お付き合い

　娘の学校では、修学旅行中に告白する伝統があるそうだ。

　娘がパートナーに、誰が誰に告白したという話を一生懸命にしているのを車の助手席で聞いていた。

　車の運転は、警察から切符ばかり切られている私に代わって、最近は専らパートナーがするようになった。

　最近の子供の名前は、キラキラし過ぎていて、覚えることができない。よく聞く名前だが、誰が誰なのかよくわからないまま話を聞き流していたのだが、最後の方に、娘が例のクオーターのイケメン君に告白したらしく、OKをもらったとあっさりと言いやがった。

　は？　付き合うって、何するの？

　娘なんて、まだまだお子ちゃまなのだ。相手のイケメン君も子供だ。

　娘はスマホゲームに夢中で、私の質問はガン無視だ。仕方なく、パートナーの方に視線を向けると、

　さあ、私もそんな年齢のときに付き合ったことないから、よくわからない

との答えだったが、確かこの人、中学生のときにサラリーマンの彼氏がいたという条例破り少女だったはずだ。

　さすがに娘が条例破りをするとは思えない。パートナーがほかの子たちのお付き合いの内容を教えてくれた。公園で遊ぶのだという。

　何、それ？

　さあ……？

　私が初めて付き合ったのは中学2年のときの同級生だったが、学校では普通に接して、夜に電話で話をするぐらいだった。

　今度、クラスの子供たちと何人かでディズニーシーに行くらしい。イケメン君とあの美貌のハーフの現役モデルのお母さんも来るらしい。

　お、俺も行こうかな……

　今度はパートナーにも無視された。