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BAND-MAID 世界を熱狂させるガールズバンドの現在地。「新しい挑戦を恐れず前進あるのみ」

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/ポニーキャニオン

SAIKI、KANAMI、AKANEにインタビュー

2023年に結成10周年を迎えた5人組ガールズロックバンド・BAND-MAIDは、2024年を「新章開幕」として位置づけ、約3年半ぶりのフルアルバム『Epic Narratives』を発表し、全世界で上位にチャートイン。「世界征服」を目標に掲げアグレッシブに活動を続ける、彼女たちの未来へと続く道を明るく照らす作品となった。

そして2025年。MAPPAオリジナルTVアニメ『全修。』のオープニングテーマ「Zen」(1月)で幕を開け、続いて、話題のTVアニメ『ロックは淑女の嗜みでして』のオープニングテーマソング「Ready to Rock」では、新機軸ともいえる圧巻の疾走感の中、超絶技巧が炸裂する轟音とキャッチーなメロディな交差するハードロックが、聴き手の心と耳を鷲づかみにした。SAIKI(Vo)、KANAMI(G)、AKANE(Dr)にBAND-MAIDというバンドの現在地をインタビューした。

小鳩ミク (G/Vo)
小鳩ミク (G/Vo)

――まず「Ready to Rock」が素晴らしくて、もちろんアニメとリンクしているけど、今のバンドの勢いをすごく感じさせてくれる曲だなと思いました。頭からドラムとギターがこんなにバチバチにやりあっていいのかとびっくりしましたが、これはアニメサイドからのオーダーだったんですか?

KANAMI 制作サイドから「こういう曲にしてほしい」という具体的なオーダーは特になく、「BAND-MAIDのままで」と言っていただけたのが嬉しかったです。原作を読んで、主人公の鈴ノ宮りりさちゃんというギター女子が高校で、黒鉄音羽ちゃんというドラマー女子と出会って二人がライバルとしてバチバチに演奏し合って切磋琢磨していく感じだったので、それを出したいなって思いました。

「アニメの世界観に寄せつつも、BAND-MAIDらしさ、爪痕は絶対に残したい。そのバランスが難しくて、でもその難しさと向き合う時が、BAND-MAIDとしての新しさを引き出すきっかけになっている」(SAIKI)

――BAND-MAIDはアニメの主題歌やオープニング曲が多いイメージがありますが、その際バンドとしての個性とアニメの世界観、どこまで気にして作っていますか?

SAIKI (Vo)
SAIKI (Vo)

SAIKI 「Ready to Rock」のように自由に作らせていただくことが多いですが、やっぱりアニメの世界観に寄せつつも、BAND-MAIDらしさは絶対に残したいと思って制作しています。そのバランスが難しくて、でも、その難しさと向き合う時に、新しいBAND-MAIDの良さのようなものを引き出すきっかけになっているので、楽しくやらせていただいています。そして、アニメのファンにも、私たちのご主人様・お嬢様(ファンの呼称)にも響くものを目指しています。

――BAND-MAIDのファンは耳が肥えている人が多いですよね。

AKANE そうなんです。みなさんの反応が勉強になることも多いのですが、前提として自分たちのことを受け入れて応援してくださっているので、みなさんに新しい面を見せたいという気持ちから楽曲はチャレンジすることが多いです。

――アニメの世界とそのファンに寄り添いながら、BAND-MAIDとしての爪痕を残さないといけない。

SAIKI そうですね、爪痕を残せたら嬉しいなって思うし、それ以上に一緒にアニメを盛り上げたいっていつも思いながら作っています。やらせていただく作品が本当にいい作品ばかりなので、この作品の良さを一人でも多くの人に伝えるために、みんなで一緒に盛り上げたいという気持ちが大きいです。

KANAMI アニメからBAND-MAIDを知りました、という新しいご主人様、お嬢様も増えています。お給仕(ライヴ)に来てくれる年齢層も広がっていて、それがすごく嬉しいです。

