類は一切通用しない。
打撃は技で返され、気弾は特異能力で返される。何をしても向けた力がそのまま自分に戻って来る。
いっそ理不尽なまでの防御性能だが、ミラはこれに憤りなど感じはしない。
越えるべき目標が高い。それは喜ぶべき事だからだ。
反射された気弾を掻い潜りながらミラが軽快なフットワークを踏み、リゼットへと挑みかかる。
今、己は挑む側にいる。それがミラには嬉しかった。
奴等にあって自分にないもの……それはどんな強敵にも挑んでいく飽くなき闘志。
最初から強大な力を持って生まれた自分にはない、魂の叫びだ。
だが今は違う。今こそ自分は最強の驕りとトワの支配から脱却し、真の自由を得て己の意思で挑んでいるのだ。
フェイントを混ぜぬ愚直な拳の連打を放つ。フェイントや攪乱は通じぬというなら、彼女が捌き切れない速度で攻撃するまでの話だ。
リゼットはミラの拳を最小限の力で逸らし、弾き、一瞬にして放たれた数百数千の打撃を悉くいなす。
そればかりか、彼女の掌打がミラの攻撃を掻い潜って彼の顎を打ち据えた。
頭が揺らされ、足元がふらつく。
そこに間髪を容れずに零距離気功波。白い奔流がミラを無慈悲に飲み込んだ。
「……まだだ!」
だがミラはあろう事か両腕を広げ、歓迎するように気功波を受け止める。
するとどうだろう、気功波がミラの身体に吸い込まれるようにして消えていくではないか。
その光景を見てリゼットは、己の予感が正しかった事を悟った。
やはりだ。間違いない。
今のミラは超17号と同じ能力を持たされている。
つまり……気の吸収能力だ。今のミラに正面から気弾や気功波を撃っても彼をパワーアップさせるだけに終わる。
これは少々厄介かもしれない、と思いながらもリゼットは攻略法を考え始めた。
【戦闘力】
・リゼット:31億
ゼノバース:6兆2000億
※修行で少し戦闘力が伸びた
・最終ミラ:3兆
ドラゴンボールゼノバース2のラスボス。
前作での小物感溢れるキャラから一転し、戦士として一皮剥けた。
最強である事に執着するのを止め、己の高みを目指すその姿は多くのプレイヤーに「誰だお前」と言わせた……かもしれない。
トキトキの卵と創造主のトワを吸収する事で超サイヤ人ブルーの悟空すら圧倒する力を得た。
このSSではトキトキの卵を得ていないので、ゲームよりも弱い。
その代わりにゲロ脅威の科学力で気功波吸収の特殊能力を得ている。