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参院選2025

第27回参院選は7月3日公示・20日投開票の日程が決まりました。関連するニュースを特集します。

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自民・柳本顕氏が落選確実 公認当選27年ぶりゼロ 参院大阪選挙区

落選が確実になり、無念の表情を浮かべる柳本顕氏=大阪市西成区で2025年7月20日午後11時57分、加古信志撮影 拡大
落選が確実になり、無念の表情を浮かべる柳本顕氏=大阪市西成区で2025年7月20日午後11時57分、加古信志撮影

 大阪選挙区(改選数4)で、自民新人の元衆院議員、柳本顕氏(51)の落選が確実となった。同選挙区で自民の公認候補が当選できなかったのは1998年以来27年ぶり。98年参院選は、無所属でタレントの西川きよし氏が3回目の当選を決め、当時の大阪には「お笑い100万票」という言葉があった。

 柳本氏は大阪市西成区の事務所で「19人の候補が乱立する厳しい戦いだった。議席を得られず責任を感じている。有権者の声を真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。

 大阪選挙区は2016年から3回の参院選で、維新が2議席、自民と公明が1議席ずつを分け合う構図が続いてきた。しかし、全国的な勢いを背景に参政が急伸し、保守票を奪い合う形になった。

 自民は24年10月の衆院選で候補者を立てた大阪府内15選挙区で維新に全敗し、比例復活も1人だけに終わった。12月に知名度が高い青山繁晴参院議員(72)を党府連会長に選び、参院選で巻き返しをはかった。

 ところが、府連は公認を決め切れず、党本部がいったん擁立を決めた前職の太田房江氏(74)も、今年5月に急きょ出馬を取りやめた。党本部主導で公募することになった。

 手を挙げた一人が柳本氏だった。元大阪市議で、維新の看板政策「大阪都構想」に反対し、15年と19年の大阪市長選に挑み、落選の憂き目にも遭った人物だ。ようやく公認が決定したのは6月だった。

 選挙戦に入っても、一枚岩になれなかった。

 石破茂首相が7月16日、柳本氏の応援のため大阪市内で街頭演説したが、青山氏は同席せず、別の場所で街頭活動をした。

 青山氏は石破氏が選挙期間中に来阪することに反対だったといい、選挙期間中に演説で「増税があって減税がない石破政権の政策と、中国に甘い政策が自由民主党の支持層の批判を招いている。遊説においでになって票が戻るんですか」と批判した。

 柳本氏の落選が確実になり、青山氏は責任を取って府連会長を辞任すると表明した。報道陣に対し、石破首相について「身を処すべきだ」と述べた。

 柳本氏の陣営関係者は「組織の弱体化を感じた」と打ち明ける。府内の国政・地方選で敗北が続き、現職の国会議員や地方議員が減少。ポスター張りやビラ配りを担う人手が足りないほどだった。

 柳本氏は大阪市議などの経験を生かしながら、物価高対策や賃上げに加え、減税の必要性も訴えたが、及ばなかった。【長沼辰哉、高良駿輔】

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