KANAMI (G)
KANAMI (G)

――2024年にリリースしたアルバム『Epic Narratives』が特筆すべき出来のアルバムだと個人的には感じていて、少し時間が経っていますが、初めてインタビューさせていただく今日はまずそれを伝えたかったんです。

KANAMI すごく嬉しいです。ありがとうございます。

AKANE(Dr)
AKANE(Dr)

――14編の短編小説のように、濃密な物語が“立った”、色々なタイプの14曲が収録されていて、まさに“圧巻”という言葉しか出てきませんでした。それまでよりも割と重心を落とした音が芯としてあって、もちろんマニアックな音楽ファンにも響く音楽だけど、間口が広がった感じがしました。バンドにとってどんな意味を持つ作品でしたか?

KANAMI 2024年は「新章開幕」と銘打って、全員が気持ちを新たに創作活動と向き合い、BAND-MAIDの第2章の始まりを象徴するアルバムにしたいと思いました。今まで以上に音の幅が広がったと思うし、世界各地で行なったライヴや、海外のアーティストとのコラボレーションの経験がしっかり音にも反映されていると思います。

AKANE 未来に向かっていくんだ!という全員の気持ちを込めたアルバムになっているし、光が差してくるような一枚になったと実感しています。

KANAMI バンドとして11年目という新たな門出を祝いつつ、これからの決意表明を込めたつもりです。

「目標の五合目あたりまで来たかなって思うけど、山をただ登るのではなく、地盤を踏み固めながら、さらに世界中のご主人様・お嬢様と繋がっていきたい」(AKANE)

――『Epic Narratives』には、メキシコのThe Warningとのコラボ「SHOW THEM」、Incubusのマイク・アインジガーと共作した「Bestie」、USツアー中に制作した「Memorable」などが収録され、バンドとしての現在地を明確にし、それが“自信”として昇華され、バンドが“更新”したことを強く感じさせてくれました。「世界征服」という目標通りワールドワイドな活躍で、10周年を超えて活動を続けてきた今の”自信”について聞かせてください。

KANAMI 10年続けてきたことは大きな自信になっています。メンバーチェンジもなく、同じ5人で続けてこられたことは、ガールズバンドとしても珍しいと思います。仲間の良さ、チームワークのよさがBAND-MAIDの強みです。おっしゃっていただいたように、自信を手に前に進むことができていると思うので、楽曲制作の部分でも、これまでは私が楽曲の軸を作り、各パートがアレンジを加える形でしたが、今後は他のメンバーも作曲にチャレンジするという話を進めています。バンドとして新しい風を取り入れて、より幅広いBAND-MAIDを見せていきたいです。

SAIKI デビュー当初から「世界征服」を掲げて活動してきて、全米ツアーを完遂させたことで自信が出て、目標の五合目まで来たかなって思ったけど、それと同じくらいまだまだだなという思いも強いので、まだまだ山を登り続けなければいけません。

AKANE 10年同じメンバーでやってこられたことはもちろん自信につながっているし、私も確かに海外フェスや全米ツアーを経験して、目標の五合目あたりまで来たかなと思ったけど、まだ行ったことのない国も多いし、山をただ登るだけではなく、地盤を踏み固めながら、さらに世界中のご主人様・お嬢様と繋がっていきたいです。

MISA (B)
MISA (B)

――客観的に見てBAND-MAIDというバンドは、質の高い音楽性と独創的なライヴパフォーマンス、そして国境を越え世界中を熱狂させているトップランナーという捉え方なのですが、世界と日本のマーケットの“熱さ”、評価が乖離しているように感じているのですが、みなさんはどう感じていますか?

