第1回「園児を虐待」身に覚えのない逮捕 法廷で検察は言葉を濁した

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森下裕介 上保晃平
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証拠はあった~「虐待」保育士の無罪~(前編)

 2023年2月末、保育士の男性(36)の自宅に、警視庁の複数の警察官がいきなり訪ねてきた。

 「入らせてください。警察です」

突然の逮捕 その根拠は…

 室内に入ると、捜索を始めた。理由を尋ねても答えてくれない。しばらくすると、かつて勤務していた東京都日野市の保育所で、園児に暴行をして傷害を負わせた、という逮捕状が示された。

 男性は「身に覚えがありません」ととっさに反論したが、「覚えがなくてもいい」と手錠をかけられた。

 身体拘束はこの日以降、約300日に及んだ。

 なぜ虐待の容疑がかかったのか――。

 3月に起訴された後、検察官が開示した証拠を見て、初めて理由がわかった。

元同僚が証言「暴行を目撃した」

 男性が逮捕される前、2人の元同僚が警察の事情聴取に「(男性の)園児への暴行を目撃した」と証言していた。これが、逮捕の大きな根拠だった。

 ただ、この証言以外に「虐待」を裏付ける直接の証拠はなかった。

 裁判で無罪を勝ち取るには、証言の信用性が鍵になるのではないか。男性の弁護を任された久保有希子弁護士と布川佳正弁護士は狙いを定めた。

■狙いを定めた証拠は「不存在…

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この記事を書いた人
森下裕介
東京社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、刑事政策、人権
上保晃平
立川支局|事件・裁判担当
専門・関心分野
社会保障、障老病異、社会思想

連載証拠はあった 「虐待」保育士の無罪(全2回)

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