【各党反応】石破首相 続投意向「厳しい情勢 謙虚に受け止め」
7月20日に投開票が行われた第27回参議院選挙。
開票結果を受け、石破総理大臣は続投する意向を示しました。
立憲民主党の野田代表は「自民党とは、消費税で見解が違い、政治とカネの問題では決着がついていない。『大連立』はありえない」と述べました。
各党の反応や受け止めをお伝えします。
【開票速報】
【自民党】
石破首相 続投の意向「厳しい情勢 謙虚に真摯に受け止め」
石破総理大臣はNHKの開票速報番組で、参議院選挙で自民・公明両党が目標としていた過半数の維持に必要な50議席を確保するのは難しい情勢となっていることについて「厳しい情勢であり、謙虚に真摯に受け止めなければならない」と述べました。
その上で自身の進退を問われたのに対し「現状で比較第1党の議席を頂戴している。もう1つは、全国で選挙期間中に訴えてきた物価高を上回る賃金上昇や厳しい安全保障環境への対応、防災対策、地方創生、人口減少対策など国家のために果たしていかなければならない責任がある。比較第1党の責任はよく自覚していかなければならない」と述べました。
また、参議院で与党が過半数の議席を割り込んだ場合、一部の野党に連立に加わってもらう考えがあるかと質問されたのに対し「各党の議席数がまだ判明していないので軽々なことは申し上げられないが、去年の臨時国会やことしの通常国会でいろいろな意見を伺いながら、修正すべき点は修正してきた。それはこれから先も一緒だ。政策実現のために何が一番いいのかをよく考えないといけない」と述べました。
このあと石破総理大臣は、テレビ朝日の開票速報番組で、比較第1党の重さを自覚しなければならないという認識を重ねて示しました。
そして続投の意思表示と受け止めてよいか問われると「結構だ」と述べ、続投する意向を示しました。
森山幹事長 石破首相から指示あれば続投の考え
森山幹事長は昨夜11時半すぎ、自民党本部で記者団に対し、幹事長を続投するかと質問され「私の進退は石破総理大臣と相談するのが筋であり、そうしたい。『引き続き幹事長をやれ』という指示があれば、党人として当然だ」と述べ、石破総理大臣から指示があれば続投する考えを示しました。
小野寺政調会長「政策責任者の1人なので重く受け止め」
自民党の小野寺政務調査会長は午後8時半すぎ、NHKの開票速報番組で「示された民意をしっかり分析していくことが大切だ。消費税減税については、医療・介護・年金などさまざまな分野の重要な財源なので、それもあわせて今後野党とも議論する大きなテーマだと思う」と述べました。
また、党執行部の責任を問われたのに対し「まだ開票が続いているが、われわれの政策を受け入れて頂けなかったとすれば、政策責任者の1人なので重く受け止めている」と述べました。
閣僚経験者「過半数割れなら石破総理は責任とるべき」
自民党の閣僚経験者の1人はNHKの取材に対し「仮に与党で過半数を確保できなかった場合、石破総理大臣は責任をとるべきだ。衆議院選挙、東京都議会議員選挙、参議院選挙に負けたことになり『スリーアウト』だ」と述べました。
【公明党】
斉藤代表「自公連立政権を軸 責任の取り方は熟慮」
公明党の斉藤代表は、午後11時半ごろ日本テレビの開票速報番組で「自民党との連立を前提にして選挙協力の協定を結び政策実現のために一緒に頑張ってきた。今回の選挙で自民党と公明党が離れることは考えておらず、自民党と公明党の連立政権を軸に考えたい」と述べました。
その上で「党の代表として議席を減らすことに大きな責任を感じている。責任の取り方についてはしっかり熟慮していきたい」と述べました。
西田幹事長「物価高対策の訴え浸透しきれず」
公明党の西田幹事長は午後9時前、ニッポン放送の開票速報番組で「有権者の審判なので、厳粛に受け止めたい。賃金が物価上昇に追いついていない中、物価高対策を実施してきたが『これからこういうことをやっていく』という訴えが浸透しきれなかったと感じている」と述べました。
【立憲民主党】
野田代表「『大連立』はありえない」
立憲民主党の野田代表は21日午前1時ごろ、記者会見で「大きく前進できなかったことは分析をよくしなければいけない。一方で、石破政権に対して国民はノーという意思表示をしたので、ガソリン税の暫定税率の廃止などで野党連携をして、早く実現していきたい」と述べました。
その上で野田氏は「自民党とは、消費税で見解が違い、政治とカネの問題では決着がついていない。『大連立』はありえない」と述べました。
そして、内閣不信任決議案の扱いについて「石破総理大臣に続投の意思があるなら、きょうの記者会見で、アメリカのトランプ大統領との関税交渉についての言及も、当然あると思う。国難をいっそう助長する状況ならば、より強い気持ちで政権と対決せざるをえなくなっていく可能性もある」と述べました。