KANAMI 私達も不思議です。

SAIKI 自分で言っちゃう(笑)。

AKANE こんなにロックって聴かれないのかって感じてしまいます。

――見た目やコンセプトで先入観を持たれても、楽曲とライヴで“本物”であることを証明し続け、それは海外ファンの熱狂が証明しているし、それがバンドの成長にもつながったと思います。日本と海外のファン、ライヴの雰囲気に違いはありますか?

KANAMI 日本のご主人様・お嬢様はどちらかというとまじめで、私たちの音楽を真正面から受け止めてくれます。海外のご主人様・お嬢様はエネルギッシュで、お給仕中のキャッチボールが多い印象です。

――今は日本のライヴに足を運ぶ海外のファンが増えているとお聞きしました。楽曲を作る時、ライヴのことを意識して作ることが多いですか?

KANAMI お給仕でどう盛り上がるか、再現性をどこまで追求するかは常に考えています。レコーディングで難しいフレーズを弾いても、お給仕で再現できるように、自分の首を絞めつつ成長したいです(笑)。バンドサウンドや生演奏の迫力、人力のグルーヴの素晴らしさは、ライヴでこそ伝わるものだと思っています。

――3月と4月には、初のお盟主様(ファンクラブ会員)限定のアコースティックライヴを大阪と東京のビルボードで行ないました。

KANAMI アコースティックアレンジは本当に別物で、勉強になりました。ピアノやジャズ、ボサノバなど新しい要素も取り入れて、結成当初からやってみたかったことが実現できました。またやりたいと思っているので、通常のお給仕では聴くことができないアレンジやセッションを楽しみにしてほしいです。

「BAND-MAIDはまだまだ進化し続けます。新しい挑戦を恐れず、世界中のご主人様、お嬢様と音楽をわかち合いたいです」(KANAMI)

――5月10日(メイドの日)から「BAND-MAID TOUR 2025」がスタートしています。このツアーについて、そして今後の展望について教えてください。

SAIKI 今年のツアーは「今だから見られるBAND-MAID」をテーマにしています。去年リリースした『Epic Narratives』の曲たちもお給仕でさらに育てていきたいし、新曲「Ready to Rock」も加わって盛りだくさんの内容になっています。地元公演や海外のご主人様、お嬢様へのアプローチも積極的に行なっていきたいです。

KANAMI BAND-MAIDはまだまだ進化し続けます。新しい挑戦を恐れず、世界中のご主人様、お嬢様と音楽をわかち合いたいです。お給仕でしか味わえない熱量や、これからの新作にも期待してください。

現在全国ツアー『BAND-MAID TOUR 2025』を開催中。

BAND-MAIDは現在全国ツアー『BAND-MAID TOUR 2025』を開催中で、6月28日宮城公演までがファーストラウンド、セカンド・ラウンドが7月12日東京・豊洲PITからスタート。そしてファイナル・ラウンドのスケジュールも先日発表された。

さらにニューシングル「What is justice?」が 7月からスタートするTVアニメ『桃源暗鬼』(日本テレビ系)のエンディング主題歌に起用され、7月18日に全世界でのデジタルリリースが決定している。

BAND-MAIDオフィシャルサイト

BAND-MAID TOUR 2025

【SECOND ROUND】

7月12日(土) 東京 豊洲PIT  SOLD OUT

7月26日(土) 北海道 札幌ファクトリーホール

8月2日(土) 熊本 B.9 V1  SOLD OUT

8月3日(日) 福岡 DRUM LOGOS  SOLD OUT

8月8日(金) 愛知 DIAMOND HALL

8月9日(土) 愛知 DIAMOND HALL SOLD OUT

【FINAL ROUND】

10月24日(金) 大阪 なんばHatch

11月1日(土) 神奈川 CLUB CITTA’

12月7日(日) 東京 東京ガーデンシアター

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音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして「Billbord Japan」「Real Sound」「THE FIRST TIMES」「ナタリー」「SPICE」等の音楽・エンタメサイトや、アーティストFC他多方面で執筆中。

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