和菓子の意外な歴史を知って、もっと味わい深く楽しんでみませんか? 和菓子研究家の青木直己さんにいろいろ教えていただきました。

【出演者】
青木直己さん


<プロフィール>
1954年、東京都出身。老舗和菓子店で和菓子の歴史と文化に関する調査・研究に従事。退職後、大学などで非常勤講師をする他、時代劇ドラマなどの考証を行う。


――和菓子に定義はあるのですか?

青木:
前近代を中心にして考えてるんですけれども、江戸時代以前は、植物性の原材料を使うという定義がありまして、簡単にいうとミルクとかチョコレートなどを使わないということです。

――卵もダメですか?

青木:
卵は唯一の例外です。16世紀にポルトガル人が日本に来て、ニワトリの卵を食べることを広めたんです。それ以前、日本ではニワトリの卵を食べることはタブーでした。

――カステラはポルトガルでしたっけ?

青木:
16世紀の後半以降に広まったと考えられています。でも、南蛮菓子がこぞって食べられるようになったのは江戸時代の前期とわたしは思っています。

――カステラは和菓子でいいんですか?

青木:
和菓子です。伝わってきて、工夫をして、日常的につくり続けられてきて日本のお菓子として同化したのでカステラは和菓子です。

――和菓子の起源はどこまでさかのぼれるんですか?

青木:
古墳時代の発掘品の中に、器に盛ったお団子形のものとかがあったりするから、日本に農耕が入ってきた頃に、米とか雑穀を丸めてつくった餅や団子などが、お菓子の1つの原型ではないかなと思います。それがだんだん発達してきて、例えば、8世紀の記録を見ると、お餅と小豆を合わせたり、お餅と大豆を合わせたり、別の食材を合わせる工夫をしてお菓子の歴史が始まったんだと思います。

――おまんじゅうはいつ頃ですか?

青木:
鎌倉時代、1200年代の中頃に中国から伝わったという説と、室町南北朝時代、1340年代ぐらいに伝わったという説があります。曹洞宗を開いた道元の記録の中に、清めるために蒸して食べるとか、おまんじゅうの食べ方も書かれてるんですよ。

――砂糖が手に入りやすくなったのは、和菓子の歴史にとっては大きな転換点なんですか?

青木:
輸入量が増えるということは、日本の財貨が外国に行っちゃうことなので、8代将軍吉宗が江戸城の中や浜離宮でサトウキビを植えて砂糖の製法を実験しつつ全国に広めたんです。1700年代中頃に製法も確立され、全国に砂糖の生産地帯が広まったんです。そして、19世紀になるとお菓子屋さんの数が目に見えて増え、庶民にも手が届く存在になったんです。


江戸時代の後期に庶民に人気だったお菓子とは? 羊のスープから生まれたお菓子とは? みたらし団子やかしわ餅の誕生、栗を使用した和菓子の歴史など教えていただきました。6月19日まで聴き逃し配信します。


【放送】
2025/06/12 「まんまる」