参院選大分選挙区(改選数1)は立憲民主元職の吉田忠智氏(69)が、自民現職の白坂亜紀氏(59)ら4人を降し当選確実とした。吉田氏は、オール野党の支援を受けながら341票差で敗れた2023年4月の参院補選の雪辱を果たした。
午後11時半過ぎ、当選確実の一報を受け、吉田氏が大分市内の集会場に姿を現すと、陣営から大きな拍手。吉田氏は支持者らと万歳三唱した後、「2年3カ月前の僅差による敗北から皆様の励ましをいただき、戦うことができた。ご恩にしっかり報いないといけない」と力を込めた。
野党系現職の知事選出馬に伴う2年前の補選は、全国比例選出の吉田氏が現職を辞して出馬。新人だった白坂氏との一騎打ちに臨むも、自民本部の全面的な支援を前に競り負けた。
吉田氏は今回、大分選挙区で最も早く出馬を表明。大分県連代表として県内をくまなく回り、出身母体の労働組合を中心に支持基盤を引き締めた。選挙戦では持論の「食品消費税ゼロ」を訴え、無党派層の取り込みにも余念が無かった。
一方の白坂氏は「女性視点の政治の実現」などを訴え支持拡大を図ったが、保守票の一部が参政新人の野中しんすけ氏(38)に流れたことも影響して苦戦。最終盤まで小泉進次郎農相や党幹部が応援に駆けつけてテコ入れを図ったが、及ばなかった。
落選が確実となり、支援者らが開票の様子を見守る大分市のホテルに姿を現すと「逆風の中、力強く応援していただいたがこのような結果になってしまった。政治の信頼回復に努める」と述べ、深々と頭を下げた。【李英浩】
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