辻元代表代行「石破首相の判断 注視していきたい」
立憲民主党の辻元代表代行はNHKの開票速報番組で「自民・公明両党の政権に対する批判が全国に広がって地殻変動のようになっていたと思う。私たちは物価高対策や農業政策を訴えたが、自民党は無策というか、なかなか何を言ってるのかわからないという印象を受けた」と述べました。
その上で「今後の政局がどうなっていくかはまだ見通せない状況だ。石破政権に対して非常に厳しい審判が下ったが、石破総理大臣がどういうふうに判断されるのかも、しっかり注視していきたい」と述べました。
小川幹事長「圧倒的な野党第1党 ほかの野党に呼びかけたい」
立憲民主党の小川幹事長は、午後9時半すぎ、NHKの開票速報番組で「自民党と立憲民主党は対じすべき与野党の第1党どうしで、選挙で政権交代を目指すというのが基本線だ。衆議院の議席を含めて圧倒的な野党第1党である責任は変わらないので、ほかの野党に対して懐深く謙虚にさまざまな呼びかけをしていきたい」と述べました。
【日本維新の会】
吉村代表「関西はギリギリ土俵際 全国的には厳しい」
日本維新の会の吉村代表は午後11時すぎ、NHKの開票速報番組で「関西はギリギリ何とか土俵際で踏みとどまっているが全国的には厳しい結果だ」と述べました。
その上で「政党は公約を実行することが非常に重要だと思っているので個々の政策ごとに是々非々で進め、約束を果たす政治をしたい。社会保険料を下げる改革は本当に必要だと思うのでこれからも訴えていきたい。本当に必要なことを正面から訴えていく改革政党であり続け、日本を改革によって良くしていきたい」と述べました。
【国民民主党】
玉木代表「約束を守らない石破政権に協力するつもりない」
国民民主党の玉木代表は午後10時半ごろ、NHKの開票速報番組で、党の獲得議席の状況について「手取りを増やすという政策への期待の結果だと思う」と述べました。
また、石破政権との関係については「政策ごとに判断していきたいが、われわれが一番重視をしていた『103万円の壁』の178万円への引き上げとガソリンの暫定税率の廃止については約束が守られていないと思っている」と述べました。
その上で「石破政権は続くのだろうか。自民党内政局、与党政局、どうなるのかわからないし、このまま続投が認められるのかどうかも含めてよく見定めたい。約束を守らない石破政権に協力するつもりは全くない」と述べました。
玉木代表は21日午前0時すぎに東京都内で記者会見し「自民党がダメだからといって、立憲民主党がどんと増えているわけではなく国民民主党や参政党が増えていて、新しい選択肢が選ばれた。『こういう政策をやれば強い経済を取り戻せる』と率直に語った私たちに、国民が期待を寄せた」と述べました。
榛葉幹事長「与党との連立はないと思う」
国民民主党の榛葉幹事長は、民放の開票速報番組で「与党との連立はないと思う。そもそも昨年の衆議院選挙の民意の結果を受けて、年収の壁の引き上げやガソリン税の暫定税率の廃止を自民・公明・国民民主の3党の幹事長が約束をして予算案に賛成したが、はしごをはずされた。われわれより国民が大きな失望をしたのではないか」と述べました。
その上で「参議院選挙も終わり、新しい枠組みになって国会の景色が変わるので、堂々と勝負したいと思う」と述べました。
【共産党】
田村委員長「自民党政治を終わらせる立場貫く」
共産党の田村委員長は昨夜11時半ごろ、NHKの開票速報番組で「衆議院に続いて参議院でも、与党過半数割れを大目標に戦ってきた。自民党との対決姿勢が鮮明な野党が力を合わせ、国民の審判に応えるべきだ。自民党は、野党の取り込みをするだろうが、私たちは、自民党政治を終わらせる立場を貫いていく」と述べました。
小池書記局長「1人区で一本化の努力が効果を上げた」
共産党の小池書記局長は午後8時半すぎ、文化放送の開票速報番組で「いまの政権への、国民の不満や憤りを肌で感じる選挙戦だった。1人区で一本化の努力をしてきたことが、かなり効果を上げた」と述べました。
また、小池氏は「民族差別・排外主義を声高に訴える政党が出ていることは、深刻な危機だ。多様性を尊重する連帯の政治を訴えていくことが、これからの私たちの課題になっていく」と述べました。
【れいわ新選組】
山本代表「マスコミの争点のそらし方がひどかった」
れいわ新選組の山本代表は午後8時すぎ、党のYouTubeチャンネルで「今回は特にマスコミの選挙の争点のそらし方がひどかった。この選挙で何が問われるべきかというタイミングの時に『外国人』というテーマで席けんされ、あまりにも争点としておかしかった」と述べました。
