ハーバード大、対トランプで「強気」支える8兆円基金 長期戦には弱み
【ニューヨーク=三島大地】ハーバード大学が、大学への圧力を強めるトランプ米大統領に対して強気の構えを崩していない。トランプ氏は留学生の受け入れや補助金の停止といった強硬手段を次々に繰り出すが、ハーバード大は法廷闘争で対抗する。そんな強気の背景にあるのが、約530億ドル(約8兆円)と世界最大規模の大学基金の存在だ。
予算は東大の3倍、基金は50年で50倍に
世界最高峰の高等教育機関として知られるハ...
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(更新)- 菅野暁東京大学 理事(CFO)ひとこと解説
トランプ大統領とハーバード大学の対立は長期戦の様相を見せています。同様の事態が起こることが予想されるカリフォルニアの有力大学CFOと話したときに聞いたことですが、米国大学の年度は7月から始まるので既に新年度の予算は確定しているのですが、更に支出を大幅にカットする案を組み込んだ補正予算案を策定中とのことでした。これは数百人単位の職員解雇を含む経費削減という大変厳しいものになるとのことです。一方、巨額のエンダウメントを持っているのでこれを取り崩さないのか尋ねたところ、このCFOはエンダウメントに手を付けると将来の経営に禍根を残すから、厳しくとも今やるべきことをやると話していました。立派です。
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(更新) - 津川友介米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA) 准教授・医師分析・考察
大学の基金は通常年5~8%程度で運用され、その運用益の中から「ペイアウト率」と呼ばれる自由に使える金額が生まれます。このペイアウト率は通常4~5%であり、つまり基金の4~5%が毎年使用可能なお金ということになります。ただし、多くの基金は各センターや「チェア(冠)」と呼ばれる教授に紐づいている場合が多く、その使い道はセンター長や大学教授に一任されているため、大学本部側では自由に使うことができません。そのため、基金は大学側の自由度を高める点では有用ではあるものの、NIHからの研究費削減を補填できるほどの金額規模があるわけでもなく、用途の柔軟性が特別高いわけでもありません。
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