その上で「30年の不況でコロナがやってきて、それから立ち直る前に物価高になり、バタバタと中小零細がつぶれている状況だ。この状況で今、一番問われるべきは何かといったら国民生活であり、この国の経済だ。待ったなしの状況にあるにもかかわらず、外国人問題に話題をシフトさせて『何なんだ、それ』ということだ」と述べました。
そして「もちろん『外国人』をめぐる問題があることは認識していきながらも、これを変えていく議論を国会の中でしていくことは、私たちも決してブレーキをかけるつもりはない。ただ、とにかく今は経済だ。その経済を覆い隠すようなさまざまなテーマ隠しが行われた選挙だった」と述べました。
【参政党】
神谷代表「選挙前想定より3倍ぐらいの議席獲得しそう」
参政党の神谷代表は午後10時半ごろ、NHKの開票速報番組で「選挙前に想定したよりも3倍ぐらいの議席を獲得しそうなので大変喜んでいるところだ」と述べました。
また、今後の他党との関係については「政策ごとに賛成できるものは賛成する。政策ごとに賛否を決めていくというのが自公政権、与党との向き合い方になる。立憲民主党とも是々非々だ。選択的夫婦別姓などは乗れないが、減税政策などは立憲民主党が提案してくれるのであれば協力してやっていきたい」と述べました。
その上で「次の衆議院選挙で50か60ぐらいの議席を取れれば将来、ヨーロッパのような少数政党の連立内閣みたいなものが実現するのではないかと考えており、その一角を占めるようなポジションを目指したい。自民党は右から左までウイングが広すぎて国民が何がしたいのかわからなくなっている。将来、自民党の分裂もあると思っており、与野党関係ない新しい枠組みを作っていきたい」と述べました。
一方、昨夜9時すぎテレビ朝日の開票速報番組では、選挙期間中の街頭演説で「高齢の女性は子どもが産めない」などと発言したことについて「訂正する気も謝罪する気も一切なく、当たり前のことをしっかり問題提起した。国会でも、引き続き同じテーマで訴えていきたい」と述べました。
その上で「生物学的に、高齢になったら女性は子どもを産めなくなる。そういったことをただ説明しただけなので、傷つくと言われても、私は困ってしまう」と述べました。
【日本保守党】
百田代表「もの足りない結果だ」
日本保守党の百田代表は午後11時半ごろ、NHKの開票速報番組で「もの足りない結果だ。減税や間違った再エネ政策の是正などを訴えてきたが、届いた部分もあるし、届かなかった部分もあるということだろう」と述べました。
その上で「とにかく私たちは愚直に日本を豊かにするためにわれわれの主張が通るように国会でほかの議員に働きかけていきたい」と述べました。
【社民党】
福島党首「政策がいろんな人に浸透できるよう頑張りたい」
社民党の福島党首は午後11時半ごろ、NHKの開票速報番組で「厳しい状況だが、議席を獲得できるよう、必死で見守っていきたい。憲法を守っていく政策、人権が大事だという政策が、もっともっといろんな人に浸透できるよう頑張りたい」と述べました。
【みんなでつくる党】
大津党首「結果を真摯に受け止める」
みんなでつくる党の大津党首は「結果を真摯(しんし)に受け止め、今後もいじめやひぼう中傷の撲滅、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて活動を続けていく。今回の選挙を通じていただいた声や思いは私たちのこれからの政策提言や社会変革の大きな原動力となる」とするコメントを出しました。
【NHK党】
立花党首「『得票率2%』に期待 政治家このまま継続」
政治団体「NHK党」の立花党首は午後8時すぎ、神戸市で記者会見し「党として、議席が取れない情勢だと聞いている。ただ、国政政党に復帰するのがいちばんの目的で、要件となる『得票率2%』は期待が持てる。私自身は、国政に返り咲けなくても、政治家をこのまま継続し、兵庫県を中心にやっていく」と述べました。
【再生の道】
石丸代表「国民の意識が可視化された」
政治団体「再生の道」の石丸代表は午後10時すぎに東京都内で記者会見し「『選挙の結果に一喜一憂するのがどうなんだろう』というのが、私のポリシーだ。今回、国民の意識が可視化され、できることはしっかりと全部できた」と述べました。
【チームみらい】
安野党首「当選はゴールではなくスタート」
政治団体「チームみらい」の安野党首は午後8時半前に都内で記者会見し「われわれが訴えていたことをここまで広く支持してくれる人がいたのがまず第1にものすごくうれしい。当選はゴールではなくスタートだ。分断が、民主主義の中で大きな課題になっているので、われわれは分断をあおらず、敵をおとしめることなく、正々堂々まっすぐに建設的に議論していくことを体現したい」と述べました。
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